「日本人らしからぬ日本人ドライバー」アルファタウリ角田裕毅をオランダメディアが特集｜F1

アルファタウリの角田裕毅について『GP Today』オランダ版が特集記事を組んでいる。

オランダのモータースポーツジャーナリスト、レネ・オウドマン氏によるコラムで、日本人ドライバーのこれまでの歩みを踏まえつつ、角田裕毅がどのようなドライバーなのか注目した。

「最近、角田裕毅のニュースを聞くと、興味深く目で追っている。ビートルズのヘアカットをした小柄な日本人は、とても面白い存在だからだ」

「日本人はバンザイと書かれたハチマキを頭に巻き、切腹や神風が身近な文化であるかのように誤解されている。私は小さい頃、1990年代に片山右京や高木虎之介のような日本人F1ドライバーに注目していた。人によってはそこまでF1において印象的な名前ではないかもしれない。だが私にとっては確かなインパクトがあった。後に片山はル・マン24時間レース優勝目前でタイヤバーストにより2位に終わったこともあるし、高木はインディ500のルーキー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている」

筆者は一方で日本のレース界について「多くの日本人レーシングドライバーは、自国以外であまり走らない。日本のスーパーフォーミュラは国内メーカーが支えていて、F1にも劣らないコンペティションでもある。だが日本は独自のレース文化を形成していて、それは西欧のレースとは一線を画したものとなっている」と指摘している。

そのうえで角田については「角田は日本人らしからぬ日本人。彼は若くして国外にすぐさま順応した。言語や文化の知識を深く習得せずにヨーロッパ行きの飛行機に乗り、それからわずか2年でここまで上がってきてしまった」と、その成長ぶりと順応性に賛辞を贈っている。

「F3のレースで優勝した角田はヘルムート・マルコ（レッドブルのアドバイザー）から注目される存在となった。そしてレッドブルジュニアチームは彼をF2へと昇格させた」

「角田の場合、ホンダの後押しがあったとしても、そこまでF1昇格の決定打になったわけではない。レッドブルグループの一員として正攻法でF1まで上がったのであり、かつて中嶋悟や佐藤琢磨がそうだったように、パワーユニットのオプションでF1にいるわけではない。実際にホンダはF1界から間もなく去る事が決まっている（2021年限りでF1活動終了と公表済み）」

そして記事では「角田はレッドブルのプログラムをこなしており、チームも彼の能力を確信している。この日本人らしからぬ日本人は、遠くまで行くことができる」と締めくくり、新たな日本人F1ドライバーに期待を寄せている。

アルファタウリから2021シーズンにF1デビューを果たす角田裕毅。オランダメディアは客観的に現状を分析しつつ、これまでの日本人ドライバーとも異なる非凡な才能があると見ている模様だ。

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