「Wシリーズが失敗すれば、レースに関わるすべての女性が失望する」と言われる女性限定のフォーミュラ選手権『Wシリーズ』をご存知だろうか。
Wシリーズは女性F1ドライバーの輩出を目指して2018年10月に発足。女性に平等な機会を提供し、経済的な障壁を取り払い、無料で参加できる選手権だ。2020年にF1からサポートレースとして招待されたものの、昨年はコロナ禍の影響を受け中止、今年から再開されている。
この世界中の才能ある女性レーサーが集結するWシリーズに、2021年には12カ国から18名のドライバーが出場。日本からは幼少期からカートに乗り始め、その後国内で好成績を残してきた小山美姫が参戦している。だが、そのWシリーズに到達するまでの道程は簡単ではない。同大会に出場するためには、オーディション形式による主催者側のドライバー選考があり、最終的には半数が脱落する過酷な競争が裏では行われている。
オーディションでは、ドライビング能力に加えて、体力、精神力などトップドライバーとなるための資質を試される。DAZNが現在配信している『Wシリーズ DRIVEN - F1への挑戦状』では、小山が初年度に行われたオーディションに挑む姿が収録されており、そのなかで明確な資質を示していたことも記されている。
英語が苦手と話す小山が直面したのは、「50人以上の参加者がいたので、今までにないくらい緊張した」一分間の英語でのプレゼンテーション。だが、小山はしっかりと自身でチームやスポンサーと交渉したことをしっかりプレゼンし、さらに「夢はF1ドライバーになること」とアピールをやりきった。小山の面接を行った審査員からは「尊敬に値する勇気だ。彼女が速ければ、意外なスターになりうる」と称賛の声も上がっていた。
最終的に小山はWシリーズの選考を突破し、2019年からマシンのハンドルを握ることになるわけだが、同オーディションでは結果を出し続けた。オーストリアで行われた選考レースでは、小山は果敢なドライビングを見せ『レース・オブ・チャンピオンズ』に輝いた。さらに元F1ドライバーのデビッド・クルサードも選考に加わったスペインの最終選考では、18名の最終合格者のうち先んじて発表された12名の合格者として最初に名前を呼ばれている。
Wシリーズは、今季8レースが予定されており、すでにここまで4レースを消化。次戦は、F1のベルギーGP開催に伴い、ベルギーのスパ=フランコルシャンで行われる。現在は初年度王者であり、ウィリアムズの開発ドライバーにも選ばれたジェイミー・チャドウィックが首位に立っており、2019年に年間7位に入った小山はここまで開幕戦で入賞し10ポイント。厳しい戦いを強いられているが、ここからの奮起に期待したい。
なお、DAZNでは、このコンペティションの発足に至るまで、そして初年度(2019年)の戦いに密着した全6話のドキュメンタリー「Wシリーズ DRIVEN - F1への挑戦状」が配信されている。#1~#4は既に配信されており、#5が18日、#6が25日に、今年一杯公開される。このドキュメンタリーを観て、F1レース観戦の前に、Wシリーズもチェックしてみては如何だろうか。
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