カタールW杯アジア最終予選グループBで最大のライバルと目されているオーストラリア代表は、日本とは対照的にグループリーグを3連勝スタート。同勝ち点のサウジアラビアとともに快調に勝ち星を積み重ねている。
W杯に初出場した1974年以降は、32年間本戦出場から遠ざかってきたが、フース・ヒディング監督が率いた2006年大会で久しぶりに出場権を獲得。過去最高成績でもあるベスト16に躍進した。2006年2月にアジアサッカー連盟へ加入し、それ以降は2018年ロシア大会まで4大会連続出場。アジア最終予選では、5大会連続で同組でいつも日本のライバルとして立ち塞がってきた。
森保一監督と元チームメイトの指揮官はW杯予選11連勝中
2018年のロシアW杯終了後からオーストラリアを率いているグラハム・アーノルド監督は、現役時代に1997年から2年間に渡ってサンフレッチェ広島に在籍。日本代表の森保一監督とはチームメイトの過去を持つ。日本とも馴染み深い関係を持つ指揮官は、8日に行われたオーマン戦に勝利し、W杯予選11連勝という世界新記録も樹立。結果だけではなく、サッカーの中身に目を向けても、攻守で統率されたコレクティブなチームを構築している印象だ。
今回登録されているメンバーは、18名が欧州諸国のクラブに在籍しており、レアル・ソシエダでプレーするGKマシュー・ライアンや日本代表のMF鎌田大地とフランクフルトでチームメイトのFWアイディン・フルスティッチ、今シーズンからFW古橋亨梧とともにプレーするセルティックのMFトム・ロギッチなど世界の最前線でプレーしている。また今シーズンからセレッソ大阪に加入したFWアダム・タガートや過去に清水エスパルスにも在籍し、今夏にファジアーノ岡山に加入したFWミッチェル・デュークとJリーグ組も健在。実力者揃いのスカッドを揃えている。
攻撃を循環させる背番号10がゲームメークの中心選手
基本的には、最終ラインのビルドアップからボール保持をベースに攻撃を仕掛けていくスタイルが基本形。中国戦、ベトナム戦、オマーン戦といずれも相手よりもボール保持率で上回っている。ボール保持時は、最終ラインのCB2枚とボランチのMFジャクソン・アーヴァインとフルスティッチが最終ラインにも加わりながら、この4枚で相手の1stラインをブレイクしていくことがビルドアップの特徴だ。特にフルスティッチは、左足から長短問わずに正確なパスを入れられるいわば、ゲームメークにおける中心人物。セットプレーではキッカーも務めているだけに、背番号10の左足は警戒すべきポイントだ。
サイドのレーンは、基本的にサイドバックがポジションを上げて埋めて、右SHのマーティン・ボイルと左SHのオワー・マビールは、ハーフスペースをスタートポジションとしながら、時にストライカーのようなダイアゴナルランで最終ライン裏への動き出しを頻繁に見せる。この神出鬼没な動きには、90分間警戒することが日本の最終ラインには求められる。
1トップのアダム・タガートは、定位置から外れて中央やサイドに流れて起点を作るタスクを与えられており、トップ下のロギッチも、空いているスペースを見つける能力が高く、特に右サイドに流れてボールを受ける傾向が強い。ポジションの原理原則を守りながらも前線は流動的な動きを見せてくる。日本にとって厄介な相手になることは避けられない。
ただ1-0で接戦を制したベトナム戦は、自陣に[5-4-1]のブロックを構えられたときに苦戦した印象も拭えない。密集を回避していけるだけのテクニックレベルが高い選手は揃っていない。またオマーン戦では、ボールを失ったあとに素早く密集を作られてたところからミスが生じてカウンターを転じられてしまうシーンも何度か見られている。日本は、どこに守備の重きを置くか。このゲームに入る前段階で考えるべき大きなポイントだ。
また体格的なフィジカル面は優れた能力を持っているが、機動力という点では日本よりも劣る。そのため前線からハイプレスを仕掛けるよりも、ボールサイドを前線が限定し、その動きに合わせて近くのパスコースを制限していく。その後にロングボールを蹴らせれば、オーストラリアの思惑通りだ。198cmのDFハリー・スーターとDFトレント・セインズベリーの両CBが空中戦を制する。ただ今大会でジョーカーとして2得点の活躍を見せるデュークが入ると、前線からの守備強度が一段上がる。疲労が顕著になる終盤に守備からの素早いカウンターでとどめを刺すことにも抜かりない。
日本にとってこれまで以上に難易度の高いゲームとなることは避けられない。
W杯アジア最終予選 日本代表戦|試合日程・配信/放送予定
10月12日(火)19:14 日本 vs オーストラリア
第4節はホーム・埼スタでオーストラリアを迎撃。前回対戦は2017年、浅野拓磨らのゴールで快勝し、ロシアW杯出場を決めた。ただ、現在は前節のサウジアラビア戦で2敗目を喫したことで崖っぷちに追い込まれており、幾多の死闘を演じてきたライバルとの一戦はまさに生死を懸けた大一番となる。
18:00~18:30 直前プレビュー・インスタライブ
キックオフ直前には、解説に元日本代表の福西崇史氏、MC黒木ひかり氏によるAFCアジア予選 – Road to Qatar – 試合直前プレビューがDAZN Japanオフィシャルインスタグラムでライブ配信される。
出演:解説 福西崇史氏、MC 黒木ひかり
18:40 メインチャンネル
初戦オマーン戦で試合解説と試合後の振り返り解説で好評を博した戸田和幸氏と岡田武史氏のコンビが出演する。
解説:戸田和幸氏 ゲスト:岡田武史氏 実況:西岡明彦氏
18:55 憲剛・岩政・やべっちの裏チャンネル
裏チャンネルは、会場にDAZN専用特設カメラ(戦術カメラ)を設置して、ゴール裏から俯瞰した映像と、一画面で複数の映像を同時に視聴できるマルチビューを駆使し、今までにないサッカー視聴体験を提供。オマーン戦を担当した中村氏と岩政氏が再びタッグ、今回は日本の攻撃方向を中心に人とボールの動きをしっかり捉え、3名が2回目の出演でどのようにカメラを使いこなすのかも見どころだ。コアな話題をわかりやすく、本音解説で深いながらも誰もが楽しめる中継を届ける。
出演:中村憲剛氏、岩政大樹氏、矢部浩之氏
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10月12日(火)『Jリーグ ジャッジリプレイ #30』
話題となった判定を振り返るDAZNの名物番組『Jリーグ ジャッジリプレイ』。今回は番組冒頭で原さん、深野さんほか出演者が、審判・判定の観点から日本時間8日に行われたサウジアラビア戦を振り返る。
主な出演者:原博実氏、平畠啓史氏、深野悦子氏、桑原学氏
10月17日(日)『やべっちスタジアム #44』
第4節オーストラリア戦の「裏チャンネル」で解説を担当する中村憲剛氏が試合を振り返って、勝負の2連戦を終えた日本代表をどう見たか。また2試合ともアウェーでの戦いとなる11月のベトナム戦、オマーン戦に向けた提言は?
主な出演者:矢部浩之氏、中村憲剛氏
ライバルの試合も日本語付き配信
同日に行われるオマーン vs ベトナムの一戦(12日25:00キックオフ)も、解説に佐藤寿人氏、実況は桑原学氏による日本語実況・解説付きで配信する。
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