アルファタウリの角田裕毅が、2022年第20戦メキシコGPに向けて意欲を示した。
前戦の第19戦アメリカGPで、角田は19番グリッドからレース開始。ブラックアウト直後は出遅れたものの、前方のマシンが混雑している中で理想的なラインを通り、トラクションの差で次々にライバルを抜いていく。オープニングラップだけで5つ順位をジャンプアップさせる離れ業を見せた。
ミディアム、ミディアムとつなぎ、第2スティントのセーフティーカー明けには僚友ピエール・ガスリーのトレインに付き合う形に。この状況でペースダウンのロスも散見されたが、ハードタイヤを履いた終盤の第3スティントでは、レースペースが良くない中でもタイヤを労りながら粘りの走りを見せ、燃料の軽くなった終盤にはチョウ・グァンユ、アレクサンダー・アルボンを抜いて10番手でチェッカーを受けた。7番手フィニッシュのフェルナンド・アロンソがレース後に着順降格ペナルティを受けたため、角田は繰り上がりでP9となっている。今季第6戦スペインGP以来、13レースぶりの入賞となった。
角田はアメリカGPについて「フィジカル的にかなりタフなレースだった。それでもオーバーテイクが何度もできたし、マシンを走らせていても楽しかった」と振り返っている。チーム公式メディアがその言葉を伝えた。
「ハースとの順位争いで結果的に差を付けられましたが(ケビン・マグヌッセンが一つ前の8位フィニッシュ)グリッドペナルティを受けて19番手スタートから、9位でフィニッシュし、ポイントを獲得できたことはうれしい驚きでした。週末を通して十分に走行できたわけではなかったですが、中団争いではかなり競争力があるように思えた」
アメリカGPから2週連続で迎える第20戦メキシコGPに向けて、角田はこう述べている。
「メキシコシティほど標高の高いサーキットでドライビングする機会はほとんどないので、年間を通しても珍しい体験になります。空気が薄いのでダウンフォース効果は最大に出るはずですが、ドライバーとしては少ないダウンフォースで走っている感覚になる」
「2021年、初めてメキシコでレースをしたときは少し奇妙に思えました。同時に初めてのトラックでも、迅速に適応できたと思っています。特に1度フライングラップで走行することができて、そのときのパフォーマンスに満足していたことが印象的ですね。メキシコのトラックはスローになるトリッキーなセクター2区間が個人的には好きでした。カートを思い出すほどマシンを横滑りさせながら走りました。本当に楽しかった」
今回、メキシコGPで若手ドライバーのリアム・ローソンが角田のマシンを駆り、FP1で走行することが明らかになっている。角田はFP1不参加となるが、本人もその点は気がかりになっている模様だ。
「ブレーキについては適切な使い方を見極めることが重要になる。リアム(ローソン)が僕のマシンに乗る予定なので、自分はFP1に参加できません。そのためFP2ではブレーキングに関して、しっかりと自信を深められるようにしたい。このセッションで少しでも早く順応できるようにしっかり取り組むことが大切です」
「昨年はメキシコGPで予選トップ10に入ることができましたが、エンジン交換のために後ろからスタートしなければならず、決勝では1周目に接触して早々にレースが終わってしまったのは残念だった。今年はあと最後の3レースになります。少しでも多くのポイントを獲得するため、クリーンな週末を過ごす必要があります。」
昨季のメキシコGPで角田は、パワーユニット交換でグリッド降格が決まっているにもかかわらず、Q2ではソフトタイヤでその時点の3番手タイムをマーク。余裕でQ3進出を決めた。Q2のラストアタックでは僚友ピエール・ガスリーの前を走り、スリップストリームを使わせる場面も。
グリッド降格確定の角田は予選Q3でもガスリーにトウを使わせ、サポート役に徹する。その直後のピットに戻るアウトラップでは、アタックラップ中のセルジオ・ペレスが後ろから迫ってきたこともあり、セクター3区間で角田は意図的にコースアウトしてラインを譲った。だがペレスは角田の動きに気を取られたのか、アタックラップ失敗。ペレスはレース後「乱気流を受けた」と口にしたこともあり、この一件で角田がレッドブルを邪魔したのではないかとの論調もあった。レース後に角田はレッドブルの重鎮ヘルムート・マルコ博士から「あの場面、ユウキはまったく悪くない」と労いの言葉を受けている。
昨季のメキシコGP予選では大いに存在感を示した角田だったが、同決勝ではオープニングラップから複数のマシンが絡む展開となり、エステバン・オコンと接触した角田&ミック・シューマッハの2台が早々にレースを終えている。
2シーズン目を戦う角田にとって、今季はあと3レースを残すのみ。現在アルファタウリはコンストラクターズランキング9位となっており、2点差の8位ハースを追っている。ここからは少しでもポイントを稼いで、良い形で今季を締めくくりたいところ。角田には前レース13戦ぶり入賞からの2戦連続入賞が期待される。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月18日(金) ~19日(土) | 3月20日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日(金) ~26日(土) | 3月27日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日(金) ~4月9日(土) | 4月10日(日) |
第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日(金) ~ 23日(土) | 4月24日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月6日(木) ~7日(土) | 5月8日(日) |
第6戦 | スペインGP | 5月20日(金) ~21日(土) | 5月22日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月27日(金) ~ 28日(土) | 5月29日(日) |
第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日(金) ~11日(土) | 6月12日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月17日(金) ~ 18日(土) | 6月19日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月1日(金) ~ 2日(土) | 7月3日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 7月8日(金) ~9日(土) | 7月10日(日) |
第12戦 | フランスGP | 7月22日(金) ~23日(土) | 7月24日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日(金) ~ 30日(土) | 7月31日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 8月26日(金) ~ 27日(土) | 8月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 9月2日(金) ~3日(土) | 9月4日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月9日(金) ~ 10日(土) | 9月11日(日) |
第17戦 | シンガポールGP | 9月30日(金) ~10月 1日(土) | 10月2日(日) |
第18戦 | 日本GP | 10月7日(金) ~ 8日(土) | 10月9日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月21日(金) ~ 22日(土) | 10月23日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月28日(金) ~ 29日(土) | 10月30日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月11日(金) ~ 12日(土) | 11月13日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 11月18日(金) ~ 19日(土) | 11月20日(日) |