モータースポーツメディア『Racer』が、2021年限りでF1活動終了となるホンダについて「ホンダのF1撤退は時期を見誤ったのだろうか?」という見出しで、論じている。
2020年10月上旬、ホンダは2021年限りでF1の活動を終了すると公表。その決断によりレッドブルやアルファタウリのパワーユニットは2022年からどうなるのか、注目を集めていた。結果としてレッドブルグループは「レッドブル・パワートレイン・リミテッド」という会社を設立し、2022年以降もホンダのパワーユニットを引き継いで使用していくこととなった。
そして新シーズンの開幕戦、バーレーンGPではレッドブルが王者メルセデスに匹敵するほどの力を見せており、アルファタウリも昨季の中団下位ではなく、マクラーレンやフェラーリとの3番手争いを期待させるポテンシャルを示した。ホンダにとっては第4期最終年で、ビッグタイトル奪取を予感させるような戦いぶりとなっている。
アメリカの専門メディア『Racer』に寄稿しているイギリス人ジャーナリスト&著名リポーター、クリス・メドランド氏はこの現状を踏まえ「ホンダはF1活動終了を後悔し、覆すことはあるのだろうか」として、ホンダのF1活動終了に見解を示した。
「この決定に疑問符が付く大きな理由は2つある。まず、ホンダはついにレッドブルのシャーシでチャンピオンシップの頂点に立つ可能性が高いということ。そしてもうひとつの理由は、角田裕毅という存在だ。彼は近年F1に参戦した中で、最もエキサイティングなルーキーと言える」
「ホンダにとって最悪のシナリオは、角田が大きな競争力を備え、今後レッドブルに昇格することだろう。日本のドライバーがチャンピオンシップを狙える位置へ至った時(それにはマックス・フェルスタッペンがレッドブルから離れる必要があるだろうが)、ホンダはすでにF1からいなくなっているのだ。もちろんその可能性は現時点で高くないように見える。そしてそれは最良の結果でありながら、最悪のストーリーのようにも思えるのだ」
ホンダが第3期の活動を休止した2008年の発表についても「ホンダは2008年、世界的な金融危機を理由にF1から撤退をすることになった。その発表は2008年12月上旬というタイミングで行われ、新たに引き継ぐチームを見つけることさえ苦労した」と振り返った。
「結果的にその役割を担ったのが、当時のプリンシパル兼チーム代表だったロス・ブラウンだ。その直後、ブラウンGPとなった2009年のチームに何が起こったのか、F1ファンなら誰もが知っていることだろう」
「ブラウンGPのチャンピオンマシンはホンダがデザインしたマシンだった。もちろんパワーユニットがなくなってしまったことから、搭載していたエンジンはホンダではなく、メルセデスだった。それでもあのシャーシは間違いなく傑作だった。ドライバーズ&コンストラクターズタイトルの獲得チャンスを、ホンダは直前で逃した可能性が高いのだ」
「12年が経過し、ホンダは再びF1から離脱することを発表した。だが以前とは状況がちょっと異なる。そのパワーユニットの技術はレッドブルへと引き継がれ、ホンダがいなくなった後も、角田は引き続きそのエンジンでサーキットを走ることになるだろう」
そしてホンダのF1活動終了を惜しむ言葉で記事を締めくくった。
「ホンダのこれまでの歩みを見てきた一人のF1ファンとして、今回の決定は残念としか言いようがない。F1にホンダはいるべきだと考えているが、一企業として優先しなければならない事情もあるのだろう。彼らがその決断に至ったのなら、それは彼らにとってやむ無しでも進むべき道なのだ。ただ、その最終年でもしタイトルに手が届いたとしたら、その判断は誤りだったというより、完璧なタイミングのようにも思える」
2020年10月にホンダが2021年限りでのF1活動終了を公表し、それから2カ月後の2020年12月中旬、アルファタウリは角田裕毅が2021年のレギュラードライバーになると発表した。ホンダのF1撤退が公表されてから、日本人F1ドライバーが7年ぶりに生まれるという皮肉な状況に。
F1での歩みを終えることが決定しているホンダにとって、角田の躍進は喜ばしい話題でありながら、今後大きなジレンマになるとメドランド氏は懸念している。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月26日(金) ~27日(土) | 3月28日(日) |
第2戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月16日(金) ~17日(土) | 4月18日(日) |
第3戦 | ポルトガルGP | 4月30日(金) ~5月1日(土) | 5月2日(日) |
第4戦 | スペインGP | 5月7日(金) ~ 8日(土) | 5月9日(日) |
第5戦 | モナコGP | 5月20日(木) ~22日(土) | 5月23日(日) |
第6戦 | アゼルバイジャンGP | 6月4日(金) ~5日(土) | 6月6日(日) |
第7戦 | フランスGP | 6月18日(金) ~ 19日(土) | 6月20日(日) |
第8戦 | シュタイアーマルクGP | 6月25日(金) ~26日(土) | 6月27日(日) |
第9戦 | オーストリアGP | 7月2日(金) ~ 3日(土) | 7月4日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月16日(金) ~ 17日(土) | 7月18日(日) |
第11戦 | ハンガリーGP | 7月30日(金) ~31日(土) | 8月1日(日) |
第12戦 | ベルギーGP | 8月27日(金) ~28日(土) | 8月29日(日) |
第13戦 | オランダGP | 9月3日(金) ~ 4日(土) | 9月5日(日) |
第14戦 | イタリアGP | 9月10日(金) ~ 11日(土) | 9月12日(日) |
第15戦 | ロシアGP | 9月24日(金) ~25日(土) | 9月26日(日) |
第16戦 | トルコGP | 10月8日(金) ~ 9日(土) | 10月10日(日) |
第17戦 | アメリカGP | 10月22日(金) ~ 23日(土) | 10月24日(日) |
第18戦 | メキシコGP | 11月5日(金) ~ 6日(土) | 11月7日(日) |
第19戦 | サンパウロGP | 11月12日(金) ~ 13日(土) | 11月14日(日) |
第20戦 | カタールGP | 11月19日(金) ~ 20日(土) | 11月21日(日) |
第21戦 | サウジアラビアGP | 12月3日(金) ~ 4日(土) | 12月5日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 12月10日(金) ~ 11日(土) | 12月12日(日) |