経歴
史上最年少でF1デビュー&優勝
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1997年生まれ、マックス・フェルスタッペンはF1ドライバーである父ヨス、カートレーサーだった母ソフィー・マリー・クンペンの間に生まれ、幼い頃からレースに親しんで育った。
フォーミュラ・ルノー、F3のテストドライバーを経て、2014年にヨーロッパF3選手権でシリーズ3位となる。この年の8月にレッドブル・ジュニアチームの一員となり、2015年よりトロ・ロッソからF1デビューすることになった。
デビュー戦となったオーストラリアGPでは17歳165日で史上最年少出走記録をマークし、第2戦のマレーシアGPでは7位フィニッシュを果たしたことにより17歳180日の最年少入賞記録も達成。非力なトロ・ロッソのマシンを駆りながらもデビューシーズンからハンガリーGPやアメリカGPでは4位入賞を果たし、49ポイントを獲得し12位でシーズンを終えた。
翌2016年、フェルスタッペンは開幕戦~第3戦にかけて3レース連続で入賞を果たした。その一方、レッドブルのダニール・クビアトが第3戦中国GP、第4戦ロシアGPと接触事故を誘発したとして批判の的となり、第5戦スペインGPを前にクビアトはトロ・ロッソ降格が決まった。
入れ替わる形でフェルスタッペンがレッドブルのシートに昇格することに。直後のスペインGPでフェルスタッペンは予選4位からスタートし、トップに躍り出てそのまま1位でフィニッシュ。レッドブルのデビュー戦で18歳228日というF1史上最年少優勝記録を打ち立てた。2016年、フェルスタッペンはトロ・ロッソで4戦、レッドブルで17戦を消化し、204ポイントでドライバーズランキング5位となった。
レッドブルで優勝争いを展開
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翌年以降もフェルスタッペンは勝利をマークするが、ライバルのメルセデスとフェラーリには及ばない状況が続く。2017年は2勝をマークするも6位、2018年も2勝するが年間5位でシーズンを終えている。
そしてレッドブルは2019年よりパワーユニットがルノーからホンダに変更。エンジン変更によりマシンの完成度低下を懸念する声もあったが、フェルスタッペンは開幕から8戦連続で5位以上での入賞を果たすと、レッドブルのお膝元でもある第9戦オーストリアGPでは逆転優勝を飾っている。この勝利は2015年よりF1に復帰した“第4期”ホンダにとっての初勝利、ホンダエンジンとしては2006年のハンガリーGP以来となるF1勝利となった。
フェルスタッペンはこの後第11戦ドイツGP、第20戦ブラジルGPでも勝利。ブラジルGPに至ってはトロ・ロッソのピエール・ガスリーが2位に入ったため、ホンダのパワーユニットによるワンツーフィニッシュとなった。また、2019年はフェラーリのセバスチャン・ベッテルとシャルル・ルクレールの同士討ちもあり、3勝のフェルスタッペンはポイントランキングでメルセデス勢に次ぐ3位に浮上した。
そして迎えた2020年は開幕前のテストからレッドブルのポテンシャルは評判上々。だが開幕が7月にずれ込み、いざ開幕するとメルセデスに比べて見劣りする勢力図に。それでもフェルスタッペンは第5戦の70周年記念GP、最終戦のアブダビGPを制して年間2勝、ドライバーズラインキング3位でシーズンを終えた。
2021年はついにドライバーズタイトル獲得
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2021年はホンダがF1活動終了を表明している中で、レッドブルは開幕前からメルセデスに匹敵するポテンシャルを備えているのではないかとの見方も。開幕戦のバーレーンGPはハミルトンに逆転優勝を許すも、2位フィニッシュを果たす。
続くエミリア・ロマーニャGPで同シーズン初優勝を果たすと、第5戦モナコGPでも勝利をマークし、5レースを終えて優勝2回、2位3回と7度の王者ハミルトンと互角の戦いを展開する。第6戦アゼルバイジャンGPではトップ走行中の終盤にタイヤバーストでリタイアを余儀なくされるという不運もあったが、第7戦フランスGP~第9戦オーストリアGPまで3勝を飾り、好調ぶりをアピール。
第10戦イギリスGPではハミルトンと接触してタイヤバリアに突っ込んでリタイア。そして第14戦イタリアGPでもハミルトンと接触して双方リタイアと、両者の争いは激化の様相を呈する。
後半戦に入り、第17戦アメリカGP、第18戦メキシコGPと北米ラウンド2連戦で連勝すると、残り4レースでハミルトンに19ポイント差をつけた。だがその次戦、サンパウロGPでハミルトンがパワーユニット交換をするとここから苦戦を強いられる。フレッシュなエンジンを積んだハミルトンはここから突出した速さを見せてサンパウロGP、カタールGP、サウジアラビアGPと3連勝を飾り、369.5ポイントで並び、最終戦アブダビGPで雌雄を決することになった。
アブダビGPではポールポジションをフェルスタッペンが獲得したものの、ソフトスタートの蹴り出しが良くなく、ミディアムのハミルトンにターン1でトップを奪われてしまう。このレースはハミルトンがフェルスタッペンの前でレースを進め、途中20~21周目には僚友セルジオ・ペレスのアシストもありハミルトンとフェルスタッペンの差は詰まる場面もあったが、ハミルトンは残り数周の段階で13秒ほどのリードを保ち、フェルスタッペン&レッドブル陣営としては成すすべなしの状況となったが、53周目にニコラス・ラティフィがクラッシュすると状況が一変。
ハミルトンはトラックポジションを失う恐れがあることからそのままステイアウトした一方、フェルスタッペンはすぐさまピットに入ってソフトタイヤに交換。両者の差はほとんどなくなった状態でファイナルラップの58周目にグリーンフラッグとなり、ターン5でフェルスタッペンがハミルトンを抜いてトップに浮上。フェルスタッペンは土壇場でハミルトンを逆転し、初のドライバーズタイトルを手にした。
フェルスタッペンの戴冠はレッドブルとしてセバスチャン・ベッテルによる2013年以来のドライバーズタイトルとなった。パワーユニットのホンダとしては、第2期1991年のアイルトン・セナ以来、30年ぶりの王者輩出となった。そして車両規定の大きく変わった2022年、フェルスタッペンは33番ではなく、1番を着けて挑むこととなった。
2022年はシーズン単独最多勝を記録
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ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ2022年、フェルスタッペンは開幕戦でまさかのリタイア(19位完走扱い)。フェラーリが1-2フィニッシュを果たして復活の気配を示したこともあり、2022年の初戦はフェルスタッペンにとって最悪のスタートとなった。
続く第2戦サウジアラビアGPでは、チャールズ・ルクレールとDRSの検知ゾーンにどちらが後ろで入るかという駆け引きを見せながら競り勝ち、2022年初勝利をマーク。第3戦オーストラリアGPはリタイアとなり、この時点でルクレール71ポイント、フェルスタッペン25ポイントと、両者のポイント差は46まで広がった。
だが第4戦エミリア・ロマーニャGPより状況が好転する。フェルスタッペンはここから6レース中5勝、レッドブルとしては6連勝を飾った。開幕戦に見られたようなマシントラブルの頻度も激減し、フェルスタッペンはポイントリーダーとしてトップを快走。第12戦フランスGP~第16戦イタリアGPまで5連勝をマークした。
第18戦日本GPでは雨の中、先頭を走りきって優勝。そして僚友ペレスがファイナルラップのシケインでルクレールのオーバーランを誘発し、ルクレールが3位降格となった。このレース結果により、フェルスタッペンは2022年の総合優勝を達成。見事、タイトル連覇を果たした。
結果的にシーズン15勝で年間の単独史上最多勝(当時)となり、フェルスタッペンが圧倒する形になった2022年。だが終盤のサンパウロGPでは前を抜けなかった場合、後ろを走る僚友ペレスにP6を譲ってほしいとチーム無線で指示を受けるも、オランダ人ドライバーは断固拒否をするなど、強硬な一面も見せた。
2023年は22戦19勝という圧倒的な成績で3連覇
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2023年は開幕戦バーレーンGPでポール・トゥ・ウィンを飾り、最高のスタートを切った。だが第2戦サウジアラビアGPでは、予選Q2で突如ドライブシャフトのトラブルによりタイムなし、予選15番グリッドに。それでも決勝では驚異的な追い上げを見せ、僚友ペレスに続く2位で表彰台に上がった。
このシーズンは第4戦終了時点でフェルスタッペン2勝、ペレス2勝とレッドブルのアドバンテージが揺るぎない序盤戦となったが、ここからはフェルスタッペンがまさに“最強”であることを示す。
予選ではある程度安定して上位グリッドを獲得しつつ、トラブルなどで前のグリッドを獲得できなくても、後方から巻き返して決勝では勝利をつかみ取る展開が続く。
連戦連勝を積み重ね、フェルスタッペンがその後勝利を逃したのは、コース特性がRB19に合わなかったシンガポールGPのみ。それ以外の全レースを制し、シーズンを通じて22戦19勝という圧倒的な成績で総合3連覇を決めた。
F1キャリアを通じても、アラン・プロスト、セバスチャン・ベッテルを抜いて通算54勝の歴代3位に浮上。2024年もフェルスタッペンの年になるのか、ここから“一強状態”を継続できるのか注目だ。
プロフィール
マックス・フェルスタッペン
Red Bull Content Pool
1997年9月30日生まれ|オランダ国籍(出生地はベルギー)|トロ・ロッソ(2015~2016)、レッドブル(2016~)
通算成績(2024年開幕時点)
- 出走/185回
- 優勝/54回
- PP/32回
- FL/30回
- ドライバーズタイトル/3回(2021年、2022年、2023年)
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2015年 | トロ・ロッソ | 0勝 | 12位 |
2016年 | トロ・ロッソ/レッドブル | 1勝 | 5位 |
2017年 | レッドブル | 2勝 | 6位 |
2018年 | レッドブル | 2勝 | 4位 |
2019年 | レッドブル | 3勝 | 3位 |
2020年 | レッドブル | 2勝 | 3位 |
2021年 | レッドブル | 10勝 | 1位 |
2022年 | レッドブル | 15勝 | 1位 |
2023年 | レッドブル | 19勝 | 1位 |
2023年の成績
- 年間:575ポイント/1位
- 優勝/19回
- PP/12回
- FL/9回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦バーレーンGP | 優勝 |
第2戦サウジアラビアGP | 2位 |
第3戦オーストラリアGP | 優勝 |
第4戦アゼルバイジャンGP | 2位 |
第5戦マイアミGP | 優勝 |
第6戦エミリア・ロマーニャGP【中止】 | |
第7戦モナコGP | 優勝 |
第8戦スペインGP | 優勝 |
第9戦カナダGP | 優勝 |
第10戦オーストリアGP | 優勝 |
第11戦イギリスGP | 優勝 |
第12戦ハンガリーGP | 優勝 |
第13戦ベルギーGP | 優勝 |
第14戦オランダGP | 優勝 |
第15戦イタリアGP | 優勝 |
第16戦シンガポールGP | 5位 |
第17戦日本GP | 優勝 |
第18戦カタールGP | 優勝 |
第19戦アメリカGP | 優勝 |
第20戦メキシコGP | 優勝 |
第21戦サンパウロGP | 優勝 |
第22戦ラスベガスGP | 優勝 |
第23戦アブダビGP | 優勝 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 2月29日(木) ~3月1日(金) | 3月2日(土) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月7日(木) ~8日(金) | 3月9日(土) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月22日(金) ~ 3月23日(土) | 3月24日(日) |
第4戦 | 日本GP | 4月5日(金) ~ 6日(土) | 4月7日(日) |
第5戦 | 中国GP | 4月19日(金) ~ 20日(土) | 4月21日(日) |
第6戦 | マイアミGP | 5月3日(金) ~ 4日(土) | 5月5日(日) |
第7戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月17日(金) ~ 18日(土) | 5月19日(日) |
第8戦 | モナコGP | 5月24日(金) ~ 25日(土) | 5月26日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月7日(金) ~ 8日(土) | 6月9日(日) |
第10戦 | スペインGP | 6月21日(金) ~ 22日(土) | 6月23日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 6月28日(金) ~ 29日(土) | 6月30日(日) |
第12戦 | イギリスGP | 7月5日(金) ~ 6日(土) | 7月7日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月19日(金) ~ 20日(土) | 7月21日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 7月26日(金) ~ 27日(土) | 7月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 8月23日(金) ~ 24日(土) | 8月25日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 8月30日(金) ~ 31日(土) | 9月1日(日) |
第17戦 | アゼルバイジャンGP | 9月13日(金) ~ 14日(土) | 9月15日(日) |
第18戦 | シンガポールGP | 9月20日(金) ~ 21日(土) | 9月22日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月18日(金) ~ 19日(土) | 10月20日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月25日(金) ~ 26日(土) | 10月27日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月1日(金) ~ 2日(土) | 11月3日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月21日(木) ~ 22日(金) | 11月23日(土) |
第23戦 | カタールGP | 11月29日(金) ~ 30日(土) | 12月1日(日) |
第24戦 | アブダビGP | 12月6日(金) ~ 7日(土) | 12月8日(日) |