男子シングルス決勝は世界ランキング1位でディフェンディングチャンピオンのヤニック・シナー(イタリア)と、同2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が対戦。第1セットはシナーが第8ゲームで先にブレークし、セットポイントでは強烈なサービスエースを決めて6-3で奪う。
第2セットはお互いにサービスゲームをキープしてタイブレークへ。シナーがラインギリギリへ正確なフォアハンドを決めて連取し、王手をかけた。第3セットもシナーが第6ゲームでブレークして先手を取り、チャンピオンシップポイントではドロップショットでズベレフを釣り出して、オープンコートへのバックハンドでフィニッシュ。6-3、7-6(4)、6-3のストレートで大会連覇を達成した。
シナーはこれで2024年の全豪オープンと全米オープン、今大会とハードコートのグランドスラムで3大会連続優勝の快挙。試合後のセレモニーでは対戦相手のズベレフへ「選手たちもコーチたちも、このスポーツに関わる人なら誰でも君が強い選手であり、強い人間であるかを知っている。近いうちにグランドスラムのトロフィーを掲げられるはずだから、信じてハードワークを続けてほしい」とメッセージを送り、コーチ陣や大会関係者、ボールキッズ、審判、スポンサー、そして「1回戦の1週間前から応援してくれた。みんなからの愛情を感じた」とファンへの感謝を述べてスピーチを締めくくった。
ズベレフは2020年の全米オープン、2024年の全仏オープンに次ぐグランドスラムの決勝の舞台だったが、3度目の正直はならず。スピーチでは「このトロフィーの隣に立って、でも触ることができないのは正直ひどい気分だね」と苦笑いを見せつつ、「ヤニックにおめでとうと言いたい。誰よりもふさわしいし、間違いなく世界最高の選手だ。もっといい試合がしたかったけど、君が強すぎた」と王者を称賛。「このトロフィーを掲げられるかはわからないけど、何度でも挑戦し続ける。また来年にお会いしましょう」と語り前を向いた。