国内組で臨む“最後の強化試合”
バスケットボール男子日本代表は、2月23日にイランと、26日にバーレーンと、それぞれ高崎アリーナで対戦する。今夏に開催されるFIBAワールドカップを前にした予選は、日本はすでに開催国として出場権を獲得済みであっても、東京オリンピックで女子日本代表に銀メダルをもたらした指揮官、トム・ホーバスのバスケを選手たちが吸収してチームを強化する大事な機会。その予選も今回の2試合で最後となる。
今回はNBAで活躍する渡邊雄太、アメリカの大学(ネブラスカ大)でプレーする富永啓生といった『海外組』は参加せず、Bリーグで戦う『国内組』が中心となる。それでもホーバスは、女子日本代表を率いていた時と同じように、実績のある選手にも「代表の座は安泰だ」とは決して思わせない。ハングリー精神のある新戦力を常に招集し、個人のポテンシャルを引き出すとともに、チームに良い刺激を与え続けている。
ストレッチ4として期待が高まる大濠高2年の川島悠翔
これまでもたびたび招集されてきた大学生では、白鷗大の市川真人、筑波大の小川敦也、東海大の金近廉と、世代を代表するプレーヤーを抜擢。さらに今回は、福岡大学附属大濠でプレーする高校2年生、川島悠翔も招集した。昨年のワールドカップ予選では、同じ大濠の卒業生で筑波大の井上宗一郎が主力で起用され、201cmのサイズがありながら3ポイントシュートを次々と決める『ストレッチ4』として一躍ブレイクした。その時期にU19日本代表で世界を相手にアピールしていた川島を、今回は同じ『ストレッチ4』として井上と競争させる。
大学と高校から招集された4人は、代表合宿前に行われたディベロップメントキャンプでホーバスの目に留まった選手。ホーバスは彼ら若手について「フィジカルは全然問題ありません。メンタル面で代表レベルでやれるかどうか、挑戦させたい」と期待を語っている。
A代表初招集の川島は「すごく緊張しました」と語るものの、大濠で1年生ながらスタメンで起用されても物怖じせずにウインターカップ優勝を勝ち取ったのと変わらず、ここでも「最年少ですが自信を持ってプレーして、一番コートの中でハッスルできるように頑張りたい」と力強く語る。
もう一人の注目の新戦力は、つい数週間前に日本国籍を取得すると、すぐさま代表招集を受けたジョシュ・ホーキンソン。208cmの高さがあり、やや細身ではあるがトランジションバスケに対応できる走力を備えたビッグマンだ。彼自身、「3ポイントシュートを打てて、速い展開にも対応して走れるので、ホーバスコーチのバスケは自分のプレースタイルにすごく合う」と自信を持っている。試合で使える帰化選手は1名のみ。これまで候補となる選手はベテランばかりだったが、ホーキンソンは27歳で今後長く代表の主力を務めることが期待できる。
ホーバス・ジャパンの象徴・河村勇輝
そして、小さくてもスピーディーでアグレッシブなホーバスの日本代表の象徴とも呼ぶべき21歳の河村勇輝は、Bリーグの戦いの中で国内屈指のポイントガードへと成長した。今シーズンは1試合平均18.5得点、8.9アシストを記録。長らく下位に沈んでいた横浜ビー・コルセアーズを優勝争いのできるレベルへと引き上げている。河村は「新しい選手が多く入ってきましたが、やるべきことは変わらずに、全員で良い雰囲気で練習ができていると感じている」と語るとともに「すごく試合が楽しみ」と、自分の成長を試す良い機会だと考えている。
とはいえ、チームと個人の成長にフォーカスをあてた予選はここまで10試合を戦って5勝5敗。ワールドカップを半年後に控えている今、特にアジアの強国であるイランに勝利して『勝ち癖』を付けておきたい。世界の強豪と渡り合うためには、アジアで足踏みはしていられない。日本は世界ランキング38位で、イランは20位、バーレーンは84位。予選最後の2試合では連勝が期待される。
■河村勇輝(横浜ビー・コルセアーズ)インタビュー|FIBAバスケW杯アジア予選
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