ガスリーが古巣アルファタウリを警戒「彼らが上に行けない理由はない…ユウキが2年目の出来なら2021年は5位だった」｜F1

今季よりアルピーヌに新天地を求めたピエール・ガスリーが、古巣アルファタウリに警戒心を示した。その中で、元僚友角田裕毅の成長についても言及している。

フランス人ドライバーはドイツの専門メディア『アウト・モトール・ウント・シュポルト』に対し「2022年の出来には失望した」と、マシンのポテンシャルが不十分だったことを悔やんでいる。

「2021年はとても素晴らしいシーズンを過ごしたし、2022年のレギュレーション変更がアルファタウリにとって、大きなプラスになるはずだと楽しみにしていた。実際にチーム間の戦力差がより拮抗し、チャンスが広がるはずだと期待していたからね」

「ただ、それは大きく異なった。チームのパフォーマンスは本来あるべきものではなかったとしか言いようがない」

そして2022年限りでガスリーはアルファタウリを去り、今季からアルピーヌへと加わることになった。そのうえで、古巣アルファタウリについて警戒感を示している。

「アルファタウリは中団争いでトップに立つため、必要なものを持っている。実際に2021年のような出来だったら、もっと上に行けるわけだからね」

「当時、ユウキはF1のデビューシーズンだった。もし彼が2年目のパフォーマンスを2021年に見せていたら、アルファタウリは間違いなくコンストラクターズ5位でフィニッシュしていただろう」

「だからこそ、アルファタウリには可能性を感じている。適切な仕事ができる人材がたくさんいて、チームとしてしっかりしているからね。それに予算制限と風洞実験のルールを踏まえると、中団グループにとって大きな助けになるはずだ」

ガスリーは「僕はアルファタウリのことを当然よく知っている。だから、彼らが中団争いで上に行けない理由なんてないと理解しているんだ。彼らはきっと反撃するだろうね」と発言。今度は古巣がライバルとして、アルピーヌを脅かすかもしれないと警戒している。

Getty Images

コンストラクターズ6位に終わった2021年、ルーキーの角田はガスリーになかなか迫ることができない差を見せつけられ、同シーズンのポイントは角田が32ポイント、ガスリーが110ポイントで、アルファタウリは合計142点の総合6位だった。総合5位のアルピーヌ（155点）とは13点差となっていた。

当時新人の角田に対して、2年目に示したクオリティを初年度から求めるのは酷かもしれない。だがガスリーはアルファタウリがアルピーヌよりも上の順位でフィニッシュできたはず、という2021年型AT02のポテンシャルを実感していたようだ。

2022年シーズンはAT03が競争力不足を露呈し、2021年に比べて苦戦する場面が目立った。そんな状況下、角田とガスリーのポイント差は32－110から12－23と、前年ほどの差はなくなった。そして一発の速さがラップタイムとして明確に出る予選結果についても、2021年は角田1－21ガスリーだったが、2022年は9－13となっている。

ガスリーが「ユウキが2年目（2022年）のパフォーマンスを見せていたら、アルファタウリは（2021年）5位だった」と語ったほど、角田の成長は目に見えて確かなものだった模様。そしてアルピーヌのドライバーになった今季、古巣アルファタウリの出来を誰よりも気にしているのが、ガスリーなのかもしれない。

2023年、角田にとってはライバルチームに渡ったガスリーに対し、どれだけ上回れるかが“兄貴分”に対する最大の恩返しとなりそうだ。

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