WBCフライ級王者のフリオ・セサール・マルティネスは、ボクシング界最高の選手の一人であるローマン"チョコラティート"ゴンサレスに対してその実力を出すことができるだろうか?
マルティネスは激しい試合が好みだ。鋭い出足とともに右ストレートをハードに打ち込み、ターゲットを的確に捉える。フックは上からスイングするように振り下ろされるが、マルティネスはしばしばフォロースルーで手を上げスタイルを強調する。
バスケットボール選手のステフィン・カリーがシュートを放った後で手を上に挙げ、ボールがネットを通過したのと同時に自身の3ポイントシュートを称えるのと同じような動きだ。
157.5cmという身長で、まさにパンチ一つ一つを飛び込むように打ってくる。
マルティネスはファイターであるのと同時に、エンターテイナーでもありアーティストでもある。キャンバスに大ぶりのストロークで絵を描くように、リングで敵に打ち込んでいく。
最新の情報に詳しい批評家やボクシングファンは、すでにマルティネスの技術の高さを認識している。だが、このWBCフライ級世界王者は勇敢にも階級を上げ、元4階級世界王者でパウンド・フォー・パウンドの猛者ローマン"チョコラティート"ゴンサレスと戦おうというのだ。
マルティネスは持ち前の卓越した技術をこれまで以上に見せる機会に恵まれた。このスーパーフライ級の一戦は日本時間3月6日にサンディエゴのペチャンガ・アリーナで行なわれ、試合の模様はDAZNから世界に生中継される。
エディー・ハーン氏が1月に『DAZN Boxing Show』内で行なったインタビューを見れば、マルティネスがこのドリームマッチ実現にむけてどのように飛び込んでいったかがわかる。
ゴンサレス(50勝3敗、41KO)はもともとファン・フランシスコ・エストラーダと対戦する予定だった。3度目の対戦が大いに期待されていたが、新型コロナウイルスの影響で計画は頓挫した。ハーン氏が番組メインホストの二人に説明したように、この試合は結局もっと魅力的なものに仕上がったのだった。
「突然、『フライ級にいるクレイジーなあいつはどうだろうか?』と思いついたんだ」Matchroom Boxingの会長を務めるハーン氏はさらに続けた。「こう感じたんだ。フリオ・セサール・マルティネスvsチョコラティートはビッグファイトのひとつになる。若いファイターが『やってやる』と言えば、チョコラティートが『私に怖いものはない』と応戦する、素晴らしい瞬間のひとつになるんじゃないか」
「そこでエディー・レイノソ(マルティネスのマネジャー)にコンタクトを取った。『おお、いいね。我々のクレイジー野郎は準備ができているよ』と彼は言ったんだ」
さらにハーン氏は続ける。「陣営が話し合いの場を持つと、48時間後には話がついていたんだ。(ゴンサレス-エストラーダ3より)爆発的に面白い試合になると思うよ」
まさにそのとおりだ。理論的には、このスーパーフライ級の一戦はファイト・オブ・ザ・イヤー候補となりそうな試合だ。この試合を戦うのは、7歳も年下の若獅子に対して自身の技術を試すことに同意した"チョコラティート"と、キャリア史上最強の対戦相手に向かい合い、さらに自身の価値を高めようというマルティネス(18勝1敗、14KO)なのだから。
このスーパーファイトは可能性の塊だ。「ゴンサレス-エストラーダ3」が流れた直後のマルティネスの純粋な反応を見れば、偉大な選手と戦うことで自身の技量を示したいというマルティネスのハングリーさが分かるというものだ。
マルティネスの技術については、すでに十分目にしている。9ラウンドTKOで勝利しWBCフライ級タイトルを手にしたクリストファー・ロサーレス戦でも、ジェイ・ハリス、モイセス・カジェロス、ジョエル・コルドバらを相手に見事なパフォーマンスを見せた防衛戦でもそれを垣間見ることができた。
ゴンサレスを初めてKOに下したメキシコ人になることができれば、マルティネスにとってはキャリア最大の手柄だろう。それも、見事な内容で成し遂げることができれば最高だ。すでにステップアップは果たした。マルティネスはボクシング界最強の一人を相手に何ができるか、見てみようじゃないか。
ローマン"チョコラティート"ゴンサレス データと戦績
- 国籍: ニカラグア
- 生年月日: 1987年6月17日
- 身長: 160.0 cm
- リーチ: 162.6 cm
- 総試合数: 53試合
- 戦績: 50勝3敗(41KO)
フリオ・セサール・マルティネス データと戦績
- 国籍: メキシコ
- 生年月日: 1995年1月27日
- 身長: 157.5 cm
- リーチ: 162.6 cm
- 総試合数: 19試合
- 戦績: 18勝1敗(14KO)
ゴンサレス vs マルティネス 対戦カード
- ロマン"チョコラティート"ゴンサレス vs フリオ・セサール・マルティネス: スーパーフライ級
- マウリシオ・ララ vs エミリオ・サンチェス: フェザー級
- アンヘル・フィエロ vs ファン・カルロス・ブルゴス: ライト級
- スレイマン・シソコ vs ロベルト・バレンズエラJr: ライト級
ボクシング 配信予定 | DAZN番組表
日時(日本時間) | カード | 詳細 |
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3月6日(日) 10:30 | ゴンザレス vs.マルティネス | スーパーフライ級12回戦 |
3月13日(日) 04:00 | ウッド vs.コンラン | WBA世界フェザー級タイトルマッチ |
3月20日(日) 11:00 | オルティスJr. vs.マッキンソン | IBF世界フェザー級タイトルマッチ |
3月27日(日) 04:00 | マルティネス vs.ワーリントン | IBF世界フェザー級タイトルマッチ |
※配信予定、及び出場選手は変更になる場合あり
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