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【動画&コラム】渡邊雄太が負傷退場するもバスケ日本代表はフィリピンに完勝「これからの日本代表が楽しみ」 | FIBAアジアカップ2022

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【動画&コラム】渡邊雄太が負傷退場するもバスケ日本代表はフィリピンに完勝「これからの日本代表が楽しみ」 | FIBAアジアカップ2022(C)FIBA
【バスケットボール日本代表 動画&コラム】19日に行われたFIBAアジアカップ2022の準々決勝進出決定戦、日本はフィリピンに102-81で勝利した。
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トランジションと3ポイントシュート、持ち味を発揮

ジャカルタで開催されているアジアカップは、折り返し地点をすぎて決勝トーナメントに入った。7月19日、日本代表は準々決勝進出決定戦でフィリピンと対戦。負ければ終わりの試合でフィジカルでもメンタルでも強さを発揮し、102-81の快勝を収めている。

立ち上がりからトランジションと3ポイントシュートの『走るバスケ』が機能する。先制を許すも瞬時のリスタートから西田優大がレイアップに持ち込み、初先発に抜擢された須田侑太郎を皮切りに、富樫勇樹、渡邊雄太の3ポイントシュートがヒット。トランジションから渡邊がバスケット・カウントの3点プレーを決めて、開始4分で16-7と日本がリード。フィリピンはたまらずタイムアウトを取るも、直後にオフェンスリバウンドから素早くパスアウトし、須田が再び3ポイントシュートを沈めて一気に突き放した。

日本に良い速攻を何本か決められたことでフィリピンはパニック状態に。ハリーバックを徹底してイージーな得点を避けようとするも、自陣に戻ることばかりに意識が向いて前へのプレッシャーが掛からない。ここで前に出ようとするギャップを西田が突いてイージーレイアップに繋ぐ、ベンチスタートに回った吉井裕鷹が投入されてすぐ連続得点を挙げるなど、日本の良さばかりが目立つ第1クォーターで32-16と大量リードを奪った。

しかし、3ポイントシュートが9本中4本成功だった第1クォーターから11本中2本成功とリングに嫌われるようになった第2クォーターに流れが変わる。得点が伸びない中でどれだけ踏ん張れるかが課題だったが、パニックを脱したフィリピンのフィジカルを押し出したディフェンスに苦しむうちに攻めでも積極性を欠くようになり、第2クォーター開始から3分半で0-9と猛追された。

タレントの違いを見せ付ける渡邊、足首を痛める

指揮官トム・ホーバスがタイムアウトで檄を飛ばし、スタメンの5人を再びコートに送り出すと、富樫が3ポイントシュートでこのクォーター最初の得点を挙げ、トランジションも復活。しかしフィリピンも立ち直っており、渡邊やルーク・エヴァンスにゴール下で押し勝つような力強さを見せ、点の取り合いで一歩も引かない。この点、人とボールの連動から良いチャンスを作れなくても「自分が決める」という意志の強さを個々の選手が見せるフィリピンが一枚上手だった。

だが、日本には渡邊雄太がいる。フィジカルでも気持ちの強さでも下回る劣勢を、強気のアタックを連続で成功させて覆す。50-34で迎えた後半も強気のドライブから多彩なフィニッシュを沈めていき、タレントの違いを見せ付けた。

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その渡邊をアクシデントが襲ったのは後半開始3分のこと。ドライブからシュートに行った際、抜かれた相手に押されて右の足首を激しく捻挫した。支えがないと立てない状態で、そのまま試合には戻れず。58-42とリードしてはいたものの、フィリピンの勢いを一人でねじ伏せていた渡邊を欠くことは大きな痛手だった。

それでもここで残った選手たちが精神面でステップアップする。フィリピンの荒っぽいディフェンスに引かず、須田に富樫の連発と3ポイントシュート、エヴァンスのバスケット・カウントも飛び出して、点の取り合いでフィリピンに押し負けなかった。

特に奮闘が目立ったのはエヴァンスだ。身体を張ったディフェンスとリバウンドを継続しつつ、渡邊が抜けた後はオフェンスが停滞すると見るや個人のアタックで貴重な得点を重ねていく。残り6分を切ったところで疲労困憊でベンチに下がったが、その直後に富樫がタフな3ポイントシュートをねじ込んで勝利を決定づけた。

若手を称える渡邊「誇らしく思いました」

最終スコアは102-81。ベストメンバーではないフィリピンに苦戦を強いられたが、ジャッジに苦しみ、渡邊が抜けた後でもチームで踏ん張って得た勝利には意味がある。フィリピンの接触を厭わないラフプレーに手を焼いたものの、終わってみればフリースローを25本獲得し、うち23本と高確率で決めてリードを保つ『したたかさ』も見せた。

試合後の渡邊は、「いつもハードに、フィジカルにプレーしてくる相手。そこで負けてきたのが自分たちの弱みでした。今まではどうしても相手のフィジカルに対して嫌がったり、弱気になってしまって相手のペースでやられてしまうことが多かった」と苦戦を振り返りつつも、「今日は引かずに戦えたことが良かったです。特にこの若い選手たちが相手のフィジカルに嫌がらずに戦っている姿を見ていて誇らしく思いました」と収穫を語った。

これで準々決勝に駒を進めたが、渡邊の足首の状況は気がかりだ。彼にとっては何度もケガを繰り返してきた古傷の箇所であり、指揮官ホーバスは「プレーできるかどうか、明日にならないと分からない」と話す。試合終盤には治療を終えてベンチに戻っていたが、試合後は足を引きずっており、今大会だけでなくNBAの新シーズンを見据えても無理はしづらい状況だ。

準々決勝の相手は東京オリンピックで銅メダルを獲得した強豪オーストラリア。渡邊が出場できたとしても万全ではないはずで、厳しい戦いになるのは避けられない。それでも渡邊が「若い選手たちが台頭している。これからの日本代表が楽しみ」とコメントしているように、20代前半の若手も多いこのチームは試合を重ねるごとにステップアップしている。ベスト8ではあるが『今大会の集大成』となるパフォーマンスを見せてもらいたい。

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