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【コラム】第9回「ハミルトンから戦士の顔が消えた?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第9回「ハミルトンから戦士の顔が消えた?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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7度の王者ハミルトン、今季は追う立場になり状況が大きく変化

車体規約がガラリと変わった今季、タイトル争いはレッドブルとフェラーリによる一騎討ちの様相を見せています。フェラーリは第3戦オーストラリアGPで勝利したのを最後に直近6レース全敗とかなり苦しい展開ですが、このままレッドブルが独走することはないでしょう。

一方で絶対王者として君臨してきたメルセデスは今年ここまで、優勝争いに一度も絡めずにいます。それでも3位表彰台に5回上がっていますから、「王者転落」と言うほどではない。とはいえここまでの9戦で0勝。勢力図が去年から大きく変わったことは確かです。

2022-06-25 Hamilton Mercedes F1 Formula 1Getty Images

そんな状況は、前人未到となる8回目のタイトル獲得を狙っていたルイス・ハミルトンにとっては、さぞ無念の展開のはずです。

ところがパドックとか会見の様子を見る限り、むしろリラックスしている感じなのが、僕にはかなりの違和感でした。

6月18日より配信されている『Saturday F1 LAB -Off the Cockpit- #7』アゼルバイジャン編でも少し触れましたが、あの週末はあまりにひどい縦揺れによる激痛で、レース直後ハミルトンはコクピットからしばらく出られないほどでいた。

ところが直後の囲み取材では、「あんなにひどいクルマは乗ったことがない」というコメントとは裏腹に、表情自体は終始笑顔でした。

2022-06-25 Hamilton Mercedes F1 Formula 1Getty Images

そして翌週のカナダGPの会見では、「モントリオール市内のレトロゲームショップで、子供時代に熱中したセナのゲーム(アイルトン・セナ スーパーモナコGP II/1992年発売)を見つけて毎晩楽しんでいる」と語り、自身のインスタグラムにその様子を上げてます。これがまた、実に穏やかな表情のハミルトンなんですね。

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5月のスペインGP辺りまでは、レース戦略で自分が相応の扱いを受けてないと、昇格していきなり速さを見せるチームメイトのジョージ・ラッセルを意識した文句が無線で何度も流れました。

しかし今では(少なくとも我々の聴ける範囲では)非難や愚痴めいた無線はすっかり影を潜めています。フリー走行でも率先して自分のマシンに実験的なセッティングを試させたりと、まるで人が変わったようです。

もちろんハミルトンにしてみれば、マシン戦闘力を少しでも上げて2強に追いつきたいと必死なのでしょう。しかしそこには同時に、自分が今季のタイトルを獲得できる可能性はもはや限りなく少ない、と冷静に捉えているもう一人のハミルトンもいるような気がします。

2022-06-25 Hamilton Mercedes F1 Formula 1Getty Images

思えばハミルトンがF1デビューしたのは、今から15年前の2007年。以来、新型コロナ感染で欠場した2020年第16戦サクヒールGPを唯一の例外に、通算297レースを戦ってきた、とんでもなく長命のアスリートです。

しかもデビュー年からずっと優勝争い、タイトル争いのプレッシャーにさらされながら、ミハエル・シューマッハに並ぶ最多タイトル獲得を始め、最多勝、最多ポールポジション、最多ポール・トゥ・ウィンなどなどの大記録を打ち立ててきました。

その中にはデビュー以来全15シーズンで、最低でも一度は勝っているという、これまで誰も達成していない記録も含まれています。確かにここ数戦のメルセデスの復調ぶりは著しいですが、まだ2強を実力で打ち破るほどの純粋な戦闘力は備えていないと言わざるを得ません。なのでこのままだとその連続記録も、今年ついに途絶えてしまうかもしれない。

2022-06-25 Hamilton Mercedes F1 Formula 1Getty Images

ただ、次戦イギリスGPでメルセデスはかなり大きなアップデートを投入するようですし、そこで一気に上位3チームの力関係が変化する可能性はあります。

ハミルトンがまた無線でガンガン文句を言うようになって、かつての鋭い視線を僕らに投げるようになるのか。それもシルバーストンでの楽しみにしたいと思います。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

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【レース情報】
F1  第10戦:イギリスGP※日本時間
7月1日(金)21:00~フリー走行1回目
7月2日(土)0:00~フリー走行2回目
7月2日(土)20:00~フリー走行3回目
7月2日(土)23:00~予選
7月3日(日)23:00~決勝

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月18日(金) ~19日(土)3月20日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月25日(金) ~26日(土)3月27日(日)
第3戦オーストラリアGP 4月8日(金) ~4月9日(土)4月10日(日)
第4戦エミリア・ロマーニャGP 4月22日(金) ~ 23日(土)4月24日(日)
第5戦マイアミGP 5月6日(木) ~7日(土)5月8日(日)
第6戦スペインGP 5月20日(金) ~21日(土)5月22日(日)
第7戦モナコGP 5月27日(金) ~ 28日(土)5月29日(日)
第8戦アゼルバイジャンGP 6月10日(金) ~11日(土)6月12日(日)
第9戦カナダGP 6月17日(金) ~ 18日(土)6月19日(日)
第10戦イギリスGP 7月1日(金) ~ 2日(土)7月3日(日)
第11戦オーストリアGP 7月8日(金) ~9日(土)7月10日(日)
第12戦フランスGP 7月22日(金) ~23日(土)7月24日(日)
第13戦ハンガリーGP 7月29日(金) ~ 30日(土)7月31日(日)
第14戦ベルギーGP 8月26日(金) ~ 27日(土)8月28日(日)
第15戦オランダGP 9月2日(金) ~3日(土)9月4日(日)
第16戦イタリアGP 9月9日(金) ~ 10日(土)9月11日(日)
第17戦シンガポールGP 9月30日(金) ~10月 1日(土)10月2日(日)
第18戦日本GP 10月7日(金) ~ 8日(土)10月9日(日)
第19戦アメリカGP 10月21日(金) ~ 22日(土)10月23日(日)
第20戦メキシコGP 10月28日(金) ~ 29日(土)10月30日(日)
第21戦サンパウロGP 11月11日(金) ~ 12日(土)11月13日(日)
第22戦アブダビGP 11月18日(金) ~ 19日(土)11月20日(日)