ストロール、昨季最終ラップの再開裁定に不満「戦う権利さえ与えられなかった」自身はラップダウンもSC追い抜きが許されず｜F1

アストンマーティンのランス・ストロールが、昨季最終戦、土壇場でタイトルがひっくり返ったファイナルラップについて自身の見解を示している。

2021年シーズンのF1は全22戦中21戦を終え、マックス・フェルスタッペンとルイス・ハミルトンが369.5ポイントで並び、最終戦のアブダビGPでタイトルを決するという状況となった。アブダビGP決勝ではハミルトンがアドバンテージを示し、追いかける2位フェルスタッペンとしては終盤まで為すすべなしの状況となったが、53周目にニコラス・ラティフィがクラッシュすると状況が一変。

トップのハミルトンはトラックポジションを失う恐れがあることからそのままステイアウトした一方、2番手フェルスタッペンはすぐさまピットに入り、ソフトタイヤに交換。両者の差はほとんどなくなった状態でファイナルラップの58周目にグリーンフラッグとなり、ターン5でフェルスタッペンがハミルトンを抜いてトップに浮上。フェルスタッペンは土壇場でハミルトンを逆転し、初のドライバーズタイトルを手にした。この裁定にはレースディレクターのマイケル・マシ含めF1に対して批判の声も多く寄せられている。

ストロールはF1専門メディア『THE RACE』に対して「自分としては、従来どおりのレースとして再開されなかったことは馬鹿げていたと思う」と主張した。

「一部のクルマだけ追い抜きが許された。一方で僕は周回遅れの後方にいたグループで、パスすることが許されなかった。せっかく最後ソフトタイヤに履き替えたのに、戦う権利さえ与えられなかった形になったからね」

「あのような状況だったらラップダウンのクルマすべてに追い抜きが許されるべきだったんじゃないかな。ルールは一貫性を保つべきだと思う」

一方でフェルスタッペンvsハミルトンのバトルでシーズンを締めくくる必要があったことにも理解を示している。

「もちろんあのレースは誰もがファイナルラップで最終決着する場面を見たいと思っていたことだろう。世界選手権のために戦っている2人のドライバーが、最後のワンラップで激突した形にはなったからね。ただ、最後に特殊なルールを当てはめるようなことはしてほしくなかった。揺るぎない規定に則した裁定にしてもらいたい」

「セーフティカーが出て、一部のバックマーカーがセーフティカーを追い抜く認可が下されなかった。レースのラップ全体がうまくいかなかったことは事実だし、エラーがあったということは確かだからね」

「やっぱりF1のルールは一貫している必要があると思う。F1では時々、ペナルティとその裁定について一貫性がないことがあるんだ。そこは改善してもらいたい」

アブダビGP最後のグリーンフラッグ時、ストロールは周回遅れとしてフェルスタッペンの後方にいたが、ハミルトンとフェルスタッペンの間にいたラップダウンのマシン以外はセーフティーカーの追い抜きが許されず、ストロールはそのまま周回遅れで13位フィニッシュとなった。

このレースはセーフティーカー導入時、ソフトタイヤに履き替えたフェルスタッペンがフレッシュタイヤの利を最大限生かし、最後に逆転勝利を果たした。一方で同様にソフトタイヤに履き替えながらも、ポジションアップのチャンスを失ったストロールにとっては、不満の感情を大きく抱く裁定となったようだ。

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