スペインフットボール連盟(RFEF)のルイス・ルビアレス会長は、口にキスをした同国女子代表ジェニファー・エルモーソに対して、自身と一緒に謝罪動画に出るよう懇願したという。
ルビアレス会長はスペイン女子代表が優勝したW杯の表彰式で、ジェニファーを祝福した際に彼女の頭を両手で持ち、口部分にキスをした。エルモーソが直後、SNSで生配信していた映像でチーム関係者に「(ルビアレス会長のキスは)好きじゃなかったわ」と話したこともあり、同会長には批判が殺到することに。しかし当の本人は「(批判をする)バカはどこにでもいる。2人が互いに愛情を抱えているならば重大なことではない。バカたちを相手にする必要はない。私たちはチャンピオンであり、そのことだけを心に留めているよ」と発言して、火に油を注いでいる。
しかしその出来事の翌日、スペイン政府のミケル・イセタ文化スポーツ大臣が「受け入れられないことだ。彼は説明と謝罪をすべきだろう」と声を上げると、ルビアレス会長は同日に謝罪の動画を公開。神妙な面持ちで、次のように語った。
「私たちはスペイン・フットボールの歴史的な出来事を迎えることができた。しかし、それと同時に悲しむべき出来事も存在している。私とある女性選手の間に起こったことだ」
「私たちは素晴らしい関係にあるが、しかし間違いなく私が過ちを犯した。そのことを認めなければならない。感情があふれ出た瞬間に、悪意などもなくああしたことが起こった。とても自然に発生したことで、2人とも悪意はなかった」
「皆の理解が得られなかった。私たちは何か自然な、悪意などどこにもない普通のことだと考えていた。だが外部では騒動が巻き起こってしまったようだ。今回の出来事に傷ついた人がいるならば謝らなくてはならない。そうするほかない」
そしてスペイン『アンテナ3』によれば、ルビアレス会長はこの動画を出す前にジェニファー・エルモーソに対して、次のように懇願して、断りを入れられていたという。
「私の立場が危ういんだ。私の娘たちのために頼む。一緒に動画に出てくれ」
『アンテナ3』曰く、ジェニファー・エルモーソがルビアレスの懇願を断った後、ホルヘ・ビルダ監督が同選手の家族と話し合い彼女を説得するよう頼み込んだとのことだが、こちらも良い返答を得られなかったようだ。
なお、ルビアレス会長が一人で問わず語りをしている謝罪動画は、スペインではあまりに不十分な内容と受け止められることになった。スペイン政府のペドロ・サンチェス首相も「私たちが目にした行為は受け入れられないものだったが、同様にルビアレス氏の謝罪も不十分かつ、適切なものではなかった」「彼の謝罪は不十分であり、すべてを明らかにする姿勢でもって誠実に謝らなくてはいけない」と遺憾を示している。
ルビアレス会長のこの“口にキス”騒動は、スペイン国内で連日にわたって大々的に報じられ続けており、スペインの全政党が同会長を批判し、辞任や責任を取ることを求めている。
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