F2で戦っている岩佐歩夢が、今季2ラウンド4レースを終えてここまでの戦いを振り返っている。
岩佐は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #5』にリモートインタビューで出演。岩佐にとっての師である中野信治氏、番組MCのサッシャ氏がインタビュアーを行った。
2023年F2第2ラウンドのサウジアラビア・ジェッダにおいて、岩佐はレース1（スプリントレース）を制した。4番グリッドからのレース開始だったが、2番手でターン1に飛び込み、2周目のホームストレートではトップに浮上。この後セーフティーカーが入るなど隊列が詰まる状況にもなったが、岩佐はトップを譲ることなくレース1を制し、今季初優勝を果たしている。
翌日曜日のレース2（フィーチャーレース）では、一度6番手にポジションを落とすも、そこから粘りの走りを見せる。レースペースが良くない中でもしっかりと周回を重ね、4位フィニッシュにより12ポイントを手にした。
本人はスプリントレース優勝という結果について「苦しい中での優勝だったんで、嬉しかった」と喜びの言葉を口にした。
「（2つ順位を上げた）スタートは狙っていた。スタートジャンプが良かったのでターン1で並びかけていったんですけども。位置取りも状況に応じて対応しようかと思っていたんですが、前の2台がイン側に寄っていったことによって外側が空いた。そこを一本狙ってブレーキングで突っ込んだ形でした」
2周目のストレートエンドでトップに浮上したシーンについては「正直、トップの（ジャック）クロフォードがあまり速くなかったので、これはもう抜くしかないなとすぐに切り替えた」と回顧している。
「最初はそのような予定（トップでレースを先導する）ではなかったんですけど、1周目のペースがあまりにも（クロフォードと）違ったので、これはしっかりと前に出て、クリーンエアで走ることによって（タイヤ）マネージメントに移ろうと切り替えた場面だった。しっかりと一発でオーバーテイクを決められたことがすごく大きかった」
中野氏が「途中のセーフティーカーなどもあり、展開的に嫌かな、と思えるところもあった。でも落ち着いて走ることができていたよね？」と岩佐に尋ねるとこう返答している。
「後半になるにつれ、段々と落ち着いていけるようになった。と言うのも、セーフティーカーが僕には有利に働かなかったので。後ろで速い、特にMPだったりARTの2台が上がってきていたので、セーフティーカーが入ると上まで簡単に上がってきてしまう状況だった」
「（展開が）あまり良くなかったんですけど、最後のセーフティーカーで隊列になってからはしっかりと抑えるべきところは抑えて、そしてオーバーテイクされないようにプッシュするというマネージメントをしっかりするというように切り替えた。そこはもうレース中に冷静に考えることができていた。その点は去年から意識していたし、自分として成長できたところだと思う」
後ろとのタイムギャップを気にしつつ、実は全力で走るよりもペースをコントロールし、勝負に勝つための走りに徹していたという。
「ストレートに入るところで毎周チームから無線で教えてもらっていました。こういう攻め方をすればこのぐらいのギャップは作れると把握していた」
「セクター1に関してはコーナー続きで絶対に抜かれなかったんで、自分のペース自体悪かったんですけど、そこからさらにペースを落として、30～40％ぐらいの力で走った」
「後ろにダーティーエアを与えて、さらにその後ろもくっつけることによって、ペースをセクター2、セクター3で落とさせるという形の流れに持ち込めた。そのへんがレース全体としては良かったんじゃないかと思う」
レース巧者ぶりを示したこの言葉を聞き、中野氏は笑いながら「なんか歩夢が悪いやつに見えてきたな」と漏らしている。
そのうえで「これができないとレースに勝てないですから。こういうことはとことんやってほしいですね」とF2で奮闘中の教え子を称賛した。
日曜日のフィーチャーレースでは4位フィニッシュ。終盤には後方から迫ってきたデニス・ハウガーに詰められたものの、タイヤは最後まで温存していたという。
「その時もラジオで毎周のギャップを聞いていたんですけど、あまりに（ラップペースがハウガーと）違っていたので、ヤバいかなと正直思ったんですけど。残りの周回数を考えて、変なミスさえしなければギリギリ抑えるところまでいけるって感触もあった」
「しっかりと最後はプッシュプッシュで。最終ラップなんかは自己ベストを更新できたり、タイヤ自体は良かった。ただ、純粋にペースがなかったんで、苦しかったレースになりました」
岩佐は今季F2のドライバーで、ここまで唯一2ラウンド4レースすべてでポイントを獲得する状況に。31ポイントを手にして、トップとは2点差の総合3位につけている。
本人が語ったように、現在DAMSのマシンはF2カテゴリーの中でも最速ではない模様。そんな状況下でも岩佐は少しでも上位フィニッシュするため、レーシングドライバーとしての勝負強さを遺憾なく発揮しているようだ。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
| レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
|---|---|---|---|
| 第1戦 | バーレーンGP | 3月3日（金） ～4日（土） | 3月5日（日） |
| 第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日（金） ～18日（土） | 3月19日（日） |
| 第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日（金） ～ 4月1日（土） | 4月2日（日） |
| 第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日（金） ～ 29日（土） | 4月30日（日） |
| 第5戦 | マイアミGP | 5月5日（金） ～ 6日（土） | 5月7日（日） |
| 第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日（金） ～ 20日（土） | 5月21日（日） |
| 第7戦 | モナコGP | 5月26日（金） ～ 27日（土） | 5月28日（日） |
| 第8戦 | スペインGP | 6月2日（金） ～ 3日（土） | 6月4日（日） |
| 第9戦 | カナダGP | 6月16日（金） ～ 17日（土） | 6月18日（日） |
| 第10戦 | オーストリアGP | 6月30日（金） ～ 7月1日（土） | 7月2日（日） |
| 第11戦 | イギリスGP | 7月7日（金） ～ 8日（土） | 7月9日（日） |
| 第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日（金） ～ 22日（土） | 7月23日（日） |
| 第13戦 | ベルギーGP | 7月28日（金） ～ 29日（土） | 7月30日（日） |
| 第14戦 | オランダGP | 8月25日（金） ～ 26日（土） | 8月27日（日） |
| 第15戦 | イタリアGP | 9月1日（金） ～ 2日（土） | 9月3日（日） |
| 第16戦 | シンガポールGP | 9月15日（金） ～ 16日（土） | 9月17日（日） |
| 第17戦 | 日本GP | 9月22日（金） ～ 23日（土） | 9月24日（日） |
| 第18戦 | カタールGP | 10月6日（金） ～ 7日（土） | 10月8日（日） |
| 第19戦 | アメリカGP | 10月20日（金） ～ 21日（土） | 10月22日（日） |
| 第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日（金） ～ 28日（土） | 10月29日（日） |
| 第21戦 | サンパウロGP | 11月3日（金） ～ 4日（土） | 11月5日（日） |
| 第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日（木） ～ 17日（金） | 11月18日（土） |
| 第23戦 | アブダビGP | 11月24日（金） ～ 25日（土） | 11月26日（日） |