中嶋一貴氏「鳥肌が立った」盟友アロンソの7年ぶりF1表彰台を祝福…同僚への無線“ライオンのように守れ”は「彼らしい」｜WEDNESDAY F1 TIME

レーシングドライバーの中嶋一貴氏が、カタールGPについて言及している。F1において7年ぶりの表彰台となった元チームメイト、フェルナンド・アロンソについても自身の見解を示した。『WEDNESDAY F1 TIME #36』で語っている。

カタールGPではルイス・ハミルトンがポール・トゥ・フィニッシュで完勝した一方、予選2番手のマックス・フェルスタッペンは予選黄旗無視の5グリッド降格ペナルティが科される。だがその苦境をものともせず、オランダ人ドライバーは7番手スタートから2位＆ファステストラップにより、19ポイントを手にした。

中嶋氏は「優勝争いといったところではハミルトンに付け入るスキがなかったな、という印象はありますね。コンストラクターズということを考えると（バルテリ）ボッタスと（セルジオ）ペレスで明暗が分かれたりとか。タイヤのトラブルで戦略を変えたり、考えどころ、見どころの多いレースだったと思います」と第20戦カタールGPについて振り返った。

アルファタウリ勢が予選まで良かったにもかかわらず、決勝ではレースペースが上がらず。そのうえタイヤの消耗が激しいという状況となり、2ストップ戦略で順位を大幅に下げてしまった。

その点については「タイヤの状況によって路面への食いつきが変わるので。ダウンフォースが少ない状況でもニュータイヤであればタイムが出せる。でもタイヤがすべり、タイヤの落ちも早くなります。決勝では思っていた以上にオーバーテイクがしやすい状況だったので、タイヤが厳しいとレースも厳しい」と述べた。

カタールGPではアロンソがソフトタイヤの第1スティントでハイペースで周回しながらロングランを敢行するワンストップ作戦に出た。レース終盤には後方から迫るセルジオ・ペレスを察知して、僚友エステバン・オコンに無線を通じて「ライオンのように死守してくれ」と鼓舞するシーンも。結局2ストップ戦略を選択したペレスの猛追を許さず、アロンソは3位表彰台に上がった。これは2014年ハンガリーGP以来となる、F1における7年ぶりの表彰台となる。

ル・マン24時間レースやFIA世界耐久選手権ではアロンソとチームメイトになり、アロンソとのセットで2度ル・マン王者となった中嶋氏はアロンソのカタールGP3位入賞について「本当にびっくりしましたね」と語りつつ、こう続けた。

「F1に復帰して最初のうちは苦戦していたと思いますけど、シーズン中盤から彼らしい走りが見られるようになってきていて。ここにきて目の前に大きな結果がぶら下がっているときの彼の集中力と、あとはオコンへの無線もありましたけど、使えるものはなんでも使ってやるという気持ちの強さが“らしい”な、と」

「それをまとめ上げて最後表彰台に立ったことには、僕も鳥肌が立ちましたね」

ル・マンでともに戦ったこともあり「無線の感じはちょっと“らしい”なと思いました。ライオンみたいに守れって言うのはどういうこっちゃ？と思いましたけど、意味は伝わりますよね（笑）。あの言い方も“らしい”なと。オコンがそれに応えられたかどうかは怪しかったですが」とスペイン人ドライバーのキャラクターについて説明した。

今季は残すところ2戦。この後の展開については「気が抜けない残り2戦ですね。特にサウジ（アラビア）については壁が非常に近いので。いろんなことが起こりうるサーキットですね。（市街地コースの）アゼルバイジャンに近いようなサーキットなのかなと思う。気が抜けないですよね。ないだろうと思えるようなことも起こるのがレースなので。何が起こるのか最後まで見守りたい」と終盤戦のサウジアラビアGP、アブダビGPに期待を寄せた。

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