F1元王者のジャック・ヴィルヌーブ氏が、第20戦メキシコシティGPの51周目に起こった角田裕毅&ダニエル・リカルドの接触について、自身の見解を示している。接触を誘発したリカルドには10秒のタイムペナルティが課されたが、この裁定についても苦言を呈した。
メキシコシティGPはマックス・フェルスタッペンが完勝を収め、歴代年間最多勝となる今季14勝目をマークした。一時はメルセデス勢が今季初優勝を思わせる奮闘を見せたが、結果的にルイス・ハミルトンは勝利にあと一歩届かなかった。
同レースについて1997年のワールドチャンピオン、ヴィルヌーブ氏は「メキシコの雰囲気はとても素晴らしいものだった。レースについては退屈になるだろうと思っていたが、実際に見ていて面白かったよ。とりわけメルセデスの選択は興味深いものだった」とオランダ『Formule1』に寄稿しているコラムで述べている。
「何年もの間、メルセデスは常に最高のマシンを有してきた。この間、他のチームから追い詰められたことなんて全然なかったんだ。日曜日にメルセデスは保守的な戦略(ミディアム→ハード)に出たが、レッドブルはリスキーかつアグレッシブな戦略(ソフト→ミディアム)で攻撃を続けた。メルセデスにとっては他力本願な状態でしかなかったね。相手がミスしたときしか勝てるチャンスはなかったわけだから」
「レース前半は各マシンが燃料を積み、その中で路面が徐々に良くなっていった。決勝の後半にグリップが良くなっていくことはもう50年も前から実証済みだ。ソフトタイヤの持ちが良かったわけだし、だからこそメルセデスが(第2スティントに)ハードを選択したのは驚きだった」
「特に(ジョージ)ラッセルはソフトを履くべきだと無線でチームに指示していたのに、なぜハードを履いてしまったのかわからないよ。彼はフラストレーションが大きいだろうね。一方でリカルドはミディアムで第1スティントからロングランをしていたわけだし、明らかに適切なコンパウンドだったと思うよ」
そしてヴィルヌーブ氏は51/71周目に起こった角田とリカルドの接触についても、自身の見解を示した。
「リカルドが角田をオーバーテイクしようとしたあと接触し、リカルドがその後問題なくレースにカムバックできた状況も興味深い」
「ドライバーが自分の前輪を相手の後輪に並べるように仕掛け、カーブに入っていくなんて理解できないね。追いついた状況でもなかったし、角田がドアを閉める(相手のラインを塞ぐ)のは当然のことだ。あれでは追い越しに成功したなんて言えないよ」
「それにリカルドに課された10秒のタイムペナルティもよくわからない。5秒の場合もあれば、10秒の場合もある。その基準が不明瞭だよね。結果によって裁定が変わるようなことがあってはいけないが、おかしいと思わざるを得ない」
「昨季のシルバーストンではハミルトンが10秒のペナルティを受けたよね。タイムペナルティが適正とは思えないケースもあるんだ」
ヴィルヌーブ氏が口にした前例は、2021年イギリスGPオープニングラップのワンシーンだ。ハミルトンはタイトルを競っていたフェルスタッペンと接触し、クラッシュを誘発。ハミルトンがフェルスタッペンを弾き出す形になり、オランダ人ドライバーは51Gとされる強い衝撃でタイヤバリアに衝突したことから、すぐさま病院に移動して精密検査を受けた。一方ハミルトンはマシンにダメージがなく、タイムペナルティを消化したうえで同レース勝利を収めている。
「本来なら10秒のペナルティはかなり重いものだが、レースを続けられる状況ならばそれは受け入れたほうが良いこともある。そして今回、リカルドのケースがまさにそれだ。うまくいったよね。実際にレースを続けることができたわけだし、タイヤも良かったから、レースペースは一時ハミルトンより速かった」
リカルドとの接触によってフロアやカウルにダメージを負ったことから、結果的に角田はもらい事故でレース続行断念となった。一方、リカルドにはスチュワード裁定で10秒ペナルティが課されたものの、マシンにダメージがなかったことからソフトタイヤで次々にオーバーテイクを成功させる。結局10秒加算をものともせず7位フィニッシュを果たし、メキシコシティGPでは世界中のF1ファンによるドライバーズ・オブ・ザ・デイに選出された。
接触&リタイアを誘発したドライバーがレースで生き残り、タイムペナルティを消化しながらも結果に結びついている状況に、ヴィルヌーブ氏は思うところがあるようだ。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月18日(金) ~19日(土) | 3月20日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月25日(金) ~26日(土) | 3月27日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 4月8日(金) ~4月9日(土) | 4月10日(日) |
第4戦 | エミリア・ロマーニャGP | 4月22日(金) ~ 23日(土) | 4月24日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月6日(木) ~7日(土) | 5月8日(日) |
第6戦 | スペインGP | 5月20日(金) ~21日(土) | 5月22日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月27日(金) ~ 28日(土) | 5月29日(日) |
第8戦 | アゼルバイジャンGP | 6月10日(金) ~11日(土) | 6月12日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月17日(金) ~ 18日(土) | 6月19日(日) |
第10戦 | イギリスGP | 7月1日(金) ~ 2日(土) | 7月3日(日) |
第11戦 | オーストリアGP | 7月8日(金) ~9日(土) | 7月10日(日) |
第12戦 | フランスGP | 7月22日(金) ~23日(土) | 7月24日(日) |
第13戦 | ハンガリーGP | 7月29日(金) ~ 30日(土) | 7月31日(日) |
第14戦 | ベルギーGP | 8月26日(金) ~ 27日(土) | 8月28日(日) |
第15戦 | オランダGP | 9月2日(金) ~3日(土) | 9月4日(日) |
第16戦 | イタリアGP | 9月9日(金) ~ 10日(土) | 9月11日(日) |
第17戦 | シンガポールGP | 9月30日(金) ~10月 1日(土) | 10月2日(日) |
第18戦 | 日本GP | 10月7日(金) ~ 8日(土) | 10月9日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月21日(金) ~ 22日(土) | 10月23日(日) |
第20戦 | メキシコGP | 10月28日(金) ~ 29日(土) | 10月30日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月11日(金) ~ 12日(土) | 11月13日(日) |
第22戦 | アブダビGP | 11月18日(金) ~ 19日(土) | 11月20日(日) |