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【プレビュー】アジア王者が今夜決まる!日本が3大会ぶり王座に返り咲くために必要なたった一つのこと|AFCフットサルアジアカップ

渡邉 知晃
【プレビュー】アジア王者が今夜決まる!日本が3大会ぶり王座に返り咲くために必要なたった一つのこと|AFCフットサルアジアカップ(C)AFC
【フットサル日本代表 プレビュー】日本代表は8日、AFCフットサルアジアカップクウェート2022の決勝でイラン代表と対戦する。アジア制覇を経験した元日本代表の渡邉知晃が、決勝のポイントを伝える。
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日本時間9日、日本代表はイラン代表とのアジアカップ決勝戦に臨む。過去に何度も日本の前に立ちはだかった“最強の盟主”に勝つ手立てはあるのか。2014年大会でイランを倒して優勝した元日本代表の渡邉知晃が、決勝戦のポイントを伝える。

アジア最強の盟主・イラン

20221008-futsal-asiacup-japan-1(C)AFC

決勝の相手はイランに決まった。前回の2018年大会決勝と同一カードだ。アジアにおけるイランと日本は、長らくライバル関係にある。何度も伝えてきたが、15回のアジアカップで優勝経験があるのは、日本とイランだけだ。

とは言え、イランが12回、日本が3回ということからもわかるように、イランが“アジアの盟主”であることは否定できない。イランはこれまでのアジアカップで、グループステージ敗退したことがないばかりか、ベスト4を逃したことすらない。最低成績が3位という、まさに王者に相応しい歴史がある。

そして、イランの強さはアジアにとどまらない。

これまで7度のワールドカップ出場を誇り、2016年のコロンビア大会では、ベスト16で優勝候補のブラジルを倒し、準々決勝でパラグアイに勝利。準決勝こそロシアに負けてしまったが、アジア勢として初めてベスト4に進出している。アジアだけではなく、世界的にもイランは強豪国である。

筆者自身、日本代表としてだけでなく、クラブチーム相手に何度もイランと対戦してきた。イランは本当に強い。1対1の強さ、フィジカル、スピード、戦略、決定力など、勝つために必要な全てを兼ね備えている。

今大会も、グループステージから準決勝までの戦いで圧倒的な強さを示して勝ち上がってきた。ここまでの5試合で、37得点・2失点。ちなみに、日本は14得点・5失点だ。数字を見ただけでもその強さが伝わるだろう。

今大会で、日本の2倍以上のゴールを決めている爆発的な攻撃力は彼らのメリットだ。ゴールに対して非常に貪欲である。たとえ点差がつこうとも、攻撃の手を緩めることなくどんどんゴールを狙ってくる。

過去の記録を紹介しよう。1999年にマレーシアで行われたアジアカップ第1回大会、シンガポールとの試合でイランは36-0というとてつもないスコアで勝利を収めた。試合時間40分36得点……信じられないような数字だ。

圧倒的な個の力の前に、日本は守備の時間が長くなることが予想されるが、まずはしっかりと耐え抜くこと。最大限の集中力で守備に時間を割きつつ、チャンスをうかがう。試合を通して必ず“ここ”という場面は訪れるものだ。そこを仕留められるか、機会を逸してしまうかが、勝敗の鍵を握るだろう。

イランを率いるのはアジアの伝説的選手

20221008-futsal-asiacup-japan-3(C)AFC

イランの伝説のプレーヤーである、ヴァヒッド・シャムサイー。フットサルを長く見ている人なら誰もが知っているレジェンド選手だ。イラン代表として、2000年から2008年までに8度のアジアカップ優勝を果たしている。

現役時代は、インターナショナルマッチで驚異の392ゴールを決めている。アジア年間最優秀選手に3回、アジアカップMVPに4回、アジアクラブ選手権MVPに2回選出されている。さらに、アジアカップで8回、アジアクラブ選手権で2回の得点王に輝いているというまさに伝説的な選手なのだ。

彼のキャリアを語っていたらキリがないので、これくらいにしておく。

そんなレジェンドが、2022年からイラン代表の指揮官に就任した。日本代表の木暮賢一郎監督とは、選手として何度もアジアカップの舞台で対戦し、凌ぎを削ってきたライバルであり、盟友だ。木暮監督は「決勝で彼と戦えるのは感慨深いものがある」と語ったように、監督として両者は初めて対戦し、しかもそれがアジアカップ決勝となる。指揮官の対決もファイナルの見どころの一つだ。

シャムサイー監督は貫禄があり、振る舞いには余裕さえ感じる。今大会のイランの戦いぶりは、過去のチームよりも安定感、成熟度が高いように感じる。

過去のイランは、個の能力が高いがゆえに我の強い選手が多く、試合中に言い合いして、イライラしていることが頻繁にあった。大味な試合も多く、特にディフェンス面で隙が出ることがある。日本はたいてい、そこを突いてきた。

記憶に新しいのは、2021年にリトアニアで行われたW杯ラウンド16だ。ウズベキスタンと対戦し、9-8でイランが勝利した。一時はイランが4点をリードしたものの、ゲームをコントロールできずに追い込まれてしまった。

しかし、今大会はそこからメンバー構成も変化し、献身的な選手が増えた印象がある。シャムサイー監督の方針や、戦い方がそうなのかもしれない。これまでの失点数はわずかに2点だけであり、守備の堅さも強さの理由になっている。

要注意人物は、10番を背負うキャプテン、ホセイン・タイエビだ。34歳を迎えたばかりの彼は現在、スペインリーグのパルマでプレーしている。筆者も現役時代に何度も対戦したことがあり、得点能力の高さは当時から健在だった。ピヴォのポジションで攻撃の起点となり、シュートバリエーションも豊富。今大会もここまでの5試合で10ゴールを決めるなど、得点王争いを独走中だ。

イランの攻撃の中心選手タイエビを誰が、どのように押さえ込むか。当然、木暮監督は分析済みのはずだが、日本としてスルーできないポイントである。

「優勝したい気持ち」が強いのはどっちだ?

20221008-futsal-asiacup-japan-4(C)AFC

イランは強い。それは誰もが認めることだ。だが、試合はそれだけで決まらない。

筆者が出場した2014年大会で日本が優勝した際、イランは準決勝でウズベキスタンに10-0で勝利していた。そのウズベキスタンに、日本はグループステージで1-2の敗戦を喫していた。この結果だけを見ると、日本に勝ち目がないように映る。

しかし、筆者自身の体感として、「決勝戦は気持ちの勝負」だと思っている。「勝ちたい」「優勝したい」という気持ちが強いほうが勝つのだ。決勝以前とは異なるパワーを発揮でき、連戦の疲れがピークのはずなのに、体は動く感覚があるのだ。

準決勝後に吉川智貴が「決勝で負けることほど悔しいことはない。とにかく『優勝したい』、それだけです」と語っていたが、決勝で負ける悔しさは尋常ではない。だからこそ、絶対にチャンピオンになるという気持ちが一番大事になってくる。

決勝で期待したい選手が2人いる。一人は、平田・ネト・アントニオ・マサノリだ。今大会でゴールこそないが、ピヴォとして前線でのキープや献身的な守備で仲間を支えてきた。チームに貢献し続ける平田には、決勝でのゴールに期待したい。

もう一人は、今大会でブレイクした金澤空だ。21歳の若きアタッカーは今大会、大事な場面でゴールという結果を残してきた。若い選手の台頭はチームに勢いを与え、日本を決勝まで押し上げてきた。決勝でもスコアを動かしてほしい。

舞台は整った。最高の相手と雌雄を競う。イランに勝って優勝を飾ってこそ、真のアジア王者だ。苦しい試合を乗り越えてきたことで、今の日本にはタフさと強さ、そして強固な”一体感”がある。アジアカップのファイナルという大舞台を、存分に楽しんでほしい。3大会ぶりアジア制覇に向けた、正真正銘の”決勝戦”が始まる。

文=渡邉 知晃(わたなべ・ともあき)

1986年4月29日生まれ。福島県出身。小学2年生からサッカーを始め、順天堂大2年時にフットサルに転向。BOTSWANA FC MEGURO、ステラミーゴいわて花巻、名古屋オーシャンズ、立川・府中アスレティックFC、大連元朝足蹴倶楽部(中国)でプレー。日本代表として国際Aマッチ59試合出場・20得点、Fリーグ2017-2018シーズン得点王(45得点)、通算323試合出場・201得点など数々の実績を残し、2020-2021シーズン限りで現役を引退。子供への指導のかたわら、フットボールライターとして執筆業にも挑戦中。

試合情報

AFCフットサルアジアカップ2022 決勝
イラン代表 vs 日本代表
10月8日(土)26時キックオフ
DAZNにて独占配信

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