「角田裕毅に0－6で負けている」オランダの識者がデ・フリースの現状を憂慮「このままなら来年シートを失う」｜F1

今季、アルファタウリのレギュラードライバーとなったニック・デ・フリースについて、角田裕毅との比較を用いて「来年のシートは危うい」と、地元オランダメディアが伝えている。

モータースポーツメディア『GP FANS』のオランダ版は、フォーミュラカーやツーリングカーなどで実績のある同国出身の元レーシングドライバー、フランツ・フェアシュアー氏に、デ・フリースの現状を聞いている。

同胞ヨス・フェルスタッペンと長年仕事をしていたことでも知られるフェアシュアー氏は「今、ニックは0－6でツノダに負けている」と述べ、アルファタウリの角田と比較し、オランダ人ドライバーが劣勢になっていることを嘆いた。

「まず、今季アルファタウリのクルマについては、何か目を引くというわけではない。ポテンシャルは低いし、ただ悪いとしか言いようがない。今季、全チームを見渡しても最悪のクルマの一つと言えるだろう」

「ただ、そんな中でもチームメイトの前に出なければいけない。精一杯頑張っているとは思うが、それでも今、ニックは実際に0－6でツノダに負けている（※予選グリッド、決勝結果ともに合計6度、今季ここまで角田のほうが上）」

「この結果が続くかどうか、引き続き見ていく必要はある。何しろ、ニックにとってはレギュラーとして迎えるF1のファーストシーズンだからね」

F1に順応する難しさに理解を示しつつ、デ・フリースをフォローしている。

「まず、ニックは現在のシートや環境に慣れる必要がある。彼はルーキーだ。私は彼がドライバーとしてルーキーだとは思っていないがね。彼はあまり運転していないサーキットでもしっかり速さを示すときもあるから」

そしてF1では長くはチャンスが与えられないと、懸念の見識も示している。

「予選ではツノダの前に出るチャンスもあるかもしれない。だが、予選と決勝レースでは求められるパフォーマンスの違いもある。今、実際にツノダに対しては0－6で負けている。チームメイトとパフォーマンス比較は、どうしても一つの評価基準になってしまうんだ」

「私はオランダ人だし、もちろんニックがうまくいくことを願っているよ。ただ、ここまで予選と決勝について、すべてツノダの後ろだったという結果はニックのポテンシャルについて疑念を与えるものだ」

「このままの状況があと4～5回続くようなら、ニックは来年シートを失うことになるだろう」

そしてフェアシュアー氏は「とにかく、今いるところで力を示すしかない」と続け、デ・フリースにエールを贈っている。

「ニックがもし（以前リザーブドライバーを務めた）メルセデスに留まり続けることができたら、先々シートを獲得できたかもしれないという見方もできる。ただ、もし彼がスーパータレントだったら、メルセデスはそもそもニックをもっと以前から獲得していただろうし、手放すこともなかったはずだ」

28歳にして念願のF1シートを獲得したデ・フリース。6歳年下の僚友角田はF1で3年目を迎えている状況であり、ここまで第3戦終了時点でオランダ人ドライバーは角田を上回る結果を残せていないのが実情だ。

近年はマックス・フェルスタッペンがF1のドライバーズタイトルを連覇し、F1人気がオランダではかつてないほど高まっているという。そんな状況だけに、デ・フリースへの注目度、期待度もかなり高い模様だ。

その一方で角田にとっては、今季はチーム力の向上を促しつつも、デ・フリースに対して常にアドバンテージを示し続ける必要がありそうだ。

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