障害を乗り越え、L・ハミルトン弟がレースに挑む。密着『ニック・ハミルトン～Racing Dream～』

ここまで6度（2019シーズン終了時点）にわたってF1のドライバーズタイトルを獲得したルイス・ハミルトンには、7歳年下の弟がいる。1992年生まれのニック・ハミルトンは脳性麻痺の障害を生まれつき持っており、かつては車椅子生活を余儀なくされていた。

兄ルイスが初のF1年間王者となった2008年まで、ニックは車椅子でF1の現場に姿を見せていた。だが当時16歳ニックはこの年に車椅子生活を辞め、それ以降は自らの足で歩むことを決断した。

そんなニックだが、レーサーとしての素質は偉大な兄も認めるところ。幼い頃からレースゲームで腕を磨き“eスポーツ”であるレースゲームを通じ、兄ルイスは弟ニックにもレーシングドライバーとしての才能があると一目置いていたようだ。

そして2011年、ニック・ハミルトンは一人のドライバーとして「ルノー・クリオカップイギリス」に参戦することとなった。

両足が不自由であることから、通常のレーシングカーのペダルをそのまま操ることはできず、ハンドリングとペダル操作をカスタマイズした改造車を用意。ニックは厳しい競争の場へと身を投じた。この動画「【BBCドキュメンタリー】ニック・ハミルトン -Racing Dream」は2011年シーズンの1年間、その挑戦を追ったドキュメントとなる。

実際にレースの世界へ飛び込んだニックだったが、そのチャレンジは順風満帆とはいかなかった。新たな壁が立ちはだかった時、そこで支えになる家族の存在。愛息子に厳しく接する父親アンソニーの教え、母の証言などからハミルトン家の物語が浮き彫りとなってくる。また、ニックの挑戦は障害を持って生まれた人物が、ハンデを乗り越え健常者に挑むという、大きなテーマもはらんでいる。

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