日本時間21日(日)、元WBOスーパーライト級王者モーリス・フッカーが急成長を遂げるライジング・スター、ヴァージル・オルティス・ジュニアと激突する。
フッカーにとって、140ポンド(約63.5kg)でウェイトを作ることはかなり過酷なことのようだ。
毎回ウェイトを合わせてきていたが、「マイティ・モー」をもってしても簡単なことではなかった。王座を保持している間、ウェイト面の困難は自身のパフォーマンスに影響を及ぼしていたという。その結果2019年7月にフッカーはホセ・ラミレスに6ラウンドTKOで敗戦を喫し、ベルトを失った。
フッカー(27勝1敗3分、18KO)は2019年12月にキャッチウェイト契約の一戦で戦線復帰を果たし、ウリエル・ペレスを1ラウンドで片付けた。
今、フッカーはウェルター級でのデビュー戦に向かう。新たな挑戦を前に、フッカーは「DAZN NEWS」のインタビューに応じてくれた。ウェルター級に階級を上げた理由、故郷の街で戦うこと、そしてレジス・プログレイスと戦わなかった理由について語った。
さらにパワーアップしてウェルター級へ
──故郷の街でビッグマッチを戦える選手はあまり多くはないでしょう。今回あなたが故郷で試合を行うというだけでなく、なんとヴァージルの故郷も近くです。地元のファンを前にビッグマッチを行うのは、どんな感じでしょうか?
いい感じだよ。ファンが応援してくれるのを待っている。ブーイングされる準備もある。準備万端だ。キャンプは上手くいったし、試合に向けてよい準備ができたよ。
──2020年は多くの人にとって良くない1年でした。誰もが熱望したレジス(・プログレイス)との試合が予定されていましたが、2020年はあなたにとってどんな1年でしたか?
ボクシングの観点からは良い1年ではなかったね。だが、コーチと一緒にトレーニングをして今まで以上に学ぶことができた。去年は3回か4回トレーニング・キャンプをしたんだ。たくさんのことを学んで、いつでも試合をする準備ができている。家で座って怠けていたわけではないからね。キャンプでトレーニングして学んでいたんだ。
──試合ができない間、ファイターとして最も重要な学びは何でしたか?
新しいチームで、もっといいファイターになるために自分がもっとできることを見つけられたことだ。たくさん得るものがあった。週末に見せる用意はできているよ。
──今の所、エネルギーはどのくらいありますか? 140ポンドに体重を落としていた頃、それがどれほどあなたを苦しめていたか覚えています。フォートワースで戦うにあたって、もう何週間も減量に苦しむ必要がなく、体調よく金曜日の計量を迎えられると分かって、どんな気持ちですか?
エキサイティングだ。140ポンドに合わせていた頃は、インタビューを受けて座っていた時、口が乾いて仕方がなかったし、疲れきっていた。俺がそこにいたのは、ただそこにいなければいけなかったからだった。今は早くダラスに行きたい気分だし、インタビューも喜んで受けられる。いい準備ができている。
──まだ4分しか話していないのに、スーパーライト級にいたときより、ウェルター級のほうがハッピーに見えますよ。
147ポンドでウェイトを作れるのはとても、とても、とてもハッピーだ。最高の気分だ。それから、俺の下馬評が低いのにもワクワクするね。俺のことを見くびっているヤツがたくさんいるようだ。最高だよ。ハードにトレーニングを積んできた。俺はまだここにいる、俺はこんなに厄介なヤツだ、と皆に見せる準備は整っているよ。
階級変更は「ベストな状態で戦いたいから」
──「ライオンの巣穴」と言われるウェルター級に階級を上げようと考えたプロセスについて教えて下さい。
ベストでいられれば、ベストなファイトができるはずだ。俺のベストウェイトは147ポンドだからベストな条件で戦いたいと思ったんだ。ヴァージルは若くて、将来有望なファイターだ。16戦無敗で16KO。話題性もある。パワーもある。ヤツと戦わない選択肢があるか?ステップアップできる試合があるのに他の誰かと戦う選択肢があるか? 俺はいつでもベストを尽くすよ。
──試合でこれほどエキサイトしたのは、いつが最後になりますか?
テリー・フラナガンと戦ったときじゃないかな。だがエキサイトはしなかった。ワクワクした、と言ったほうがいいな。だが、今回はエキサイトしている。リングインが待ち遠しいし、ファンに俺がどんなヤツか見せるのが楽しみだ。
──ラミレス戦後、ファンに見限られたとお考えですか?
ああ。あの試合の後、皆は俺を見限った。モハメド・アリの頃まで遡っても、どんな偉大な選手だって負けることはあった。様々なスタイルが試合を作る。皆が俺のことをこんな風に散々言ってくれてハッピーだ。だが俺はまだここにいる。俺はまだ当時のままで、厄介なヤツなんだ。
──ウェルター級での目標を教えて下さい。ヴァージルとのビッグマッチがあります。あなたがやりたいと思っていることをやり遂げたら、次はもっと大きく素晴らしいことをやるはずですよね。世界王者への挑戦はいつ頃を考えていますか?
多分今年の年末までか、それとも来年の始めくらいだろう。だが、まずは今週の仕事に取り掛かろうか。
──レジス・プログレイスとの一戦を楽しみにしていた人は多かったと思います。コロナウィルスで中止になってしまいましたが、再調整に向けて動いていました。ですが、また中止になってしまいました。何が起こったか、両サイドの話を聞いてきましたが、あなた自身に何があって、試合が再調整されなかったのかについては誰も聞いていませんでした。沢山の人が待ち望んだ一戦だったにも関わらず、再調整がなされなかったのはなぜでしょうか。心中を教えて下さい。
140ポンドが作れなくなってきたんだ。142ポンド、143ポンドですら落とせなかった。だから147ポンドに移る準備をしていた。彼に連絡して、145ポンドでやらないか、と聞いたんだが、「いや、143か、144だ」と言われたよ。
「なぜ145ポンドじゃないんだ?ノンタイトルだぞ。今オレたちはふたりともチャンピオンじゃない。145ポンドでやろうじゃないか?」と言ったんだが、ヤツは145ポンドではやりたがらなかった。143か144ポンドでやりたいと譲らなかった。その1、2ポンドの差だけが埋まらなかった。
俺はいつでも戦えたから、その交渉に飽きてしまった。俺は今まで無敗の選手と5、6人戦ってきた。だからいつでも戦う用意はある。皆、俺が戦いに来ていることは分かっている。将来またヤツと戦うことがあればいいと心から願うよ。
──ヴァージルとの一戦でのキーポイントは何ですか?
やらなきゃいけないのは、自分自身を保つこと、集中すること、試合を楽しむことだ。すべて順調に行っている。大きく、たくましくなった。以前よりパワーもついた。俺にはパワーがあることも皆忘れているよな。
──この試合について言えば、最も重要なのは経験ではないかと思っています。今回のようなビッグマッチをあなたは経験していますが、ヴァージルにはそのような経験は備わっていません。経験こそが今回のビッグマッチで重要な要素になるとは思いませんか?
ああ、まさにそう思う。アレックス・サウセドと戦ったときのことを覚えている。最初の3、4ラウンドは相手が前がかりに来るから厳しい戦いになるだろうと自分に言い聞かせていたよ。
今回のヴァージルとの戦いも、3ラウンドか4ラウンド、ヤツはどんどん来るはずだ。ヤツが前掛かりになって大振りにぶちかましてくることも、仕掛けをしないことも皆分かっている。そんなラウンドを切り抜けられれば、勢いは落ちていくはずだ。
ヴァージル・オルティス・ジュニアの戦績
- 国籍:アメリカ
- 生年月日:1998年3月25日
- 身長:177.8 cm
- リーチ:182.9 cm
- 試合数:16試合
- 対戦成績:16勝0敗、16KO
モーリス・フッカーの戦績
- 国籍:アメリカ
- 生年月日: 1989年8月7日
- 身長:180.3 cm
- リーチ:203.2cm
- 試合数:31試合
- 対戦成績:27勝1敗3分、18KO
オルティス vs. フッカーのファイトカード
- ヴァージル・オルティス・ジュニア vs. モーリス・フッカー(WBO世界ウェルター級王座決定戦)
- パブロ・セサル・カノ vs. ジョナサン・ナバーロ(スーパーライト級)
- アナベル・オルティス vs. セニエサ・エストラーダ(WBA女子ミニマム級王座防衛戦)
- ルイス・エルナンデス vs. アレックス・マーティン(スーパーライト級)
- ジョージ・リンコン vs. ルイス・ソリス(スーパーライト級)
- ヘクター・バルデス vs. アルベルト・トーレス(スーパーバンタム級)
- トリスタン・カルクロイト vs. ダスティン・ロング(クルーザー級)
ボクシング 配信予定 | DAZN番組表
日時(日本時間) | カード | 詳細 |
---|---|---|
3月21日(日) 3:00 | オコリー vs.グロワスキ | WBO世界クルーザー級王座決定戦 |
3月21日(日) 10:00 | オルティス・ジュニア vs.フッカー | WBO世界ウェルター級王座決定戦 |
3月28日(日) 4:00 | ポベトキン vs.ホワイト | ヘビー級12回戦 |
4月24日(日) 3:00 | マーティン vs.プロスパー | EBU ヨーロッパスーパーライト級 |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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