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フットサル

【動画】崖っぷちから首位通過に導いたエース。GSで生まれた3つのゴールを選手が自ら解説|AFCフットサルアジア選手権

河合 拓
【動画】崖っぷちから首位通過に導いたエース。GSで生まれた3つのゴールを選手が自ら解説|AFCフットサルアジア選手権(C)AFC
【フットサル日本代表】AFCフットサルアジアカップクウェート2022で、日本代表がグループステージを首位で通過した。予選の戦いぶりを振り返り、3つの印象的なゴールを選手たちに自ら解説してもらった。
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クウェートで開催されているAFCフットサルアジアカップで、8年ぶり4度目のアジア制覇を目指すフットサル日本代表が、グループDを逆転で首位通過してノックアウトステージ進出を決めた。初戦のサウジアラビア戦を1-2で落とす波乱もあったが、この敗戦によってチームは結束を増し、「残り5試合を勝てば優勝できる」という木暮賢一郎監督が再設定した目標に進んでいった。攻撃的なフットサルを標榜する木暮ジャパンがグループステージ3試合で挙げたゴール数は9得点。ここでは各試合からベストゴールを選出し、得点を決めた選手本人に振り返ってもらいながら、ゴールの裏側にあった判断を自ら解説してもらった。

ストライカーの嗅覚:サウジアラビア戦

FP #10 クレパウジ・ヴィニシウス(前半3分)

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「良い守備から良い攻撃を」というフレーズは、サッカー日本代表の森保一監督が掲げるチームコンセプトだ。フットサル日本代表の大会第1号も、まさに良い守備からの良い攻撃が実を結んだ結果となった。

重要な大会初戦。日本は積極的な試合の入りを見せて、高い位置からボールを奪いに行く。そして前半3分、サウジアラビアが自陣でのキックインからビルドアップを図ったところでその狙いが結実する。最前線からプレッシングに関しては世界トップレベルと評価されるFP吉川智貴が果敢にボールへ仕掛け、日本の守備のスイッチを入れる。

この時、クレパウジ・ヴィニシウスは守備を意識しながら、チャンスになる可能性を察していた。

「相手がプレス回避をしようとしてきたので守備に戻ろうとした。それでも吉川が相手にプレスを掛けに行ったので、連動して自分が相手選手よりも先に前へ動くことができれば、ボールを奪った瞬間に高い位置で数的優位ができて、チャンスになるなと思った」

そして吉川が縦のコースを完全に切ったことで、「自分のマークしている選手にボールが出ることはない」と判断したヴィニシウスは、「少し前に出て、吉川がボールを取り切った時に一気にフリーになれるポジションを取った」と狙いを定める。そして吉川との連動で狙いどおりにボールを奪い取ると、Fリーグ歴代最多スコアラーの得点感覚がサウジアラビア相手に牙をむいた。

「ボールをもらってからは、相手のDFが付いてくることができていなかったので、ボールを前に運びました。ゴールに直線的に進むのではなく、背後から寄せてくる相手を右腕と右足でブロックできるように、壁を作るようにしてドリブルしてシュートまで行こうとしました」

こうして相手を抑えながら、得意の左足をコンパクトに振り抜く。少し浮かせたボールの軌道は、コーチングスタッフの分析を反映したものだったという。

「シュートコースは前日のスカウティングで言われていたコース。『少し浮かせてヒザくらいの高さにボールを蹴れば、相手のGKは止められていない』と聞いていた。狙いどおりのコースに蹴ることができて良かった」

残念ながらサウジ戦の勝利を引き寄せる一撃にはならなかったが、グループステージの最終結果で3カ国が勝ち点「6」で並んだ中、日本は得失点差でグループDの首位を確保することになった。そう考えれば、チームの大会初ゴールが非常に重要な1点になったことは間違いない。

『クワトロ』への戦術変更が奏功する:韓国代表戦

FP #4 石田健太郎(28分)

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初戦で黒星スタートとなった日本にとって、絶対に勝利が求められた日韓戦。多彩な攻撃バリエーションを見せて6-0で勝利した中、この日の4点目となったファインゴールはFリーグで好成績を残しているクラブの選手をユニットで起用したことが奏功した形だ。

木暮ジャパンは、最前線にピヴォを置く“3-1”の布陣で戦うことが多い。しかし、マンツーマンディフェンスを敷いてきた韓国に対し、試合途中に『クワトロ』という4-0のシステムを用いて攻撃に変化を付けた。この時に出場していたのが、立川アスレティックFCのFP上村充哉とFP金澤空のコンビ、そしてバルドラール浦安で好連携を見せるFP石田健太郎とFP長坂拓海のコンビだ。

この狙いをフィクソの位置で起用された石田が振り返る。

「監督から『4枚で行く』という話が少しありましたが、4枚はチームでもやっていますし、拓海くんと僕、充哉くんと空がセットみたいな感じで、タイミング良くボールを回すことができました」

横一列になる瞬間を作ることで、左サイドに生じたスペースにうまく侵入した石田に、右サイドの上村からパスを受けた長坂の浮き球パスが届く。ここで石田は後方からの浮き球に対して右足を伸ばして巧みにアウトサイドで合わせ、GKの頭上を抜いて鮮やかにゴールネットを揺らした。

このゴールのポイントは、「タイミング」だったという。石田が続ける。

「「技術があってもタイミングがうまくいかなかったら、生まれなかったゴールだと思います。全員がタイミング良くできた。GKのポジションは見えていましたが、自分のマークは見えていませんでした。それでも、フリーになることができていたので、1タッチで打てば入ると思っていました。僕はあまり足が速い選手ではないので、タイミングが大事だと常に意識しています。シュートを枠に蹴ることができたのは、感覚ですね(笑)」

攻撃的なフットサルを標榜する木暮ジャパンにとっては、システムを変化させながら決めたファインゴール。ベースとなる“3-1”以外の形からも点を取れる攻撃バリエーションの豊さ、そして選手個々の技術と判断力の高さを示すゴールだった。

グループ首位に導くエースのゴール:ベトナム代表戦

FP #11 清水和也(36分)

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相手ゴールに最も近いピヴォの選手に求められる役割は多岐にわたる。“3-1”のシステムをベースにする木暮ジャパンでは、最前線でボールを収めて攻撃の基点を作ることはもちろん、守備でもプレッシングの先鋒となり、相手の攻撃を限定することも求められる。そして、何よりもチームを勝利に導くゴールを挙げることも、彼らの重要なタスクだ。

サウジ戦、韓国戦とピヴォがゴールを挙げられていなかった日本。迎えたベトナム戦とのグループステージ最終戦、1位通過のためには2点差以上の勝利が求められる状況に追い込まれた。そんな重要な一戦で、ついに日本のエースFP清水和也が結果を出す。

日本は清水が前半6分に先制点を決めながら、相手GKの好セーブもあって追加点が奪えない展開が続く。チームを救うゴールが生まれたのは、苦しい流れを強いられていた第2ピリオド16分だった。

自陣で相手のボールを奪ったFPオリベイラ・アルトゥールのドリブルからロングカウンターが始まる。ボールを前に運んだアルトゥールから左に開いていた清水にパスが出たが、このボールが少し流れた。だが、このズレ結果的にが清水に空間を与える。

「アルトゥールからのカウンターのパスが少しズレた時に、僕とマーカーとの距離が離れるシーンがありました。その時に『これいけるわ』ってイメージを持つことができた」

ボールを収めた清水は、手を背後に伸ばしDFとの距離を確認しながら足の裏でボールをキープしてタイミングをうかがう。そして、意を決したように一気に反転した。

「反転してから見た景色は、GKがゴールのニアサイドに寄っているというイメージだったので、速いボールで下を狙えればいけるかなという狙いはあって、股下を狙うところまでイメージはできていました。完全に脱力して打とうというイメージでした」

先制点を挙げてからも、シュートチャンスは何度もあった。この得点の少し前にも、広報からのロングボールに合わせたボレーシュートが相手GKに阻まれ、そのこぼれ球を狙いながら枠を捉えられない場面があった。何度かあった決定機を決めきることができていなかったが、清水は「繰り返すことが大事」だと割り切っていたという。

「それまでのシュートチャンスで決められなかったのですが、特に何かを修正しなければとは感じていなくて、決定機を作ることにしかフォーカスしていませんでした。ひとつ前に(上村)充哉からのロングボールを胸トラップしてボレーしたシーンでも、『何がなんでも1点を取る』という姿勢が相手に脅威を与えると思っていました。シュートをどう工夫するのかよりも、とにかく続けていこうと。あれは僕だけのゴールではなく、チームが苦しんだ結果、みんなの気持ちが左足に乗ったのかなと思います」

まさにチーム全員で挙げた執念のゴールとも言うべきか。初戦を落としながらもあきらめずにチャレンジを続け、グループステージ首位通過という最初のハードルを逆転で乗り越えた。この結果を引き寄せたベトナム戦の2点目は、まさに木暮ジャパンが持つ不屈の姿勢、そしてアジア制覇への想いを示す一撃でもあった。

取材・文=河合 拓

1980年生まれ。フットサル情報サイト「Futsal X」発起人。大学在学中の2002年よりフットサルの取材を開始。フットサル専門誌、サッカー専門誌の編集者を経てフリーランスに。民間大会からワールドカップまで、幅広く取材を続ける。

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