2022年F1第15戦オランダGP決勝を終え、アルファタウリの角田裕毅が失意のレースを振り返っている。
アルファタウリはザントフォールトにて順調ではなく、金曜日のFP1、FP2では上位勢になかなか及ばないタイムとなり、苦戦が予想された。だが土曜日の予選前までアルファタウリはマシンに手を加え、予選Q1では角田裕毅が3番手タイムを叩き出してQ2進出を決めている。角田は予選Q3突破を果たし、9番グリッドを獲得することに。
そして決勝で角田はスタート直後の位置取りでポジションを2つ失い、11番手から巻き返しを狙う。ソフト、ミディアムとつなぎ、第3スティントのハードに変えた43/72周目、突如角田はマシントラブルを主張する。
トラクションのかかり方が明らかにおかしく、角田は「タイヤがフィットしていない」と無線でチームに報告。チームは「入っているはずだ!」と即答し、角田に走行を続けるよう指示した。
一度マシンストップした角田はスロー走行で一度ピットに戻り、ソフトタイヤに履き替えシートベルトを締め直した。このピットストップで30秒以上要した後、角田はコースに復帰。だがチーム側はディファレンシャルギアに異変があると連絡し、角田は改めてレース続行を断念することとなった。
角田は「レースに向けて、ペースはかなり良さそうだった。今回はポイント圏内でフィニッシュしたかったので、残念な一日になりました」と失意の言葉を口にしている。チーム公式メディアが伝えた。
「レースのスタート直後、いくつか順位を落としました。それでもペースは悪くないはずだと信じていたし、少しずつ盛り返せると確信していた。トップ10のフィニッシュだってできたはず」
「タイヤ交換でピットに入りましたが、トラックに戻った瞬間から異変を感じた。チームもそれを確認し、リタイアせざるを得なかった」
アルファタウリのビークルパフォーマンス担当チーフエンジニア、クラウディオ・バレストリ氏は「目標はポイント圏内でフィニッシュすることでしたが、残念ながらそれを達成できなかった」と語り、オランダGPで狙ったプランについてこう説明した。
「ユウキとピエール(ガスリー)、両方がソフトスタートだったので、タイヤ(のデグラデーション)を注意深く見る必要があると思っていた」
「1周目で(エステバン)オコンと(ランス)ストロールに抜かれてポジションを失い、最初のスティントはユウキが11番手、ピエールが12番手だった。ピエールはトラフィック状態で10周走り、タイヤの落ち方が早かった」
「第2スティントでもピエールはユウキの後ろで走り、タイヤの劣化が目立った。その間(フェルナンド・アロンソなど他のドライバーのレースペースにより)ハードコンパウンドがトラックに合っており、非常に競争力があるとわかった」
「そのため、ガスリーは早々にハードへと切り替えることにした。ユウキには引き続きミディアムで第2スティントを継続させ、硬めのコンパウンドが機能していることを確認して、ユウキもハードに切り替えた」
「でもピットストップ後、ユウキはクルマのリアに異変が起きていると報告してきた。我々は再び彼を呼び、今一度タイヤを交換(ハードからソフト)することにした」
バレストリ氏はその原因について「現在、チーム内で調査中」とのみ記し、トラブルの詳細については明言を避けている。
なお角田は「タイヤがフィットしていない!」とチーム無線で報告していたとおり、トラクションのかかり方に異変を感じていた模様。
「ピット出口から加速したとき、片側だけホイルスピンしていたように感じた。まるでストレートをドリフトしているようだったし、カウンターステアで下っているような感覚だった。だから明らかにおかしいと感じていたんだ」
レース後のスチュワード裁定で、22号車の角田はドライビング違反による戒告となっている。
角田はハードタイヤ交換後にコース脇でマシンを止め、ベルトを緩めてコクピットから出ようとした。その後、ベルトを緩めた状態(外していない)でトラック内を走行し、ピットに戻ったことから、これが規定違反に該当したとのこと。
チームが安全ではない状態でピットからリリースしたのではないかとの疑いも生じたことから、アルファタウリも調査対象となった。だがタイヤは問題なく着いておりマシンは危険な状態ではなく、チームとして問題はなかったとの結論に至っているという。角田が感じたマシンの異変は、ディファレンシャルの問題によるものだった模様だ。
角田にとっては入賞も意識するほどの位置でレースを進めていただけに、無念の結末となっている。そして5度目の戒告処分により、次戦イタリアGPでは10グリッド降格となる見通し。厳しい状況を跳ね除けて結果を示すことができるのか、注目したい。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月18日(金) ~19日(土) | 3月20日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日(金) ~26日(土) | 3月27日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日(金) ~4月9日(土) | 4月10日(日) |
第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日(金) ~ 23日(土) | 4月24日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月6日(木) ~7日(土) | 5月8日(日) |
第6戦 | スペインGP | 5月20日(金) ~21日(土) | 5月22日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月27日(金) ~ 28日(土) | 5月29日(日) |
第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日(金) ~11日(土) | 6月12日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月17日(金) ~ 18日(土) | 6月19日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月1日(金) ~ 2日(土) | 7月3日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 7月8日(金) ~9日(土) | 7月10日(日) |
第12戦 | フランスGP | 7月22日(金) ~23日(土) | 7月24日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日(金) ~ 30日(土) | 7月31日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 8月26日(金) ~ 27日(土) | 8月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 9月2日(金) ~3日(土) | 9月4日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月9日(金) ~ 10日(土) | 9月11日(日) |
第17戦 | シンガポールGP | 9月30日(金) ~10月 1日(土) | 10月2日(日) |
第18戦 | 日本GP | 10月7日(金) ~ 8日(土) | 10月9日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月21日(金) ~ 22日(土) | 10月23日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月28日(金) ~ 29日(土) | 10月30日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月11日(金) ~ 12日(土) | 11月13日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 11月18日(金) ~ 19日(土) | 11月20日(日) |