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【小倉茂徳の視点】第12回・ロシアGPで王者ハミルトンが失態&ライバルに巻き返しの兆候?|F1

【小倉茂徳の視点】第12回・ロシアGPで王者ハミルトンが失態&ライバルに巻き返しの兆候?|F1DAZN
DAZNのF1中継で解説を務めるモータースポーツジャーナリスト、小倉茂徳氏が独自の視点でモータースポーツ界の今に迫る。王者ハミルトンが失錯により3位フィニッシュ。ボッタスが優勝した第10戦ロシアGPを小倉茂徳はどう見たのか。
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文・小倉茂徳(おぐら・しげのり)

モータースポーツジャーナリスト・解説者。鈴鹿サーキットと同じ1962年生まれ。1987-88年ホンダのF1チームの広報スタッフとしてF1を転戦。以後、現職に。子供向けにレーシングカーの仕組みと面白さを伝えながらSTEM教育への入り口となるレクチャーも行っている。2016年からは、スポーツのネット配信DAZNのF1解説を担当。

2020-10-07 Formula 1 F1 Hamilton Vottas

通常日程のロシアGP

F1第10戦はロシアGP。前年の開催カレンダー(2019年9月27日~29日)とほぼ同様な秋開催になりました。開催コースのソチ・オートドロームは2014年冬季オリンピックのメイン会場。会場設計計画の段階で、すでにサーキットも入れられていたというコースです。

コースは、三つの区間のうち、最初の二つの区間は長いストレートや通過速度が速いコーナーがあり、ウイングをやや寝かして空気抵抗をやや減らしたいところ。

ところが最後の区間は通過速度が遅い直角のコーナーが多く、空気抵抗が増えてもウイングを立てることでダウンフォースを増やし、車体とタイヤを路面に押し付けたい区間となります。

このように、相反するコース特性に最適なセットを見つけたものが有利となるコースです。

ハミルトンとメルセデスの失敗

2020-10-07 Formula 1 F1 Hamilton

そんなソチのコースを得意とするのはメルセデスチーム。2014年の初開催から毎年すべて優勝してきています。今年も、メルセデス勢の優位は変わりませんでした。

金曜日のフリー走行では、バルテリ・ボッタスがトップ。土曜日になるとフリー走行からルイス・ハミルトンが優勢。ハミルトンは「F1LAB#10」で紹介したように、予選Q2を通過できなくなりそうな危ない場面もありましたが、なんとか通過。

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Q3ではポールポジションを獲得。これでミハエル・シューマッハーの生涯通算91勝のF1最多優勝記録に並ぶチャンスを得ました。

ところが決勝前にハミルトンとメルセデスチームは手痛い失敗をしてしまいました。

決勝前、ピットからスターティンググリッドに向かう際に、ドライバーたちはスタート練習をよく行います。ただ、このスタート練習のしかたと場所については、木曜日の段階でレースディレクターから全参加者(チームとドライバー)に向けた「レースノート」という書類で共有されていました。

さらに、改訂バージョンではピットレーンの走路上ではスタート練習を含む停車禁止も通達されていました。これらの指示や通達には、絶対に従わなければいけないとルールで決められています。

全車は指示された場所でスタート練習をしましたが、そこの路面にはタイヤのゴムが乗って、実際のスタート位置と路面の状態が異なってしまいます。そこで、ハミルトンは、通達で禁止されていたピットレーン出口でスタート練習を2度してしまいました。ハミルトンはチームにも無線で確認し、チームもそこで練習して良いという趣旨の返信をしたための、ダブルエラーでした。

その結果、1回の練習につき5秒のタイムペナルティ(ピットで5秒停止かレース後のタイムに5秒加算)を2回で、ハミルトンには合計10秒のタイムペナルティが科されてしまいました。

スタートからトップを走っていたハミルトンは、ピットストップの際に10秒停車を選び、これで優勝争いから脱落。頑張って追い上げましたが、3位が精いっぱいでした。

ハミルトンのペナルティのあとトップになったボッタスは、他を寄せ付けない圧倒的なハイペースで快走。2位のマックス・フェルスタッペンに大差をつけたあとは、フェルスタッペンのペースとタイム差をうかがいながら、マシンとタイヤをいたわる走行で優勝しました。これでボッタスは今季2勝目。ハミルトンとのポイント差を縮めて、チャンピオン争いに踏みとどまりました。

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2020-10-07 Formula 1 F1 Vottas

ホンダ勢4台の入賞

2位はレッドブルのフェルスタッペンでした。ボッタスには追い付けませんでしたが、3位のハミルトン以降には15秒以上の大差をつけてのゴール。

イタリアGP、トスカーナGPとホンダのパワーユニットのトラブルに苦しんだフェルスタッペンでしたが、ホンダが中一週の間にトラブルを解決して、ふたたびパワーを与えてきたのでした。

冒頭で記したように高速と低速の相反する特性を求めるソチのコースでもホンダ勢は好調で、アルファタウリのダニール・クビアトとピエール・ガスリーがそれぞれ8位と9位。クビアトは地元のロシアGPで金曜日のフリー走行からいつも以上の頑張りと速さを見せていました。

レッドブルのアレクサンダー・アルボンも10位となり、ホンダのパワーユニットを搭載した4台全車が入賞しました。これは、昨年のモナコGP以来の好結果でした。

ホンダにとって、パワーユニットでみるとメルセデスはまだ追いかける存在でも、フェラーリやルノーに対しては優勢に戦えたレースでした。

フェラーリの復調

2020-10-07 Formula 1 F1 Ferrari Charles Leclerc

今回のロシアGPはまた中団グループが激しい戦いでした。4位のセルジオ・ペレス(レーシングポイント)、5位ダニエル・リカルドと7位エステバン・オコン(ともにルノー)らが活躍。さらにその後ろでも熱いバトルがありました。

入賞ドライバーには、6位にフェラーリのチャールズ・ルクレールもいました。ずっとマシンの性能に苦しんできたフェラーリ勢でしたが、今回アップデート(改良部品)入れて、やや性能を持ち直しました。これが、ルクレールを6位に後押ししました。

フェラーリがやや復調したことで、マクラーレン、レーシングポイント、ルノー、フェラーリ、アルファタウリの戦いは以前にもまして熾烈になってきそうです。

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次戦はニュルブルクリンクへ

より激しい戦いとなりつつあるF1は、中1週間を空けてアイフェルGPとなります。(10月11日決勝)。開催コースはドイツのニュルブルクリンクサーキット。

このサーキットでのF1開催は2013年以来。現代のマシンとタイヤにとっては未知への挑戦です。また、雨が多いコースなうえ、10月の現地の気候は寒いことも予想され、タイヤの使い方や戦略も難しくなりそうです。

だれが、状況に上手く対応して有利に戦えるのか?ここが最大の注目点です。

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ニュルブルクリンクは1927年のサーキット開設以来、メルセデスの地元コースでした。ロシアでは勝利と失敗があったメルセデス。先達たちからの歴所と伝統を担う地元戦で、より完璧をめざしてくるでしょう。

しかし、大昔にスクーデリア・フェラーリがメルセデスのシルバーアローに大逆転を果たした歴史もあるところ。

さらに歴史を振り返ると、ニュルブルクリンクはホンダにとって1964年にF1デビューを果たした記念すべき場所でもあります。

数々の歴史を備え、80年代に生まれ変わった難コースでの戦い。どうぞお楽しみに。

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦オーストリアGP 7月3日(金) ~ 4日(土)7月5日(日)
第2戦シュタイアーマルクGP 7月10日(金) ~11日(土)7月12日(日)
第3戦ハンガリーGP 7月17日(金) ~18日(土)7月19日(日)
第4戦イギリスGP 7月31日(金) ~ 8月1日(土)8月2日(日)
第5戦70周年記念GP 8月7日(金) ~ 8日(土)8月9日(日)
第6戦スペインGP 8月14日(金) ~15日(土)8月16日(日)
第7戦ベルギーGP 8月28日(金) ~29日(土)8月30日(日)
第8戦イタリアGP 9月4日(金) ~ 5日(土)9月6日(日)
第9戦トスカーナ・フェラーリ1000GP 9月11日(金) ~12日(土)9月13日(日)
第10戦ロシアGP 9月25日(金) ~ 26日(土)9月27日(日)
第11戦アイフェルGP 10月9日(金) ~ 10日(土)10月11日(日)
第12戦ポルトガルGP 10月23日(金) ~24日(土)10月25日(日)
第13戦エミリア・ロマーニャGP 10月31日(土)11月1日(日)
第14戦トルコGP 11月13日(金) ~ 14日(土)11月15日(日)
第15戦バーレーンGP 11月27日(金) ~ 28日(土)11月29日(日)
第16戦サクヒールGP 12月4日(金) ~5日(土)12月6日(日)
第17戦アブダビGP 12月11日(金) ~ 12日(土)12月13日(日)