「セナが重なって見える」ホンダF1の山本雅史MD、モナコGP制覇のフェルスタッペンを称賛｜F1

ホンダF1のマネージングディレクター、山本雅史氏がホンダパワーユニットとしてのモナコGP29年ぶりの勝利に、喜びのコメントを発している。

2021年のF1第5戦、モナコGPはレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝。セルジオ・ペレスも中盤から順位を上げ、4位入賞を果たした。モナコGPでメルセデスのルイス・ハミルトンは7位、バルテリ・ボッタスがリタイアとなったため、第5戦終了時点でフェルスタッペンがドライバーズランキングのトップに浮上。コンストラクターズランキングでもメルセデスを1ポイント上回り、レッドブルが総合1位となっている。

モナコGPを終え、山本MDはホンダ・レーシングの公式メディアを通じて「Red Bull Racingのフェルスタッペン選手とともに、F1でも最も格式の高い伝統のモナコGPで、Hondaとして29年ぶりに勝利することができました！」と喜びのメッセージを綴っている。

「Honda F1のラストイヤーということで、応援して下さる皆さんの中にも、複雑な想いを抱きながらレースを見ていらっしゃる方がいるかもしれません。そういった皆さんに対しては本当に申し訳ないという一言ですし、私を含めプロジェクトに携わるメンバーも、全員が悔しく、残念な想いをもっています」

「ただ、同時に“ラストイヤーに絶対に歴史を作ってやるんだ”という強い覚悟と意地をもって、一つ一つのレースに臨んでいます。一つでも多く素晴らしいレースをお見せして、皆さんと一緒に喜びを共有したいという想いは、これまでにも増して一層強くなっています」

ホンダにとっては第2期のマクラーレン・ホンダ時代、アイルトン・セナがナイジェル・マンセルの猛追を振り切って優勝した1992年以来のモナコGP制覇となった。山本氏にとっても、今回は会心のモナコGPだったようだ。

「HondaとしてはモナコGPで1987年から92年まで6連覇を飾っており、そのうち5勝は数々のドラマを一緒に演じてきたアイルトン・セナ選手が挙げたものです。Hondaの黄金時代である第2期の象徴のような場所でもあるので、その頃の栄光に少しでも近づきたいという想いも、非常に強かったです」

「第2期のセナ選手以来のモナコでの勝利を挙げることができたのですが、私にはいつもフェルスタッペン選手とアイルトン・セナの存在が重なって見えています。走りもセナ選手に似たすごさを感じますし、Hondaにとっては非常に特別なドライバーです」

山本MDは「もう少し長いこと一緒に戦えたらという想いもありますが、それでも、今回彼にとってのモナコでの初勝利・初表彰台という特別な瞬間をサポートできたことは、本当に嬉しく思っています。まだ23歳と若いので、セナが残しているモナコでの6勝という記録に並び、追い越す可能性を十分に持っている」と述べ、オランダ人ドライバーがさらなる躍進を見せるはずと期待を寄せている。

山本氏は伝説のドライバーであるセナを想起するほど、レッドブルの現エース、フェルスタッペンに対して一目置いているようだ。