サインツ「イタリアでより完璧なドライバーに近づいた」年間総合5位、躍進のフェラーリ加入1年目を回顧｜F1

フェラーリのカルロス・サインツが、躍進となったフェラーリ1年目を振り返っている。

2021年シーズン、セバスチャン・ベッテルの穴埋め役としてマクラーレンからフェラーリへと移籍したサインツはシーズンを通じて安定した成績を残し、最終戦アブダビGPでは3位入賞。シーズン4度目となる表彰台に上がった。この結果、サインツはドライバーズランキングでランド・ノリス、僚友シャルル・ルクレールを抜いて土壇場で総合5位に浮上し、フェラーリ1年目からルクレールを上回る成績を残した形に。

サインツは母国スペインに戻り、エストレーリャ・デ・ガリシアのイベントを通じて今季の戦いぶりについて語った。その言葉を『MARCA』が伝えている。

「今季は（フェラーリのお膝元）イタリアで初めて生活したシーズンとなった。今まで知らなかったエンジニアやフェラーリのスタッフと会い、多くのことを学んだよ。イタリアにいたからこそできた経験も多々ある」

「実際にイタリアで生活を送り、フェラーリの文化について学ぶ機会がとても多かった。とても夢中になったよ。その点で言うと、自分はより完璧なドライバーに近づいたと言えるんじゃないかな」

「イタリアの文化はやっぱりとても独特でインパクトがある。それこそイタリアの製品、パスタやピザは僕ら（スペイン人）を脅かすほど定着しているよね」

フェラーリは在籍シーズンの長いルクレールがエースドライバーと目されるが、サインツはその座を脅かす躍進を見せた。その点について「フェラーリはどちらが先行するとか、チームオーダーの優先順位はないよ」と語っている。

「フェラーリにとって重要なことは、僕とシャルルの2人ともしっかりポイントを獲得する安定感だと思う。均一なレベルで多くのポイントを手にするということは、チームにとって大きなプラスだ。（コンストラクターズ4位の）マクラーレンを上回った理由の一つとして、やはり2人で高いレベルを維持したという点が決め手になった」

サインツはアブダビGP終盤、セーフティーカー明けのファイナルラップでタイトルが決したことについても自身の見解を示している。

「もし自分がタイトルに関わる立場だったら、最後は3周ほどの周回で勝敗を決したかっただろうね。劇的な結末にはなったけど、セーフティーカーのタイミングは妥当だったし、十分に公平だったようにも思える。今のルールではあそこで赤旗にして、仕切り直す決断はできなかったんだろう」

「例えばタイヤバリアの修復とか、安全面の確保など時間を要する状況でなければ赤旗にはならないだろうからね。ただ、いろんな見方があるのも理解できるし、F1はレーサーにとってもそうだし、ファンから見ても公平であるべきで、そのためにはあらゆることを検討していく必要があると思う」

そしてスペイン人ドライバーはレギュレーションの変わる2022年シーズン、フェラーリに3季ぶり勝利のチャンスがあるのではないかと期待を寄せている。

「新しいマシンについては開発が進んでいて、シミュレーターを通してその特徴を学んでいる。これまでのマシンとは大きく異なり、ドライビングが難しいクルマになる。ただ、バランスはいいし、速いマシンになると期待しているよ。引き続き開発に携わりつつ、少しでも勝てるクルマに仕上がるよう取り組みたい」

2021年は164.5ポイントを手にして総合5位でシーズンを終えたサインツ。このポジションはレッドブル、メルセデスの4人に次ぐ好成績となる。

レギュレーションの変わる2022年は各チームの勢力図がどうなるのかまだ不明瞭だが、名門フェラーリは2019年シーズン以来となる勝利を収めることができるのか。F1キャリアでまだ未勝利のサインツが、初めて表彰台の頂点に立つことになるかもしれない。

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