「どっちが粘り勝つか、試合前から皆でそう話していた」
そう主将の林咲希が話したように、韓国との対戦は厳しい戦いが予想されていたが、日本は総力戦で「40分間戦い抜くバスケ」を貫き通し、苦しみながらも勝利した。
苦しいときにチームを支えたのは宮崎早織、赤穂ひまわりら東京オリンピック組。リードされる側からする側に回り、責任感が芽生えてきた。恩塚亨HCも彼女らの成長を心から喜んでいる。
宮崎について恩塚HCは「本当に素晴らしかった。チームを背負って戦うという心意気。後ろ姿を見て、仲間としてたいへん誇らしく感謝しています。」と絶賛。また、赤穂についても「スーパーヒーローでしたね。パフォーマンスもさることながら、落ち着き払った立ち振舞い、チームにいい影響を与えてくれている」と感謝の意を述べた。
一方で、課題も見えてきた。
「韓国のスリーポイントがポンポン入った時に対応できなかった。一人ひとりの意識も大事だけど、ピックアンドロールのところでスイッチするのかしないのか、のコミュニケーションも取れていなかった」と林が課題を口にすれば、赤穂も「試合中でもどんどんアジャストして守っていけるか。そのためにコミュニケーションが必要で、足りないのかなと思っている」と反省する。
また、赤穂はさらに「オリンピックのメンバーは、リバウンドの意識が高かった。今のメンバーも意識して体を張ってくれているが、抜けちゃう時間帯もある。リバウンドは皆で取るもの。協力して取っていきたい」と改善点を口にした。次の試合まで中2日あるなかで、どれだけ改善できるか、世界を知るメンバーのリーダーシップが求められる。
2日に行われる準決勝の対戦相手はまだ確定していないが、日本のやるべきこと「40分間フルコートで戦う」ということは変わらない。ただし、東京五輪とはメンバーを一新し、外野からは色々な声が選手たちには聞こえているようだ。
赤穂は「新しいチームでやっていて、色々いいプレー、バスケができていないのも自覚している。色々言われているのもわかる」と話しつつも「今日も勝つことができた。結果が全てだと思う。色々言っている人にも見返してやるような戦いにしたい」と力強く宣言した。
林も「正直楽しみです。その一言、早く試合をしたい。めちゃめちゃ楽しみです」と試合を心待ちにしている。
彼女たちは、この夏、そう言い切れるだけの経験と自信をすでに手にしている。あとは、前人未到の5連覇という明確な結果で、周囲に示すだけだ。
文・ 大川 佑
主な試合日程
FIBA女子アジアカップは DAZN で配信予定。
- 10月2日(土)準決勝:日本 vs オーストラリア/ニュージーランドの勝者
- 10月3日(日)3位決定戦
- 10月3日(日)決勝
関連記事
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。