今季F2で2年目を迎えた岩佐歩夢が、所属チームDAMSにおける状況の変化について述べている。僚友がチャールズ・ルクレールの実弟であるアーサー・ルクレールに変更となったこともあり、それによる機微を岩佐は察知。チームに対して必要なこと、変えるべき点を明確に主張したと振り返った。
岩佐は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #5』にリモートインタビューで出演。岩佐にとっての師である中野信治氏、番組MCのサッシャ氏がインタビュアーを行った。
今季DAMSはライバルチームのARTやMPに比べ、総合力でやや見劣りする部分があり、本人もその点については明確な懸念事項と認識している模様。岩佐本人が「ジェッダではチームメイトのアーサーと2台で別々のことを試した」と、戦力アップのために異なるセットアップの方向性を探っていたと明かしている。
「僕は上位からのスタートだったんでエンジニアとも話して、自分の意見としても僕は今までと(セッティングを)大きく変えずに臨みたいとその方向性で戦った」
「若干アーサーは違う方向性を、後方からのスタートだったんで試したんですけど、それが結構少し光が見えるような状況になったんじゃないかと。チームとしてはARTだったり、MPというところのポテンシャルに近づいていけてるんじゃないかと感じている」
MCのサッシャ氏が「チームのデータ交換も最初はあまりできなかったという話があったと聞いたんですが?」と尋ねると、岩佐はこう返答している。僚友アーサーとのデータシェアについて、最初は閉鎖的な環境だった模様だ。
「そうですね。その状況については結構変わってきたんです。バーレーンのテストだったりレースだったり、僕からチームに話をして。今までDAMSというのはそのようなシェアをして、とにかく勝つためだったら何でもしてというスタイルで活躍してきたチーム。実際に去年は後半戦にその効果が出ていたのは自分たちで感じていた」
「今、それを変えるわけにはいかないだろうと僕から話をして。チーム側からアーサーのほうにしっかりと伝えてもらった。アーサーもそれは理解してくれた」
DAMSはフランスを本拠地とするレーシングチームであり、必然的にフランス人のスタッフが多い。中野氏が「ミーティングは英語でやっている?」と聞くと、岩佐はフランス語圏モナコ出身であるルクレール弟の加入によって、コミュニケーションの問題も浮上したと振り返った。
「最初はフランス語が去年よりすごく増えた。それを僕はすごく大きな問題だと感じていて、チームにはそれを直接伝えました。(フランス語が飛び交う)この状況は僕として良い状況ではないと思っているし、このままいけば間違いなくチームの雰囲気も変わってくるだろうから」
「僕は去年実際に英語でずっと話してやっていた。フランス語をしゃべるドライバーが入ったからと言って(チーム内で)フランス語をしゃべる量が多くなるのは、良い雰囲気ではないので。そこだけはしっかり考えてやってほしいと伝えた」
「その状況に関しても今回のサウジですでに改善されていたので、チームのほうも気を遣ってやってくれているのかな、と思います」
DAMSのチーム内においても物事をしっかり主張する教え子の姿を見て、中野氏は「そこがやっぱりいちばん大事なんで」と、岩佐の姿勢を労っている。
かつて1997年に中野氏はプロストからF1デビュー。だがフランスのチームであるうえ、フランス人のオリビエ・パニスを中心としたチーム体制だったため、同チームでは苦労したことでも知られる。それだけにフランスのチームであるDAMSで奮闘する岩佐に、中野氏は思うところがあったのかもしれない。
岩佐はラウンド2の4レースを終え、ここまで4戦連続入賞で31ポイントを獲得。F2のランキングでもトップとは2ポイント差の総合3位につけている。また、4レース連続で入賞を果たしているF2ドライバーは、唯一岩佐のみ。マシンのポテンシャルが十分ではない中でも、しっかり結果に結びつけている形となる。
昨季よりF2のDAMSに在籍し、F1昇格を目指して戦い続けている21歳の日本人ドライバーは、チーム環境においても必要なことを主張するなど、オフトラックでも戦う姿勢を貫いているようだ。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |