イタリア人指揮官ファビオ・カペッロ氏が、カタール・ワールドカップ(W杯)の所感を述べている。
守備における規律とカウンターとロングボール戦術によって一世を風靡したカペッロ氏。現在76歳の同氏はスペイン『マルカ』とのインタビューに応じ、カタールW杯ではとてもフィジカル的なフットボールが展開されているとの見解を示した。
「全体的にフィジカルのレベルがとても高い。すべての代表チームがフレッシュな形で大会にたどり着き、とてもよく走っている。それだけでなく接触を恐れることもなく、ボールを失ってもすぐに奪い返そうとするね」
「私たちは今大会で本物のフットボールを見ている。全員がクレイジーなほどに走り、プレッシャーを仕掛けているんだ」
「戦術的に目を引いたこと? 私たちは速攻を常に意識した高レベルな守備を目にしている。全体的に均衡した試合が多かったね」
カペッロ氏はその一方で、決勝トーナメント1回戦でモロッコに敗れたスペインのポゼッションスタイルについて意見を求められ、次のように返答している。
「ボールに触って触って、さらに触るフットボールではもう勝てない。73%のポゼッションを記録して枠内シュートが1本もないんだ。GKからサイドバック、再びGKから違うサイドバックにボールを回して……それで終わりだ。私はスペインが勝ち進むことを期待していたのだが、あれだけボールに触っていれば不可能だよ」
「ルイス・エンリケについて? 彼はファンタスティックな監督だと思うし、幸運を祈っている。私は彼といつも気が合った。レアル・マドリードを初めて指揮したときも、クラブが彼のバルセロナ移籍を認めた理由が分からなかったんだ」
決勝のアルゼンチン対フランスはどう見ているのだろうか。
「アルゼンチン対フランスではあるが、メッシ対エンバペでもある。レオは最初ずっと歩いていたが、クロアチア戦のプレーには魅了された。私たちはようやくバルセロナのメッシを目にすることができたんだ」
「一方でキリアンはすべてを持っている。ポテンシャルの塊で、とてもスピードがあり、何よりもゴールを持っているんだ。試合については熱狂的なものになるだろうが、おそらく得点は少なく、延長戦やPK戦になる可能性も否定できないね」