アトレティック・クルブのガーナ代表FWイニャキ・ウィリアムズが、スペインの差別問題について言及した。
ガーナとリベリア共和国にルーツがあり、スペイン・バスク州ビスカヤ県の県都ビルバオで生を受けたイニャキ・ウィリアムズ。同選手は『ESPN』とのインタビューに応じ、昨季大きな騒動となったレアル・マドリードFWヴィニシウス・ジュニオールに対する人種差別について見解を述べた。
ヴィニシウスは昨季、スペインの複数のスタジアムで人種差別的な言動を受け、とりわけバレンシアの本拠地メスタージャで受けたものは全世界を巻き込む騒動に。ラ・リーガやスペイン政府は人種差別撤廃のための早急な動きを求められることになった。
自身も人種差別に苦しんできたイニャキ・ウィリアムズは、あのバレンシア対レアル・マドリードでは観客が差別的言動を行なった時点で、レアル・マドリード側が試合を放棄すべきだったとの見解を示す。
「あのとき、レアル・マドリーのすべての選手がその場から立ち去ってくれていれば、僕は本当に感謝をしていたと思うんだ」
イニャキ・ウィリアムズはまた、スペインが抱える差別問題は人種だけに限らず、階級差別も行なっているとの意見を述べた。
「自分みたいに金持ちであれば、別に肌の色は見られないんだ。でも、もし路上の物売りだとしたら話は変わってくるんだよ」
イニャキ・ウィリアムズはスペイン代表を選べる可能性がありながらもガーナ代表を選択。その理由は、つい最近に亡くなった祖父の存在にあった(弟のMFニコ・ウィリアムズはスペイン代表を選択)。
「祖父は僕がガーナでプレーすることを望んでいた。彼に誇らしく思ってもらえてよかったよ」
イニャキとニコの両親は極度の貧困の中、過酷な砂漠の旅を乗り越えてスペインにやって来たことで知られている。母親はイニャキをその身に宿しながら旅していた。
「この夏ガーナに行ったとき、僕とニコは裸足の子供たちを目にした。僕はニコにこう言ったよ。『父さんと母さんが両親じゃなかったら、僕たちもこの子たちと同じだったかもしれない』って」
「母さんから語られたことがある。彼らはガーナにいて、母さんは僕を妊娠していた。父さんは『もっと良い未来を手に入れるために国を出なければいけない』と口にしたんだという」
「そうして彼らは砂漠の旅をスタートした。父さんはその旅で、足の裏を焼いてしまったんだ」
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