ウィリアムズのラティフィ、新型FW44での躍進に意欲…一方で昨季アブダビGPクラッシュ後の苦労も口に「警護を付けていた」｜F1

2022年型の新マシンFW44を発表したウィリアムズ。同チームのニコラス・ラティフィが新マシンを早くもシルバーストンで駆り、新たなシーズンに向けて意欲を示している。

ウィリアムズは15日にFW44を発表し、すぐさまイギリスGPの舞台であるシルバーストン・サーキットでシェイクダウンを行った。ウェット路面だったこともありマシンのポテンシャルを大きく引き出せる状況ではなかったが、ラティフィは新規定に合わせて開発された新マシンの感触を確かめた。

ラティフィは「新しいレギュレーションで勢力図が変わるはずだ」と述べ、新シーズンの躍進に期待を寄せている。イギリス『Sky Sports』がその言葉を伝えた。

「プレシーズンはいつも、とても長い時間があるように感じる。この間、チームは開発に尽力して多くのハードワークを続けてきた。素晴らしい蓄積があって、ここまでやってきたと思う」

「今シーズンは規定が変わるし、これまでとは異なりはるかに前のポジションでレースをすることだって可能になるかもしれない。そうなってほしいとワクワクしているよ。ただ、実際に結果を出したいところだが、まだまだデータが足りないというのが現状だ。まずはテストで多くの周回を重ね、データを集めるところから頑張る必要があるね」

そしてローンチ走行終了後、ラティフィは昨季のアブダビGP後のことについて語った。同レースでは終盤の53周目にクラッシュを喫したことで、セーフティーカー導入となった。これがきっかけでファイナルラップでのマックス・フェルスタッペン逆転優勝のチャンスを生んだことから、殺害予告を受けていたという。本人はボディーガードを雇わざるを得なかったと明かしている。

「人によっては馬鹿げているように聞こえるかもしれないけど、どれだけ深刻な状況であったかを説明することは難しい」

「一人のファンが空港で酔っ払っていただけかもしれないけど、自分は危険を感じることがあった。100万人に1人はおかしな人物がいたりする。そういう人から危害を加えられるかもしれないと思ったんだ」

「（アブダビGPの）レースを終えて、数日後にロンドンへと戻った。でも何かをする時には常にセキュリティ（警護）を付けていたんだ。実際に脅迫や殺害予告のメッセージも受けていたし、何が起きてもおかしくない状況だった。自分としてはその脅威への対策を講じるしかなかったんだよ。僕らがいる世界の、不幸な部分だと思う」

ラティフィは「一方でSNSでは、僕に対してサポートしてくれた理解者も多くいた。この働きかけは素晴らしいものだったし、自分にとってはとても励みになった」と発言。詳細こそ明かさなかったが、土壇場で8度目のドライバーズタイトルを逃したハミルトンからも、励ましのメッセージを受けていたという。

「SNSは、もはやオンラインにおける言葉の虐待のような状況でもある。僕の一件だけにとどまらず、残念ながらこれは世界的な問題になっているんだ。本来ならSNSはとても素晴らしいコミュニケーションツール。通常ではあり得ない多くの接点をもたらしてくれるからね。でも同時に、とてつもないネガティブな状況を生むこともある。この問題を良くすることはとても難しいことなんだ。実現できたらとても素晴らしいことではあるけどね」

昨季はアブダビGPの終盤に思わぬ形で注目を集めたラティフィ。自身のクラッシュによってフェルスタッペンの逆転初タイトルを呼び込んだ形になり、その後の非難に対する対処にはかなりの苦労を強いられていた模様だ。

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