経歴
ザウバーからF1デビュー
2001年、ザウバーからF1デビューを果たしたキミ・ライコネンは当初、期待度の高い若手ではなく、周囲は懐疑的な目で見る向きが大きかった。フォーミュラカーでの経験はフォーミュラ・ルノーのみでそこまで場数を踏んでおらず、F3を経由せずF1に飛び級出走したこともあり、4戦限定の特殊ライセンスだった。
だがデビュー戦のオーストラリアGPでは6位入賞を果たして結果を残し、正式にF1のスーパーライセンスが発行される運びに。この年、ライコネンはデビューシーズンながら9ポイントを手にしてドライバーズランキング10位でシーズンを終えている。
迎えた2002年はマクラーレン・メルセデスのレギュラードライバーに抜てき。前年をもってチームを離脱していた同胞フィンランドの先輩、ミカ・ハッキネンの穴埋め役という形で名門のシートに収まることとなった。
ライコネンはマクラーレンにおいて初年度の2002年こそ未勝利、ドライバーズランキング6位でシーズンを終えたが、2003年は第2戦マレーシアGPでF1キャリア初優勝を果たすと、10度3位表彰台を経験し、わずか1勝ながら年間2位でシーズンを終えた。なお、ワールドチャンピオンのミハエル・シューマッハは6勝をマークしているが、1勝のライコネンとは2ポイント差と、僅差での決着だった。
この後2004年は低迷し、1勝をマークしたが7位でシーズンを終えると、2005年はルノーが台頭した中でフェルナンド・アロンソとタイトル争いを展開し、7勝をマークしながらドライバーズランキング2位となった。7勝は王者アロンソと同じ勝利数であり、タイトルを獲得できなかったドライバーの年間最多勝記録(当時)でもあった。
期待された2006年はマクラーレンのマシンが不安定だったこともあり、未勝利の年間5位でシーズンを終えた。翌2007年からフェラーリへ移籍することとなった。
フェラーリでは初年度でビッグタイトル
迎えた2007年はフェラーリ最初のレースとなった開幕戦オーストラリアGPを制す。この年は上位争いが激化し、タイトルの行方はアロンソ、この年がデビューイヤーのルイス・ハミルトンとの三つ巴の構図となった。最終戦ブラジルGPをライコネンが制し、アロンソ、ハミルトンの2人とはともに1ポイント差という接戦でドライバーズタイトルを獲得した。フィンランド人としてはケケ・ロズベルグ、ハッキネンに続く3人目の王者となった。
念願のドライバーズタイトルを手にしたライコネンだったが、2008年は3位、2009年は6位でシーズンを終え、翌年フェラーリはアロンソを迎え入れるためにライコネンとの契約を解除。ライコネンはマクラーレンの復帰を画策していたが2009年王者ジェンソン・バトンの加入が先に決まり、ライコネンは結果的にF1に背を向け、WRCへと新天地を求めることになった。
WRCでは表彰台に立てずF1帰還
WRCでユハ・カンクネン、トミ・マキネンなど複数のワールドチャンピオンを生み出していることもあり、ラリーは祖国フィンランドでメジャーなレースコンペティション。ライコネンのWRC参戦は大きく注目を集めた。
このシーズンの第3戦ヨルダン・ラリーでは初ポイントを獲得。だがその後表彰台に手の届く順位には及ばず、2010年、2011年とともにWRCではドライバーズランキング10位でシーズンを終えている。
WRCフル参戦は2年でピリオドを打ち、ライコネンは2012年、ロータスからF1に復帰することが決定した。ロータスではこの年アブダビGPで1勝をマークしているが、特筆すべきは20戦全レース決勝で完走を果たしたという安定感だろう。この年は3年ぶりのF1だったが、ポイントの取りこぼしがほとんどなくドライバーズランキング3位に入っている。翌2013年は開幕戦オーストラリアGPを制し、シーズン1勝で年間5位だった。
2014年からは古巣フェラーリに復帰。だがフェラーリはここからシーズンによって浮き沈みがあり、ライコネンは12位、4位、6位、4位と2017年までの4年間はポディウムの頂点に立てないシーズンが続いた。だが2018年はアメリカGPで1勝をマークし、ハミルトン、同僚セバスチャン・ベッテルに続く年間3位でシーズンを終えた。
2019年、ライコネンは古巣ザウバーが前身となるアルファロメオに加入。非力なマシンながらも経験と勝負度胸でカバーし、43ポイントを手にして年間12位でシーズンを終えている。2020年、ライコネンはアルファロメオでの2シーズン目に挑むも、上位争いに食い込むことは難しく、シーズン通して入賞は2度のみ。4ポイントで16位はキャリアワーストの記録となった。
それでもその腕はまだまだ錆びついておらず、円熟の境地にある。ポルトガルGPでは16番手スタートながら、ポテンシャルが高いとは言えないアルファロメオのマシンであれよあれよとライバルたちを抜いていき、オープニングラップだけで7番手まで浮上するという離れ業をやってのけた。このオーバーテイク連発はFIA(国際自動車連盟)のアクション・オブ・ザ・イヤーに選出されている。
2021年に42歳となる大ベテランは、アルファロメオ移籍後初となる表彰台に上がることはできるのだろうか。
プロフィール
キミ・ライコネン
1979年10月17日生まれ|フィンランド国籍|ザウバー(2001)、マクラーレン(2002~2006)、フェラーリ(2007~2009)、ロータス(2012~2013)、フェラーリ(2014~2018)、アルファロメオ(2019~)
通算成績(2020年終了時点)
- 出走/329回
- 優勝/21回
- PP/18回
- FL/46回
- ドライバーズタイトル/1回(2007)
年 | チーム名 | 勝利数 | 年間成績 |
---|---|---|---|
2001年 | ザウバー | 0勝 | 10位 |
2002年 | マクラーレン | 0勝 | 6位 |
2003年 | マクラーレン | 1勝 | 2位 |
2004年 | マクラーレン | 1勝 | 7位 |
2005年 | マクラーレン | 7勝 | 2位 |
2006年 | マクラーレン | 0勝 | 5位 |
2007年 | フェラーリ | 6勝 | 1位 |
2008年 | フェラーリ | 2勝 | 3位 |
2009年 | フェラーリ | 1勝 | 6位 |
2012年 | ロータス | 1勝 | 3位 |
2013年 | ロータス | 1勝 | 5位 |
2014年 | フェラーリ | 0勝 | 12位 |
2015年 | フェラーリ | 0勝 | 4位 |
2016年 | フェラーリ | 0勝 | 6位 |
2017年 | フェラーリ | 0勝 | 4位 |
2018年 | フェラーリ | 1勝 | 3位 |
2019年 | アルファロメオ | 0勝 | 12位 |
2020年 | アルファロメオ | 0勝 | 16位 |
2020年の成績
- 年間:4ポイント/16位
- 優勝/0回
- PP/0回
- FL/0回
レース名 | 決勝順位 |
---|---|
第1戦オーストリアGP | Ret. |
第2戦シュタイアーマルクGP | 11位 |
第3戦ハンガリーGP | 15位 |
第4戦イギリスGP | 17位 |
第5戦70周年記念GP | 15位 |
第6戦スペインGP | 14位 |
第7戦ベルギーGP | 12位 |
第8戦イタリアGP | 13位 |
第9戦トスカーナGP | 9位 |
第10戦ロシアGP | 14位 |
第11戦アイフェルGP | 12位 |
第12戦ポルトガルGP | 11位 |
第13戦エミリア・ロマーニャGP | 9位 |
第14戦トルコGP | 15位 |
第15戦バーレーンGP | 15位 |
第16戦サクヒールGP | 14位 |
第17戦アブダビGP | 12位 |
関連記事
- 【2020】F1ドライバーズ&コンストラクターズランキングまとめ|F1
- 【2021】 F1カレンダー・日程|放送・配信|視聴方法|DAZN番組表
- 【2021】F1コンストラクターズ&ドライバーズのラインナップは?|F1
DAZNについて
DAZNなら好きなスポーツをいつでも、どこでもライブ中継&見逃し配信!今すぐ下の記事をチェックしよう。
● 【番組表】直近の注目コンテンツは?
● 【お得】DAZNの料金・割引プランは?
チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月26日(金) ~27日(土) | 3月28日(日) |
第2戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月16日(金) ~17日(土) | 4月18日(日) |
第3戦 | ポルトガルGP | 4月30日(金) ~5月1日(土) | 5月2日(日) |
第4戦 | スペインGP | 5月7日(金) ~ 8日(土) | 5月9日(日) |
第5戦 | モナコGP | 5月20日(木) ~22日(土) | 5月23日(日) |
第6戦 | アゼルバイジャンGP | 6月4日(金) ~5日(土) | 6月6日(日) |
第7戦 | フランスGP | 6月18日(金) ~ 19日(土) | 6月20日(日) |
第8戦 | シュタイアーマルクGP | 6月25日(金) ~26日(土) | 6月27日(日) |
第9戦 | オーストリアGP | 7月2日(金) ~ 3日(土) | 7月4日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月16日(金) ~ 17日(土) | 7月18日(日) |
第11戦 | ハンガリーGP | 7月30日(金) ~31日(土) | 8月1日(日) |
第12戦 | ベルギーGP | 8月27日(金) ~28日(土) | 8月29日(日) |
第13戦 | オランダGP | 9月3日(金) ~ 4日(土) | 9月5日(日) |
第14戦 | イタリアGP | 9月10日(金) ~ 11日(土) | 9月12日(日) |
第15戦 | ロシアGP | 9月24日(金) ~25日(土) | 9月26日(日) |
第16戦 | トルコGP | 10月8日(金) ~ 9日(土) | 10月10日(日) |
第17戦 | アメリカGP | 10月22日(金) ~ 23日(土) | 10月24日(日) |
第18戦 | メキシコGP | 11月5日(金) ~ 6日(土) | 11月7日(日) |
第19戦 | サンパウロGP | 11月12日(金) ~ 13日(土) | 11月14日(日) |
第20戦 | カタールGP | 11月19日(金) ~ 20日(土) | 11月21日(日) |
第21戦 | サウジアラビアGP | 12月3日(金) ~ 4日(土) | 12月5日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 12月10日(金) ~ 11日(土) | 12月12日(日) |