マゼピン「最大のライバルはミック・シューマッハになるだろう」一方でF1初年度は苦戦も覚悟｜F1

プレシーズンテストを終え、ハースのニキータ・マゼピンが開幕に向けて照準を定めた。

マゼピンはロシア『Match TV』のインタビューを通じ、プレシーズンテストの報道で自身を批判したイギリス『BBC』について、否定的なコメントを発している。

「BBCのジャーナリストは、僕がテストで他のドライバーに攻撃的なドライビングを仕掛けたと主張したようだね。これはとても興味深い意見だ」

「自分は危険を招くようなことをテストでしていない。それに公式テストでのクラッシュは何を意味するのか。開幕まで限られている時間の多くが無駄になる。そのような重大な事態は避けないといけないはずだ」

マゼピンは自身を批判した報道について「僕はその意見には賛同しない。一部の専門家やジャーナリストは、外部の立ち位置であるにも関わらず、まるで自分たちがすべて正しいかのように主張するよね」と皮肉交じりで語っている。

ハース代表のギュンター・シュタイナー氏はテストの結果を受けて「今季はウィリアムズが我々より上に行くかもしれない」とメディアの前で語っていた。ハースは2020年年間9位。昨季最下位（10位）だったウィリアムズはプレシーズンテストで存在感を示したこともあり、新シーズンは名門ウィリアムズがテールエンダーから脱するのではとの見方もある。

マゼピンも「テストではハースと他チームとの力関係も分析していた。確かに今季は困難な状況になるかもしれない」と述べ、苦戦は避けられないと語った。

「最初のシーズンということもあり、まずはF1に順応することが最大の目標となる。選手権で突如速くなるようなアプローチはあり得ないからね。間違いを犯すことなく、少しずつ学んで進歩していくことが重要だ」

「まずデビューシーズンで最大のライバルはチームメート（ミック・シューマッハ）となるだろう。開幕後は可能な限り高いポジションでフィニッシュしたいと思っている」

2021年、ハースからF1デビューを果たすマゼピンは、下部カテゴリー時代から荒っぽいスタイルで知られ、サーキット内外で数多くの問題を起こしてきたことから、“問題児”のレッテルが貼られている状況だ。

チームメートのミック・シューマッハも同じくルーキー。だがドイツ人ドライバーは言わずと知れた7度のF1王者ミハエルの愛息子であり、世界中のモータースポーツファンから注目を集めている。2020年のF2ではミックがF2王者に輝き、現アルファタウリの角田裕毅がシリーズ3位。マゼピンは年間5位の成績だった。

自身のF1デビューシーズンは苦戦が不可避と見ているマゼピンだが、同僚ミックを上回ることに意欲を示している。果たしてロシアの“悪童”はF1のコンペティションにおいて、大きな成長を示すことができるのだろうか。