1949年生まれ、ニキ・ラウダはF1で3度の王者となった。1975年、1977年はフェラーリで。一度引退を経て1984年はマクラーレン・TAGターボで7年ぶりに頂点に立った。
だがラウダのレース人生を語るのなら、1976年のアクシデントが大きな区切りとなるだろう。1976年8月1日にニュルブルクリンクで行われたドイツGPで、ラウダはレインタイヤでスタートしたものの、路面状況を見越してスリックタイヤへと変更。だがこのあと、ラウダのフェラーリ312T2は高速コーナーでコントロールを失い、フェンスに激突しマシンは炎上。ラウダはこの時、衝突の衝撃でヘルメットが脱げ、マシンの中に閉じ込まれた。
他のドライバーやマーシャルの救助によりラウダはマシンから救い出され、マンハイムの病院に緊急搬送された。だが顔は溶け、高熱の有害ガスを吸い込んだことから肺も焼けるという大きなダメージを負った。ラウダはその時のことを「最後の祈りを捧げる人物も来ていたようだ」と振り返っている。
ラウダは再起不能とも目されたが、2戦欠場した後、約1カ月後のイタリアGPで早くも復帰。“不死身の男”、“不死鳥”と言われたゆえんがここにある。生命の危機を脅かす大事故を経て、ラウダはドライビングスタイルが大きく変わったと言われる。1975年に年間王者のタイトルを獲得していたように、速さはすでに証明済みだった。だが一発の速さがありながらも、リタイヤの数も多かったという。事故から生還後は速さをキープしながらも着実に走行し、しっかりとポイントをもぎ取るタイプへと変ぼうを遂げた。
1976年の最終戦、F1世界選手権イン・ジャパンも語り草となっている。年間王者が懸かっていたラウダは予選3番手で決勝を迎えるが、富士スピードウェイは豪雨による最悪のコンディションとなっていた。中止を訴える声も多かったが決勝レースは強行となり、ラウダは2周走ったのみでレース続行を拒否。結果として3位に入ったマクラーレン・フォードのジェームズ・ハントが1ポイント差でラウダを上回り、1976年の年間王者に輝いた。
ラウダは雨のドイツGPで大事故を経験したからこそ、富士でのレースを拒否し、年間タイトルを逃す結果となった。なお、ラウダと好敵手ハントの物語は後に、2013年公開の映画『ラッシュ/プライドと友情』で描かれている。
1977年にフェラーリで2度目のタイトルを獲得し、1979年をもって引退を発表。この後ラウダ航空を立ち上げ、実業家としても手腕を振るった。だが1982年、マクラーレンのロン・デニスから誘いを受け現役復帰を果たしている。同チームでは1984年に3度目の王者となり、後にチャンピオンとなるアラン・プロストの師としても役割を担った。
ラウダは1985年をもって現役引退。2012年よりメルセデスのアドバイザーになり、近年ではF1のレース中継でも度々その姿がキャッチされていた。だが2018年より体調を崩し、治療に専念していたが2019年5月20日、現場復帰することはかなわずこの世を去った。享年70歳。2019年のモナコGPでは全ドライバーが『NIKI』のロゴが入った赤いキャップを被り、追悼セレモニーを行ったことは記憶に新しい。
そのラウダが生前語ったインタビューはファンならずとも必見の内容。DAZNで配信中の「Legend of F1 :ニキ・ラウダ」の視聴期限は、2020年4月30日までとなっている。
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日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | オーストリアGP | 7月3日(金) ~ 4日(土) | 7月5日(日) |
第2戦 | シュタイアーマルクGP | 7月10日(金) ~11日(土) | 7月12日(日) |
第3戦 | ハンガリーGP | 7月17日(金) ~18日(土) | 7月19日(日) |
第4戦 | イギリスGP | 7月31日(金) ~ 8月1日(土) | 8月2日(日) |
第5戦 | 70周年記念GP | 8月7日(金) ~ 8日(土) | 8月9日(日) |
第6戦 | スペインGP | 8月14日(金) ~15日(土) | 8月16日(日) |
第7戦 | ベルギーGP | 8月28日(金) ~29日(土) | 8月30日(日) |
第8戦 | イタリアGP | 9月4日(金) ~ 5日(土) | 9月6日(日) |
第9戦 | トスカーナ・フェラーリ1000GP | 9月11日(金) ~12日(土) | 9月13日(日) |
第10戦 | ロシアGP | 9月25日(金) ~ 26日(土) | 9月27日(日) |
第11戦 | アイフェルGP | 10月9日(金) ~ 10日(土) | 10月11日(日) |
第12戦 | ポルトガルGP | 10月23日(金) ~24日(土) | 10月25日(日) |
第13戦 | エミリア・ロマーニャGP | 10月31日(土) | 11月1日(日) |
第14戦 | トルコGP | 11月13日(金) ~ 14日(土) | 11月15日(日) |
第15戦 | バーレーンGP | 11月27日(金) ~ 28日(土) | 11月29日(日) |
第16戦 | サクヒールGP | 12月4日(金) ~5日(土) | 12月6日(日) |
第17戦 | アブダビGP | 12月11日(金) ~ 12日(土) | 12月13日(日) |