7度王者ミハエルの愛息子
1999年生まれのミック・シューマッハは言わずと知れた7度（1994年～1995年、2000年～2004年）のワールドチャンピオン、ミハエル・シューマッハを父に持つサラブレッド。
幼少期から両親に連れられてサーキットに姿を見せていたこともあり、必然的にモータースポーツの世界を志すようになる。2008年よりカートレースでキャリアをスタートさせることになるが、シューマッハというあまりにも著名な姓を持つことから、母親の旧姓を使用しミック・ベッシュという登録名で腕を磨いていたという。
ミックはカートレースでトップレベルの争いを繰り広げる。そして2015年からはADAC・F4選手権選手権に参戦し、本格的にフォーミュラーカーでのキャリアを歩み始めた。シングルシーターへの挑戦とともに、本名であるミック・シューマッハの登録名に直すことに。それ以降はより大きなプレッシャーを浴びながらも才能を示し、さらなる成長を遂ていった。
F4から徐々にステップアップ
2015年はF4で総合10位となり、翌2016年はイタリアの名門プレマからイタリアF4参戦を果たす。ここではシリーズ2位でシーズンを終えた。F3にステップアップした2017年は、プレマからヨーロッパ・フォーミュラ3に挑戦する。だがF3での初年度は総合12位と本領を発揮できずに終わってしまう。
同カテゴリー2年目の2018年はシーズン8勝をマークし、ポイントランキング独走で総合優勝を果たした。同年の終了時にはF1レースに必要なスーパーライセンスポイント取得を満たしたものの、結果的に飛び級でのF1昇格とはならず、翌2019年からはF1直下のカテゴリーであるF2へ身を投じる事になった。
F2でも2年目から本領発揮
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2019年1月、ミックはフェラーリ・ドライバー・アカデミー(FDA)に籍を置くこととなった。父ミハエルはメルセデスの育成プログラム（※カール・ヴェンドリンガー、ハインツ＝ハラルド・フレンツェンとともに当時はメルセデス三羽ガラスとも称された）を経てトップレーサーとなった。メルセデスからもミックには声がかかっていたとされるが、結果的には父がF1で成功を手にしたフェラーリへの恩義を選択した形に。
だがミックはプレマ・レーシングからF2参戦となった2019年、タイトル争いに絡むことはできず。ハンガリーのスプリントレースで1勝をマークしたのみで、年間12位に終わった。
迎えた2年目の2020年は序盤はカラム・アイロット、ロバート・シュワルツマンらがポイントを先行する中、シューマッハは出遅れる形に。だがハンガロリンクで行われたレース1、レース2ではともに3位フィニッシュを果たし、ここから着実にポイントを積み重ねていくレース巧者ぶりを磨き上げていった。
モンツァとソチで行われたフィーチャーレースで2勝のみながら、着実にポイントをもぎ取るスタイルで年間215ポイントを獲得し、2020年のF2年間王者に輝いている。
シューマッハの名がF1にカムバック
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2020年、ニュルブルクリンクで行われたF1のアイフェルGPでは、アルファロメオからフリー走行1回目でF1マシンを駆って公式セッションへと挑む予定だった。だが金曜のニュルブルクリンクは濃霧によりドクターヘリが飛べない状態となったため、コース走行が不可能なままFP1は終了。ミックのF1公式セッションデビューは先送りになってしまった。
このグランプリでは決勝でルイス・ハミルトンがF1通算91勝を到達。これはミハエル・シューマッハの歴代記録に並ぶもので、アイフェルGPの表彰式直前にはハミルトンの91勝を祝して、ミハエルのヘルメットを愛息子ミックがハミルトンに手渡すというセレモニーが行われた。ちなみに同シーズン、ハミルトンはF1歴代勝利数を単独トップの95まで伸ばしている。ワールドチャンピオンの回数でも、ミハエルの7度に並んだ。
そしてF2最終戦、バーレーン2を前にした12月2日、ミック・シューマッハは2021シーズンよりハースのシートに収まることが公表された。
2021年はテールエンダーも才能を示す
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2021のハースは開発よりも規定の変わる2022年に向けた準備にプライオリティを置いたため、マシンのポテシャルは10チーム中明確な最下位となり、ルーキーのシューマッハ＆ニキータ・マゼピンの2人にとっては厳しいシーズンとなった。
そんななかでもミックは僚友マゼピンと同じ条件ながら、予選ではほとんどのレースでロシア人ドライバーを圧倒。22レースを終え、マゼピンとの予選平均タイム差は0.915秒というデータも出ている。これは同じマシンを駆った条件としては大きく異るショートアタック結果と言えるだろう。そしてシューマッハは2度のQ2進出も果たしている。
結果としてシューマッハは2021年、決勝ではハンガリーGPの12位フィニッシュが最高位という結果で、ノーポイントでシーズンを終えた。
それでも将来のチャンピオン候補という評価は揺るぎなく、2022年はハースでレギュラードライバーを務める一方で、フェラーリのリザーブをアントニオ・ジョビナッツィと分割で兼任することも発表されている。
2021年の低迷を経てハースは規定の変わる2022年、テールエンダーを脱出できるのか。将来性も期待されるシューマッハがどのようなF1での2季目を送るのか、注目したい。
プロフィール
ミック・シューマッハ
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1999年3月22日生まれ｜ドイツ国籍｜ハース（2021～）
通算成績（2021年終了時点）
- 出走／22回
- 優勝／0回
- PP／0回
- FL／0回
| 年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
|---|---|---|---|
| 2021年 | ハース | 0勝 | 19位 |
2021年の成績
- 年間：0ポイント／19位
- 優勝／0回
- PP／0回
- FL／0回
| レース名 | 決勝順位 |
|---|---|
| 第1戦バーレーンGP | 16位 |
| 第2戦エミリア・ロマーニャGP | 16位 |
| 第3戦ポルトガルGP | 17位 |
| 第4戦スペインGP | 18位 |
| 第5戦モナコGP | 18位 |
| 第6戦アゼルバイジャンGP | 13位 |
| 第7戦フランスGP | 19位 |
| 第8戦シュタイアーマルクGP | 16位 |
| 第9戦オーストリアGP | 18位 |
| 第10戦イギリスGP | 18位 |
| 第11戦ハンガリーGP | 12位 |
| 第12戦ベルギーGP | 16位 |
| 第13戦オランダGP | 18位 |
| 第14戦イタリアGP | 15位 |
| 第15戦ロシアGP | Ret. |
| 第16戦トルコGP | 19位 |
| 第17戦アメリカGP | 16位 |
| 第18戦メキシコGP | Ret. |
| 第19戦サンパウロGP | 18位 |
| 第20戦カタールGP | 16位 |
| 第21戦サウジアラビアGP | Ret. |
| 第22戦アブダビGP | 14位 |
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チーム・ドライバー
日程・番組表
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | バーレーンGP | 3月18日（金） ～19日（土） | 3月20日（日） |
| 第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日（金） ～26日（土） | 3月27日（日） |
| 第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日（金） ～4月9日（土） | 4月10日（日） |
| 第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日（金） ～ 23日（土） | 4月24日（日） |
| 第5戦 | マイアミGP | 5月6日（木） ～7日（土） | 5月8日（日） |
| 第6戦 | スペインGP | 5月20日（金） ～21日（土） | 5月22日（日） |
| 第7戦 | モナコGP | 5月27日（金） ～ 28日（土） | 5月29日（日） |
| 第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日（金） ～11日（土） | 6月12日（日） |
| 第9戦 | カナダGP | 6月17日（金） ～ 18日（土） | 6月19日（日） |
| 第10戦 | イギリスGP | 7月1日（金） ～ 2日（土） | 7月3日（日） |
| 第11戦 | オーストリアGP | 7月8日（金） ～9日（土） | 7月10日（日） |
| 第12戦 | フランスGP | 7月22日（金） ～23日（土） | 7月24日（日） |
| 第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日（金） ～ 30日（土） | 7月31日（日） |
| 第14戦 | ベルギーGP | 8月26日（金） ～ 27日（土） | 8月28日（日） |
| 第15戦 | オランダGP | 9月2日（金） ～3日（土） | 9月4日（日） |
| 第16戦 | イタリアGP | 9月9日（金） ～ 10日（土） | 9月11日（日） |
| 第17戦 | シンガポールGP | 9月30日（金） ～10月 1日（土） | 10月2日（日） |
| 第18戦 | 日本GP | 10月7日（金） ～ 8日（土） | 10月9日（日） |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月21日（金） ～ 22日（土） | 10月23日（日） |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月28日（金） ～ 29日（土） | 10月30日（日） |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月11日（金） ～ 12日（土） | 11月13日（日） |
| 第22戦 | アブダビGP | 11月18日（金） ～ 19日（土） | 11月20日（日） |