バスケットボール日本代表は27日、FIBAバスケワールドカップ2023グループE第2戦でフィンランド代表と対戦し98-88で勝利。世界大会では17年ぶりとなる歴史的な1勝を挙げた。試合後、元Wリーガーで現3x3選手である岡田麻央さんがミックスゾーンで選手たちに直撃取材を行い選手たちの声を聞いた。
開幕戦となったドイツ代表戦では、武器である3ポイントシュートを封じられて63-81の完敗を喫した。第2戦では欧州でW杯出場を1番に決めたダークホースのフィンランドと対戦する。FIBAランク36位の日本にとっては、同24位のフィンランドがグループ内でもっとも近い相手だけに、W杯初勝利への期待が高まった。
トム・ホーバスHCも試合前に「いい準備をしてきて、この試合は自信がある。大きなチャンス」と意気込む。ところが第1クォーターこそ22-15とリードしたが、第2クォーターを終えて36-46と逆転されて試合を折り返した。第3クォーターはそれぞれ27得点を挙げ、10点差のまま最終クォーターへ。すると、富永啓生、河村勇輝の3ポイントや、ホーキンソンのペイントアタックなどで日本が一気に逆転。98-88で勝利し、17年ぶりとなる世界大会での勝利を手にした。
試合が終わった瞬間の沖縄アリーナは大歓声。足を引き摺りながらプレーを続けた渡邊雄太や馬場雄大はコート上で涙を流すなど、素晴らしいシーンとなった。
DAZN NEWS TVでリポーターを務める岡田さんがミックスゾーンに突撃取材。キャプテンとしてチームを引っ張る富樫勇樹は興奮気味に「若い力に助けられて大きな勝利を掴めた。どのチームよりも先に合宿を始めて、長い時間練習してきた成果が出た。全員が諦めずに戦った結果」と喜びを爆発させた。一方で2日後に迫るオーストラリア戦に向けても「しっかり切り替えて、いい準備とこの勢いで臨めたら」と前を向いた。
チーム最年長である比江島慎は、途中出場ながらにうまくいかなかった前半で輝きを放った。14分間の出場だったが、17得点を奪い試合後にホーバスHCからは「すごかった。彼があのプレーをしていなかったら負けていた」と労いの言葉をかけられた。比江島自身も「前回（ドイツ戦）はなかなかいい仕事ができなかった。ゴールだけを見て、強い気持ちで入った。日本の流れに持って来れてよかった」と満足感を口にした。
富樫の言葉にあったようにこの試合は若い2人の爆発力が勝敗を左右した。ゲームメークだけでなく、チーム2位となる25得点、7本中4本の3ポイントを沈めた河村は「最近はチームに迷惑をかけてばかりだった。とにかくチームの勝利に貢献するという気持ちだけで戦った」とコメント。さらに「ずっとシュートが入らず、トムさんやチームメイトに迷惑をかけてきた。最後のシュートは、トムさんやチームメイト、応援してくださるファンの方の想いが乗ったシュートでした」と、多くの想いを背負ってプレーしていたと振り返った。
もう一人の立役者は富永だ。強化試合まではスタメンで起用されながらもドイツ戦からはベンチスタートとなった。それでもフィンランド戦は気迫のこもったディフェンスに加え、得意とする3ポイントシュートで日本を勝利に導いた。「前回のドイツ戦は個人としてもチームとしても悔しい思いをした」と振り返る富永は「3ポイントは自分の武器でもあり役割でもある。普通の人ならタフショットでも自分は違う。決めきれてよかった」と頼もしい言葉を残した。
そのほか、怪我の状態が心配される渡邊や鬼神の如き活躍を見せたホーキンソンにも取材を行った岡田さん。歴史的な1勝を振り返り「日本の皆さんおめでとうございます！途中で泣いて、終わった瞬間は脱力でした。本当に素晴らしい勝利、素晴らしいゲームを見せてくれました」とコメント。さらに「今まで日本はいいところまで行ってもなかなか勝ちきれなかった。その壁を若い2人が勢いで超えてくれました。日本の次の歴史を作る2人」と河村と富永を大絶賛した。
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