アルファタウリ代表「F1の未来はミック、角田裕毅、シュワルツマン」悪童マゼピンに懐疑的な見解｜F1

アルファタウリ代表フランツ・トスト氏が、F1ルーキーとなったニキータ・マゼピンについて、自身の見解を示している。

2021年、ハースからF1デビューを果たすニキータ・マゼピン（2020年F2・5位）。昨季F2で戦ったミック・シューマッハ（F2・1位）、角田裕毅（F2・3位）とともにF1へと昇格したが、昨年12月にはハースとの契約発表直後、『Instagram』で女性の胸を触るわいせつな動画をアップロードしたことで大きな問題となった。

ハースはこの行為について「忌まわしい」と糾弾したうえで、マゼピンには厳重注意。その一方、これまでのサーキット内外における素行の悪さも相まって「ハースはなぜこのようなドライバーと契約したのか」「カラム・アイロット（F2・2位）のほうがF1にふさわしい」「結局は金か」といった批判が殺到した。

その悪童マゼピンについて、アルファタウリのトスト代表はドイツメディア『アウト・モトール・ウント・シュポルト』に対して、F1で成功できるかどうか懐疑的な見方を示した。

「率直な意見を言わせてもらおう。残酷かもしれないが、牛から虎を生み出すことは無理だということだ。結局のところ、ドライバーはどれだけ優れたインテリジェンスを持っているかが重要なんだ。その要素がコックピットで瞬時に最適な判断を下すポテンシャルへと直結する」

「私もモータースポーツ界に長らく携わってきた。最終的にどのようなドライバーが勝者としてふさわしいのかを熟知しているつもりだよ。やはりそこに必要なのは知性なんだ。自分の行動がいかなる影響を及ぼすのか、それをよく理解しているかどうかが重要だね」

トスト氏はF1の未来を背負う若手は3人いると名前を挙げた。その中にハースのマゼピンはいないとしている。

「我々はこれから、F1で素晴らしいドライバーを見ることになるだろう。ミックとユウキ、そしてロバート・シュワルツマン（昨季F2・4位）だ。私はこの3人のドライバーをとても高く評価している。彼らがF1の未来を決定することになるだろう」

「ミックはマシンに乗り込んでも、危険なアタックをするタイプのドライバーではない。段階的にプッシュできる冷静さがあり、自分のものにしたうえでそのポテンシャルを最大限に引き出す。その力はF1において、とても重要な要素だ」

トスト代表は自チームの角田裕毅についても賛辞の言葉を贈った。

「ユウキは日本からやってきて、ヨーロッパのレース界に詳しくなかったにもかかわらず、しっかり順応した。カルチャーショックもあったと思う。彼はそれを振り払ってレースに集中し、見事な成長ぶりを見せたうえで最良の結果も出した」

「トラック内外で何をすべきか、よく分かっているドライバーだね。とりわけレースにおいてはブレーキングのセンスがピカイチだ。高速コーナーでは車体をどうコントロールすべきか、そのフィーリングも素晴らしい。我々のマシン（AT02）にある程度の競争力があった場合、彼はいくつかサプライズを起こすことになる。それを私は確信しているよ」

2021年、F1デビューを果たすルーキーはシューマッハと角田、そしてマゼピンとなっている。トスト代表はシューマッハと角田を高く評価している一方、マゼピンの資質については疑問を呈している。なお、昨季F2で4位だったシュワルツマンは2021年もF2残留となり、プレマ・レーシングでの2年目に挑む

マゼピンはロシア最大の化学薬品会社、ウラルケム社の会長であるドミトリー・マゼピン氏の御曹司。これまで前述のSNS騒動だけでなく、サーキット内ではライバルに対して高速走行中でもライン遮断の危険なブロックを見せてきたこともあり、ロシア人ドライバーのF1起用を決めたハースには批判が相次いでいた。

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