「年間3番手も狙える」F1の識者がアルファタウリの大躍進を予想…角田裕毅については「ピカチュウのよう」｜F1

『Formula 1』のデジタルプレゼンターであるウィル・バクストン氏が、2021シーズンのアルファタウリについて「今季は期待できる」との見解を示している。

著名リポーターであるバクストン氏は『Formula 1』の公式メディアを通じ、ピエール・ガスリー＆角田裕毅の所属するアルファタウリが今季は要注目の存在になると説いた。

「アルファタウリのAT02（2021年型のマシン）はとてつもなく凶悪なスマートカーになった。2021年は前年からのレギュレーション変更が少なかったし、そんな中でここまで大きく進化できたということがまず驚きだよ。全く新しいホンダのパワーユニットは、アルファタウリに本物の速さを与えたようだ」

「そしてステアリングを握るレーサーも素晴らしい。ガスリーは肉体的にも精神的にも充実している」

そしてバクストン氏はデビュー戦で9位フィニッシュを果たした角田裕毅の存在も大きいと主張している。

「角田裕毅はあのロス・ブラウン（F1マネージングディレクター）が“F1界でここ何年かの間でも最高のルーキー”と評したほどだ。ジョージ・ラッセル、ランド・ノリス、シャルル・ルクレールなどが“ここ何年か”に含まれていることを考えると、これはもうとてつもない称賛と言えるだろう」

「近年F1に挑戦したルーキーの中でも前例がないほど、角田はデビュー前から充実したテストプログラムを受けていた。イモラとミサノでは2年落ちのトロ・ロッソで周回を重ね、かなりの経験を積んだようだ」

「そしてその努力は早くも結実しているようにも見える。何しろバーレーンGP予選のQ1では、全体2番手のタイムを叩き出した。ミディアムタイヤのギャンブル（Q2）はうまくいかなかったが、レースの計画性は早くも申し分のないものだった」

あどけない角田の外見も踏まえ「彼はポケモンのキャラクターであるピカチュウのようだ。ピカチュウは小さくてかわいい姿でありながら、その内部には電力と確かな戦闘力を備えている」と語っている。

そしてレッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコ氏、アルファタウリのチーム代表フランツ・トスト氏が角田をレギュラードライバーとしてF1に昇格させたことについて「この提案は間違っていなかった。F1界において今のところ、最も素晴らしい決断の一つだった」と記し、角田のF1昇格が“大当たり”だったと強調した。

そしてバクストン氏はアルファタウリの今後に期待を寄せつつ、記事を締めくくっている。

「次のイモラ（第2戦エミリア・ロマーニャGP）はアルファタウリが重点的にテストしてきたトラックだ。2020年には速さを見せたトラックでもある。その次のポルティマン（第3戦ポルトガルGP）は、ガスリーが9位スタートから、5位フィニッシュを果たしたサーキット。さらにその次のカタルーニャ（第4戦スペインGP）は、去年ガスリーが週末の全セッションでトップ10入りを果たしていた場所でもある」

「2021年のアルファタウリは間違いなく良さそうだ。コンストラクターズ3位の位置だって狙えるように思える。これはシリアスな話だ。過大評価のように見えるかもしれないが、この見解は見当外れでないと私は考えている。まずは次のイモラをじっくり見てみよう。次の停留所で明らかになることもあるだろうからね」