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【動画】日韓戦に6-0大勝!バルドラール浦安ホットライン、FP全選手出場、2人が日本代表初ゴール……GS突破へポジティブな勝ち点3|AFCフットサルアジアカップ

渡邉 知晃
【動画】日韓戦に6-0大勝!バルドラール浦安ホットライン、FP全選手出場、2人が日本代表初ゴール……GS突破へポジティブな勝ち点3|AFCフットサルアジアカップ(C)AFC
【フットサル日本代表 レビュー】フットサル日本代表は30日、AFCフットサルアジアカップクウェート2022で韓国代表と対戦し6-0で勝利した。元日本代表・渡邉知晃が日韓戦を分析する。
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9月30日、AFCフットサルアジアカップ第2戦に臨んだ日本代表は、韓国代表に6-0で勝利。大会初戦で敗れるなど不安な幕開けとなった日本だが、アジア制覇へ向けて立て直した。2014年のアジアカップ優勝メンバーで元日本代表の渡邉知晃が、クリーンシートで一蹴した韓国戦を分析する。

守備陣形を変えた木暮監督の的確な采配

初戦のサウジアラビア戦とは対照的に、理想的な展開。プレビューにも書かせてもらったが、早い段階での先制点、そして韓国の気持ちを折るためにも先制点から次の1点を早く奪うことが重要と伝えた、その通りの内容だった。

試合は6分にオウンゴール(オリベイラ・アルトゥールのシュートを相手ゴレイロがファンブルした、ほぼアルトゥールのゴールと言っていい)、7分にアルトゥールの強烈なフィニッシュで、日本が立て続けにゴールを奪った。

サウジアラビア戦は先制点から次の1点が遠かったが、この試合は連続ゴールで試合を優位な状況に持っていくことができた。最高の立ち上がりだった。

しかし、その後の時間帯は、筆者としても予想外だった。

8分に韓国がタイムアウトを取ると、直後の9分からパワープレーを開始したのだ。まだ第1ピリオドであり、2点差の状況でのパワープレーは意外な選択だった。日本のサウジアラビア戦をスカウティングしての判断か、それとも日本と韓国の実力差を考え、勝つにはこれしかないという判断か。その戦略の意図は韓国の監督のみぞ知るが、選んだのはパワープレーだった。

日本は韓国のパワープレーに対し、前が2人、後ろが2人のボックスの形で対応していた。失点することなく耐えていた日本だったが、12分に木暮賢一郎監督がタイムアウトを取る。すると、タイムアウト明けからパワープレーの守備陣形をボックスからダイヤモンド(ひし形)の形に変えた。

この判断がポイントだった。韓国のパワープレーは数的優位を生かして崩してからゴールを狙うというより、ボールを回しながら、タイミングを見計らってパンチ力のある選手が遠目から強烈なシュートを狙うというパターンが多かった。日本のタイムアウト前にも、韓国の10番・申宗勲がセンターレーンから強シュートを放ち、ピレス・イゴールが好セーブで防いだ場面があった。

ボックスの形で守る場合、センターレーンからのシュートを全て防ぐことは難しいが、ダイヤモンドの形であれば、頂点に立つ選手が中央からのシュートに対応できる。韓国が精度の高いボール回しをしていたわけではなかったため、なおさらダイヤモンドの守り方が適しているように感じた。

この守備のシステム変更、そして第1ピリオドを無失点で終えたことが、結果的に大きかった。おそらく、韓国がパワープレーから1点でも得点を挙げていたならば、第2ピリオド開始からパワープレーを仕掛けていただろう。20分間数的不利で守り続けるのは、精神的にも体力的にもきつくなる。

第1ピリオドの予想外に早く仕掛けてきた韓国のパワープレーを「0」で抑えられたこと。それが勝因の一つだった。守備で崩れなかったことでチャンスが舞い込み、18分、左コーナーキックから中央やや左の水谷颯真が左足でダイレクトシュート。これがネットに突き刺さり、代表初ゴールをマークした。

クラブが一緒という関係性のメリットを活用

20220930-futsal-asiacup-japan2(C)AFC

第2ピリオドの日本は、チャンスこそ生み出したものの、なかなか追加点を奪えずにいた。立ち上がりは韓国がパワープレーをしてこなかったが、そのままのスコアで試合が進んだ場合、終盤にもう一度パワープレーを仕掛けてくることは明確であり、できるだけリードを広げることが理想だった。

ここでも木暮監督の采配が的中した。ピッチに変化を加える狙いで、ピヴォを置かない「クワトロセット」を投入し、追加点が生まれる。28分に、長坂拓海のパラレラ(タッチラインに沿った縦パス)に抜け出した石田健太郎が、飛び出してくるゴレイロをあざ笑うようなループでゴールを奪ってみせた。水谷に続いて、石田もこれが代表初ゴールとなった。さらに直後の29分、イゴールのスローを前線の長坂がヘディングで落とし、走り込んだ金澤空が右足で冷静に沈め、5-0と試合を決定づけた。

第2ピリオドに入り、なかなか追加点を奪えないなかで、この大事な2ゴールを演出したのは「バルドラール浦安ホットライン」だった。1点目は、浦安でチームメイトとしてプレーしている長坂と石田の関係から生まれたゴール(ちなみに彼らは、帝京長岡高校の先輩・後輩でもある)。2点目は、浦安・イゴールのスローを長坂が落とし、最後は立川アスレティックFC・金澤が沈めた形。ゴールを演出したのは浦安の連携だった。

石田は、自身のゴールについて「クラブでもやっている形なのでコンビネーションが出せた」と話し、長坂も「健太郎とはいつも一緒にやっていますし、良い意味でいつも通りにできた」と語っている。代表チームは、限られた活動期間のなかでチームのコンセプトを選手に落とし込み、強化しながら結果を残していかないといけない。普段からプレーするクラブとは違い、短い時間で各選手の特徴を理解し、2人組、3人組、4人組の関係性を構築していかなければならなく、そこに難しさがある。

しかし、所属クラブが一緒の選手同士であれば関係性は成熟されているため、代表チームでそのまま生かすことができる。木暮監督も代表メンバー招集時に「日常的に良い関係性が築けている2人や3人のユニットなど、クラブのメリットを出すことは代表でも有益になる。他にも、かつてU-20代表で共にプレーしていたり、育成年代で一緒にプレーしていたり、関係性の優位は重要。同一クラブの選手を起用することも、オプションとしては持っています」と話していたが、まさに関係性のメリットを発揮できた場面だった。

最後は35分に吉川智貴がパワープレー返しを決めてダメ押し。日本は終始危なげなく試合を進めて6-0とクリーンシートを達成。今大会2試合目で初勝利を収めた。

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2試合で登録14名全員が出場できた意味

この試合において、勝利できたこと以外に日本にとって大きかったのは、フィールドプレーヤーの全選手が出場したことだ。サウジアラビア戦は複数選手に出場機会がなかったが、この試合は全員が出番を得た上で勝てた。ゴレイロも、この試合はイゴールがフル出場し、第1戦は黒本ギレルメがフル出場。つまり、2試合を終えて大会登録メンバーの14名全員がピッチに立ったということだ。

大会プレビューなどでもしつこく言ってきたことだが、アジアカップ優勝に絶対に不可欠な「一体感」を生むためにも大事なポイントであるはずだ。

長坂が「緊張はしました」と語ったように、どんな大会でも最初にピッチに立つ時は多少なり緊張感があるものだ。特に、今回のメンバーはアジアカップを初めて戦う選手が多い。その点を考えても第2戦の段階で全員がピッチでプレーできたことで、これ以降の試合はどんなタイミングで出場機会が訪れたとしてもすんなりゲームに入ることができるだろう。

この勝利によって、サウジアラビア戦で失いかけたチームとしての自信を取り戻せたことも大きい。同日に行われた試合で、ベトナムがサウジアラビアに勝利したことで、日本のグループステージ1位突破の可能性が再浮上した。つまり、グループステージ最終戦、ベトナムとの結果が“超重要”なのだ。

次戦に向け、キャプテンのアルトゥールが「自分たちにとっては決勝戦と一緒」と語ったように、ここからは毎試合が決勝戦という心積もりが必要だ。

まず一つ、勝てた。次戦のベトナムは、筆者自身も2016年のアジアカップ準々決勝で敗れた苦い思い出がある相手だ。世代こそ移り変わったものの、近年メキメキと実力を増しているベトナムから、2016年の借りを返す勝利が見たい。

文=渡邉 知晃(わたなべ・ともあき)

1986年4月29日生まれ。福島県出身。小学2年生からサッカーを始め、順天堂大2年時にフットサルに転向。BOTSWANA FC MEGURO、ステラミーゴいわて花巻、名古屋オーシャンズ、立川・府中アスレティックFC、大連元朝足蹴倶楽部(中国)でプレー。日本代表として国際Aマッチ59試合出場・20得点、Fリーグ2017-2018シーズン得点王(45得点)、通算323試合出場・201得点など数々の実績を残し、2020-2021シーズン限りで現役を引退。子供への指導のかたわら、フットボールライターとして執筆業にも挑戦中。

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