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テニス

小田凱人、世界3位のデラプエンテを寄せ付けず…決勝でパリ五輪決勝の再現へ|全豪オープン車いすテニス

細江克弥
小田凱人、世界3位のデラプエンテを寄せ付けず…決勝でパリ五輪決勝の再現へ|全豪オープン車いすテニス(C)Getty Images
全豪オープン連覇を目指す車いすテニスプレーヤー、小田凱人。1月23日に行われた男子シングルス準決勝では、世界ランキング3位のマルティン・デラプエンテと対戦した。

トーナメントの頂点が、はっきりと見えてきた。

大会12日目の全豪オープン。車いすテニス男子シングルス連覇を狙う小田凱人は、世界ランキング3位マルティン・デラプエンテ(スペイン/25歳)との準決勝に臨んだ。

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この試合は、1回戦、2回戦とは“条件”が大きく違った。

今大会では初めて試合開始が午前中だったこと。気温が18度までしか上がらなかったこと。それから、会場が約350人収容の「コート6」から決勝戦の舞台でもある5000人収容の「KIA ARENA」に変わったことだ。

そうした変化があった中で、しかし小田はいつもどおり鋭い表情で、淡々とした雰囲気で11時3分にコートに入った。

対戦相手のデラプエンテは小田が前日に話したとおり「仲がいい選手」だ。その言葉を振り返る。

「このコートとマルティンのスピンボールは相性がいいと思うし、すごくファイトしてくる選手なので。アルフィー(ヒューエット)の次に、試合をするのが楽しみだなと思える選手ですね。仲が良くてずっと一緒にいるので、それも含めて楽しみです」

小田が2024年に喫した3敗のうち、1つがデラプエンテとの対戦だった。通算対戦成績は小田の12勝2敗。2024年のウィンブルドンで敗れ、今大会直前のメルボルンオープン準決勝ではストレート勝利でリベンジを果たした

ものの、油断できない相手であることは間違いない……はずだった。

しかし、結果から言えば小田の圧勝だった。

誰の目にも明らかだったのは「サーブの質」だ。

自分のテニスのリズムを掴む上で大事な第1セット第1ゲームはファーストサーブを1本もミスすることなくラブゲームで奪取。一方のデラプエンテは立ち上がりからファーストサーブでフォルトを連発し、小田はセカンドサーブを強打して攻勢に出ると一気にポイントを重ねた。第4ゲームまでデラプエンテを寄せつけることなく連取。静まり返った「KIA ARENA」には、早くも圧勝ムードが漂った。

試合全体の流れを見れば、小田にとってのピンチ、デラプエンテにとってのチャンスは第5ゲームと第6ゲームにあった。

ファーストサーブのフォルトで小田のリズムがやや乱れると、デラプエンテにブレイクを許して1-4。わずかながら勢いが失速し、風向きが変わりそうな雰囲気が確かにあった。続く第6ゲームも小田のリターンミスが続いてデラプエンテが先手を取る。デュースからデラプエンテのアドバンテージポイントが2度。このゲームをどちらが取るかはその後の流れを左右するポイントだったが、デラプエンテは2度のダブルフォルトで自らチャンスを手放してしまった。

試合後、この状況について小田に聞いた。

「あ、いや……すいません、ぜんっぜん覚えてないですね(笑)。はい……。5-1のところですよね。僕、基本的にスコアはまったく気にしてなくて、だからぜんぜん覚えていないんです。どのポイントでも自分のテニスをやれば勝てると思っているので、それが入ろうが、入らなかろうが、やるだけというか。僕の場合は、シンプルなんですよね」

返ってきた答えがいかにも彼らしく、それが強さの秘密であることを理解して思わずニヤついてしまった。

第2セットはそうした彼のピュアな強さが加速した。

第1セットと同様にサーブの質の差は一向に埋まらず、小田が前日の眞田卓戦と同じく“ボディへの強打からのオープンスペース”“押し込んでからのネット勝負”と自分のテニスを貫く一方で、デラプエンテは多彩なショットを

駆使した自分のテニスをほとんどやらせてもらえなかった。小田は第5ゲームを落としたもののテクニックとパワー、緩と急を巧みに使い分けながら終始圧倒。試合開始から1時間6分後の12時19分に最後のポイントを決め、3年連続となる全豪オープン決勝進出を決めた。

決勝の相手は、最大のライバルであるアルフィー・ヒューエット(世界ランキング2位/イギリス/27歳)だ。

対戦成績は小田の10勝8敗。しかし直近の対戦に限れば、パリ・パラリンピックを含めて現在まで小田が5連勝中だ。大方の予想どおり、今大会も彼らはトーナメントの頂上で激突する。

ヒューエットについて、小田が言う。

「ボールを外に弾ませるタイプ。そこは似ていると思います。先週(メルボルン・オープン決勝)もエースを取られたのが何本もありました。でも、今のこの調子なら行けると思います。楽しみですね、アルフィーとやるのが。ほとんどの決勝で当たっているので」

囲んだ記者から「彼の性格は?」との質問が飛んだ。

「少し気が短いところがあって(笑)。特に、試合の後半になるとそれが球質に表れるので。その我慢比べにはだいたい僕が勝っているので、今回も勝ちたいですね」

ヒューエットとの決勝は25日に行われる。他を寄せ付けない圧倒的な強さで勝ち上がってきた両者だが、決勝はこれまでの戦いとは違う“我慢比べ”になりそうだ。

「この調子ならいける」

ここまでの戦いでは常に相手を圧倒し、本当の実力の天井が見えなかった。その表情に自信をにじませる小田の“本気”を、絶対的なライバルとの対戦で見たい。
 

スポーツライター細江克弥がピックアップ
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(3)全国のパパたちが歓喜する「一緒に」


小田凱人といえば『Google Pixel を使っています』のコマーシャルですっかりおなじみ。せっかく彼を取材をさせてもらうのだから、この機会に「僕の名前は細江克弥。 Google Pixel を使って……みたいです」と冗談半分でお願いしたところ、なんとあっさり「OK」とのこと。ありがとう Google さん。そのお礼に、初めて使ってみて気づいたことを紹介させてください。今回は「その3」!

突然ですが、全国のパパにお聞きします。「俺も一緒に写りたいんだけど……」と思いながら諦めてしまったこと、100回くらいありませんか?

5歳娘の父親である私は、これまでの子どもの成長を見守る過程でそうした場面に何度も遭遇しました。

家族3人の休日。子どもの希望に合わせて出かけると、そこには必ずと言っていいほど人気の写真撮影スポットがあります。もちろんスマホを取り出してササッと写真を……という流れになるんだけど、見知らぬ誰かに「写真撮ってもらってもいいですか?」とお願いするのは少し申し訳ないし、ちょっと面倒だし。

で、結局「俺が撮ってあげるからいいよ」と言ってしまう。その結果、記念写真に写っているのはいつもママと娘で……もちろんそれでもいいんだけど、たまには「俺も一緒に写りたかったなあ」と思うことだってあるわけです(ママが撮影担当というご家庭もきっとありますよね!)。

そんな皆さんに朗報です。

『Google Pixel 9 Pro』の「一緒に写る」という機能を使えば、そんな時でも家族3人が一緒に写る記念写真が撮れてしまうのです。もちろん、誰かにお願いしなくても!

撮影は簡単。同じ画角で撮った2枚の写真を組み合わせるという仕組みでありながら、使ってみると思った以上に高精度でした。今回はサンプルをわかりやすくするために、同じ場所で「A」「O」のハンドサインを作った自分を別々に撮りました。それを重ね合わせて「AO(Australian Open)」なんて、やってみちゃったりして(笑)。

グループ撮影したい場所に写真を撮ってくれる“自分たち以外の誰か”がいるとは限りません。そんな時にこの「一緒に写る」は超便利。例えば、自宅内で家族写真を撮りたい時。例えば、サッカーチームの集合写真を撮りたい時。そんな時にも役立ちそうです。

もちろん他にも、遊ぶための工夫はいくらでも思いつきそう。『Google Pixel』の魅力は、想像力をめいっぱい働かせながら“思い切り遊べる”こと。「一緒に写る」の機能、皆さんならどう使いますか?