アルファタウリのチーム幹部が、2年目を迎えている角田裕毅について語っている。今季は中盤戦から苦戦続きとなっている状況ながら、チーフエンジニアとして角田を間近に見てきたジョディ・エギントン氏は、日本人ドライバーが大きく成長を遂げていると賛辞の言葉を口にした。
『F1』公式のポッドキャストを通じ、エギントン氏は「ユウキはフォーミュラ1に適応している。レギュレーションが大きく変わった今季も、ドライビングは進化している。1年前に比べても明確な進歩だよ」と語った。
「デビューシーズンは初戦（9位入賞）からいきなり結果を残した。みんなが“ユウキはすごい”という感じになっていたことをよく覚えているよ。ただ、最初はうまくいったかもしれないが、そこから壁にぶち当たることもあったし、簡単なものではなかった」
「ユウキ本人も自信を深めたいところだったが、むしろ多くの問題と向き合い、自身に疑問を呈し、マシンをどう操ったらいいのかをひたすら考えていた。昨季は終盤が近づくにつれ、どうマシンをセットアップしていったらいいのか、それを理解したんだと思う」
そしてエギントン氏は、2シーズン目を迎えている角田が、デビューイヤーとは異なる姿勢を見せていると明かした。
「今では、彼はマシンをどう変えていくべきなのかをハッキリ言うことができるようになっている。これはとても良いことだと思う。本人の大きな成長だし、チームへのフィードパックという点でも幸いなことだ」
「ルーキーとして戦ってきたドライバーにとって、これは画期的な出来事。優れた才能の集まるF1という世界で、思うように戦えるかと言ったらそうではない。実際にミスもあるものだし、苦戦も余儀なくされる。やはり走行距離を重ねたり、場数を踏んでようやく見える世界があるんだ」
「彼が歩んでいる道は他のF1ルーキーと同じだとは思うが、我々は中団で争う状況にあるから、期待はとても高いものとなった。ユウキにとっては、後ろを走っているルーキーよりもとても大きなプレッシャーを感じていたと思うよ。実際にそれはかなり困難なことで、より良いドライバーになるためにすべきことを黙々とこなしてきた」
角田は2021年第2戦エミリア・ロマーニャGPのFP3において、チーム無線内で「トラフィックパラダイスだ！」と発言。その造語が面白いと、速さとは異なるところでも注目を集めるようになった。
この“トラフィックパラダイス”は後にバルテリ・ボッタスもチーム無線で使用するほど、広く知られることに。だが同時にデビューシーズンの角田は喜怒哀楽をあらわにする傾向も強く、その言葉遣いについてはエギントン氏も苦労していたと証言している。
「もちろんそれは彼のパーソナリティの部分でもあるし、十分に理解はできる。だけど、彼は語学学校でも学ばないような、言葉を口にしたりするんだ」
「チームとしても、そこは過激なワードを用いないようにすべきだと話し合ったよ。何かを伝えるとしても、より良い表現方法があるはずだとね」
エギントン氏は角田の伸びしろはまだまだあるとして、期待のコメントを発した。
「彼はまだ若手ドライバーの一人であり、キャリアのまだ早い段階だと思う。F1で送った2年のキャリアは、いずれも新しいマシンに適応しなければならない時間だった。これは若いドライバーにとって、過小評価されるべきことじゃない」
「彼は実際に良い学習曲線を描いていると思う。そして実際に示していることは簡単なことではない。マシンは去年ほど競争力がないし、そんな中でポテンシャルを誇示することがより難しくなっているんだ」
「だけど今、ユウキはピエールにプレッシャーを掛けている。それは事実だ。良い道を歩んでいるし、非常に良い形での成長を遂げているね。ただ、彼はまだ完成品ではない。本人だって“僕はまだこれからだよ”と思っているはずだ」
「我々も彼らに良いマシンを提供したい。お互いに協力しあって、チーム力を高めていきたいと思っているよ。実際にこれからも一緒に進歩していけると確信している」
第8戦アゼルバイジャンGPではDRSのフラップ部分が破損し、入賞を逃した角田。そこから第9戦カナダGP、第10戦イギリスGPと不用意なミスがクローズアップされ、第11戦オーストリアGPでは競争力不足もあり、16位フィニッシュと厳しい戦いを余儀なくされた。
そんな中でも、角田の頑張りを間近に見てきたチーフレースエンジニアは、F1レーサーとして確かに成長していると日本人ドライバーに労いの言葉を贈っている。
アルファタウリは第12戦フランスGPからアップデートを投入すると明らかにしている。コンストラクターズランキングでは8位に転落して厳しい状況に追い込まれている同チームは、ここから巻き返すことができるのか。
成長を見守ってきたエギントン氏の期待に応えるという点でも、角田はここからしっかり結果を残していきたいところだ。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | バーレーンGP | 3月18日（金） ～19日（土） | 3月20日（日） |
| 第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日（金） ～26日（土） | 3月27日（日） |
| 第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日（金） ～4月9日（土） | 4月10日（日） |
| 第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日（金） ～ 23日（土） | 4月24日（日） |
| 第5戦 | マイアミGP | 5月6日（木） ～7日（土） | 5月8日（日） |
| 第6戦 | スペインGP | 5月20日（金） ～21日（土） | 5月22日（日） |
| 第7戦 | モナコGP | 5月27日（金） ～ 28日（土） | 5月29日（日） |
| 第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日（金） ～11日（土） | 6月12日（日） |
| 第9戦 | カナダGP | 6月17日（金） ～ 18日（土） | 6月19日（日） |
| 第10戦 | イギリスGP | 7月1日（金） ～ 2日（土） | 7月3日（日） |
| 第11戦 | オーストリアGP | 7月8日（金） ～9日（土） | 7月10日（日） |
| 第12戦 | フランスGP | 7月22日（金） ～23日（土） | 7月24日（日） |
| 第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日（金） ～ 30日（土） | 7月31日（日） |
| 第14戦 | ベルギーGP | 8月26日（金） ～ 27日（土） | 8月28日（日） |
| 第15戦 | オランダGP | 9月2日（金） ～3日（土） | 9月4日（日） |
| 第16戦 | イタリアGP | 9月9日（金） ～ 10日（土） | 9月11日（日） |
| 第17戦 | シンガポールGP | 9月30日（金） ～10月 1日（土） | 10月2日（日） |
| 第18戦 | 日本GP | 10月7日（金） ～ 8日（土） | 10月9日（日） |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月21日（金） ～ 22日（土） | 10月23日（日） |
| 第20戦 | メキシコGP | 10月28日（金） ～ 29日（土） | 10月30日（日） |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月11日（金） ～ 12日（土） | 11月13日（日） |
| 第22戦 | アブダビGP | 11月18日（金） ～ 19日（土） | 11月20日（日） |