至るところに堂安効果
(C)Atsushi Tokumaru
伊東純也と南野拓実の牙城を崩していくためにも結果が求められていた。右の堂安律は3月の最終予選に選出されず、左の三笘薫は初の先発起用となったベトナム戦で不発。前回シリーズのことを踏まえても、もう一度、圧倒的なパフォーマンスを残すことで、周りとの違いを明確にする必要があった。
「(前回の最終予選のメンバーに入れず)もちろん悔しかった。それでも落選したことによって、いまの自分がいると思う。チームのタスクをこなしながら、プラスαで自分の武器を出していけたらいい」
右のアウトサイドで起用された堂安の気持ちの入りようは、誰が見ても明らかだった。巧みなボールキープと中と外を使い分ける動きで、攻撃をけん引。縦に強く、スペースでボールを受けることが多い伊東とは違い、よりボールに関わることでリズムを作っていった。
また、「ドイツに行って成長した」という守備面でも高い強度を発揮。球際へのアタックや周りの選手と合わせて囲みに行くプレーなど、結果だけに意識を傾けるのではなく、培ってきたディフェンスもしっかりと表現してみせた。PKこそ決め切ることができなかったが、鎌田大地の得点をアシストするなど、攻守に存在感を示したと言っていい。
新たな可能性として感じたのは、山根視来との連係。中へスルスルと動いたり、ボールをキープしたりすることで、大外を使うスペースを生み、山根の特長であるアグレッシブな攻撃参加を引き出した。これは川崎Fで家長昭博が見せているプレーに似ており、山根としてもやりやすさがあったのは間違いない。ここの連係をさらに向上させていけば、縦のユニットとしても面白い存在になるはずだ。
三笘が身につけたメリハリ
(C)Atsushi Tokumaru
一方、代表で生き残っていくために必要なこととして「スタメンで結果を残すこと」を挙げていた三笘は、攻守のメリハリという点で成長を感じさせた。
「最近は90分間の配分を組み立てやすくなっていて、行けるところは行けるし、バランスの取り方も分かるようになってきている」
“途中出場で結果を残すことはできても、先発ではパッとしない”と評価されてきた三笘だが、ベルギーでWBとしてプレー機会を増やしたことで、動きに変化が生まれた。パワーの使い方が巧みで、この試合でも仕掛けるところとボールを動かしていくところのバランスが非常にいい塩梅だった。実際に82分間の出場で消える時間も少なく、特長であるドリブルや組み立て面でも効果的に関われることを証明。それだけでなく、強烈なプレスバックでピンチを未然に防ぐなど、強度の面でも進化を遂げていることを印象付けた。
W杯を含めて強豪との対戦となったときにさまざまなオプションが必要になるのは明らか。そして、同等の力を持ったタイプの違うアタッカーがそろえば、さらにチームは強化される。主軸となっている二人との違いを示し、評価を高めた堂安と三笘。東京五輪世代の二人が先輩たちのポジションを脅かすことで、チームの底上げを図っていく。
林 遼平
1987年生まれ、埼玉県出身。東日本大震災を機に「あとで後悔するならやりたいことはやっておこう」と、憧れだったロンドンへ語学留学。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることになった。帰国後、サッカー専門新聞『EL GOLAZO』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。
日本代表 招集メンバー
ポジション | 名前 | 生年月日 | 所属クラブ |
---|---|---|---|
GK | 川島 永嗣 | 1983.03.20 | RCストラスブール |
GK | 権田 修一 | 1989.03.03 | 清水エスパルス |
GK | シュミット・ダニエル | 1992.02.03 | シントトロイデンVV |
GK | 大迫 敬介 | 1999.07.28 | サンフレッチェ広島 |
DF | 長友 佑都 | 1986.09.12 | FC東京 |
DF | 吉田 麻也 | 1988.08.24 | サンプドリア |
DF | 谷口 彰悟 | 1991.07.15 | 川崎フロンターレ |
DF | 山根 視来 | 1993.12.22 | 川崎フロンターレ |
DF | 板倉 滉 | 1997.01.27 | シャルケ04 |
DF | 中山 雄太 | 1997.02.16 | PECズヴォレ |
DF | 冨安 健洋 | 1998.11.05 | アーセナル |
DF | 伊藤 洋輝 | 1999.05.12 | VfBシュツットガルト |
DF | 菅原 由勢 | 2000.06.28 | AZアルクマール |
MF/FW | 原口 元気 | 1991.05.09 | 1.FCウニオン・ベルリン |
MF/FW | 柴崎 岳 | 1992.05.28 | CDレガネス |
MF/FW | 遠藤 航 | 1993.02.09 | VfBシュツットガルト |
MF/FW | 伊東 純也 | 1993.03.09 | KRCヘンク |
MF/FW | 浅野 拓磨 | 1994.11.10 | VfLボーフム |
MF/FW | 南野 拓実 | 1995.01.16 | リヴァプールFC |
MF/FW | 古橋 亨梧 | 1995.01.20 | セルティック |
MF/FW | 守田 英正 | 1995.05.10 | CDサンタ・クララ |
MF/FW | 鎌田 大地 | 1996.08.05 | アイントラハト・フランクフルト |
MF/FW | 三笘 薫 | 1997.05.20 | ユニオン・サンジロワーズ |
MF/FW | 前田 大然 | 1997.10.20 | セルティック |
MF/FW | 堂安 律 | 1998.06.16 | PSVアイントホーフェン |
MF/FW | 上田 綺世 | 1998.08.28 | 鹿島アントラーズ |
MF/FW | 田中 碧 | 1998.09.10 | フォルトゥナ・デュッセルドルフ |
MF/FW | 久保 建英 | 2001.06.04 | RCDマジョルカ |
● 男子FIFAランキング
● サッカー日本代表・U24・女子 | 試合日程・結果・放送予定
● W杯カタール2022アジア最終予選 | 日程・順位・組み合わせ
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?