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モータースポーツ

【コラム】第26回「2026年、ホンダはどうする?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第26回「2026年、ホンダはどうする?」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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レッドブルとホンダの協力関係は2025年まで…その先は?

3月上旬の開幕戦に向けて新車発表が一通り行われたところですが、今回はあえて2026年の話をしてみようと思います。より具体的には「ホンダはどうするのか」という話題です。

ご存知のようにホンダはレッドブルと2025年までのPU供給契約を交わし、今季の新車RB19にもHONDAのロゴがしっかり入っています。2021年にマックス・フェルスタッペンが初タイトルを獲得し、翌2022年はドライバー、コンストラクターズの両タイトルを独占。ホンダ製パワーユニットの競争力を賞賛するレッドブルとの協力関係は、最高にうまくいっているはずでした。

ところが2月初旬、レッドブルはフォードと2026年以降の提携を明らかにしました。もしホンダが同年以降F1活動を継続したとしても、もはやレッドブル(&アルファタウリ)とは組まないことになったわけです。

ホンダとともに頂点へと返り咲いたレッドブルは、ホンダ製PUの戦闘力にも彼らの仕事ぶりにも不満はなかったはず。ではなぜホンダを切って、フォードと組む決断を下したのでしょう。

決定的な分岐点は2020年秋の「活動終了」

2023-02-18 2018 Red Bull Honda tanabe yamamoto Horner tost formula 1 f1Getty Images

ひとことで言えば、ホンダが2020年秋に行った「F1からの撤退宣言」が全てでした。当時のレッドブル首脳は公の席で恨み言めいたコメントはしませんでしたが、突然梯子を外された思いだったはずです。やむなく彼らは自らがPU製造者になる道を選び、一方でポルシェとの提携も模索しました。

しかしポルシェが経営面への関与も要求したことで、交渉は2022年秋に破談となりました。そのためフォードへと方向転換し、今回の提携にこぎ着けたわけです。ただし「レッドブル・フォード」という名前とは裏腹に、フォードがPUを開発し、レッドブルに供給するわけではありません。

フォードのエンジニアがレッドブルのファクトリーに常駐してある程度の技術支援を行うものの、開発の主体はあくまでレッドブルパワートレインズです。彼らの主目的はむしろ、F1を媒体としたブランディングと考えた方がいいでしょう。

ではエンジンメーカーとしての実績がほとんどないレッドブルが、はたして勝てるPUを作れるのか。F1エンジン開発を手掛けてきたホンダのエンジニアはいずれも「かなり難しい」「相当の時間がかかる」という意見でした。それが確かなら、レッドブル・フォードは茨の道を歩むのでしょうか。

ホンダは今後F1にどう関わっていくのか

2023-02-18 2016 Button MP4-31 mclaren Honda F1 Formula 1Getty Images

そこも大いに気になるところですが、ここからはホンダF1の話に戻らせてください。そもそもホンダは2026年以降F1を続けるかどうかまだ明言していませんが、ここでは続けると仮定して話を進めます。

その場合、3つの選択肢が考えられます。1つ目は既存チームとの提携です。すでにマクラーレンと接触を始めたという報道も出ており、可能性としても高そうです。組織改革が進んでチーム力が上がりつつあるウィリアムズとも、おそらく話をすることになるでしょう。

2つ目は新規参入を目指すアンドレッティ・キャデラックへのPU供給です。アンドレッティは当初ルノーと組むと言われていましたが、ホンダとGMがEV分野での提携を深めていることから、ホンダ本命説が浮上しました。

ただしアンドレッティが参戦する場合、一からチームを立ち上げることになります。資金は潤沢なようですが、これが決して簡単でないことは、2000年代のBARホンダの失敗からも明らかです。ホンダとしても、この点は大きな不安材料でしょう。一方でアメリカ市場のことを思えば、魅力的な選択肢になる。ですが、この話は実現性が低くなったかもしれません。アルピーヌのローラン・ロッシCEOが、アンドレッティのF1参戦が認められた場合は、自社のPUを供給すると公の場で語っています。

ワークスとしての道もゼロではない?

2023-02-18 2007 Honda Logo RA107 F1 Formula 1Getty Images

そして最後の3つ目は、メルセデスF1の買収です。2009年にブラウンGPを完全買収し、翌年からフルワークスチームとしてF1に復帰したメルセデスは、その後7年連続タイトル独占の偉業を達成。しかし2022年は無冠に終わり、それをきっかけに本国ドイツでは活動休止の観測も出ています。

ならば第3期のホンダが立ち上げ、当時のスタッフが今も多く働く現メルセデスのファクトリーを買収して、再びフルワークス参戦する。しかしこれはあくまで、希望も込めた可能性です。2008年のホンダはほぼ無償でロス・ブラウンにチームを譲りました。ですが今回買い戻すとしたら、はたしていくらの値札がつくことやら。

そうなると、1:マクラーレン、あるいはウィリアムズへの複数供給を行う、というのが現時点での妥当な線かなと、個人的には思っています。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

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【レース情報】
F1  第1戦:バーレーンGP
3月3日(金)21:00~フリー走行1回目
3月4日(土)0:00~フリー走行2回目
3月4日(土)21:00~フリー走行3回目
3月5日(日)0:00~予選
3月6日(月)0:00~決勝

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)