アルファタウリの角田裕毅が今季初入賞となった第3戦オーストラリアGPを振り返った。
角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #9』にリモートインタビューで出演。MCのサッシャ氏と、先輩レーシングドライバーの松下信治氏、笹原右京氏がインタビュアーを行った。
第3戦オーストラリアGPで角田はようやく今季初ポイントを獲得。終盤に起こったアルピーヌ勢の同士討ち、そしてカルロス・サインツのタイムペナルティによって得た望外とも言える10位の1ポイントだったが、角田本人にとってはやはり安堵の気持ちもあったようだ。
「とりあえず1ポイント取れたことはプラスですし、あのレースはそもそもポイントを取れるようなレースではなかったので。そこはポジティブにとらえている」
「今の状況の中での1ポイントはチームにとってもまずは見栄えも良いし、ある程度の気持ちの手助けにはなるかなと思います」
DAZN
終盤には3度目の赤旗中断後にスタンディングスタートを行い、ここで角田は13番グリッドから、一時は5番手まで一気に順位をジャンプアップさせた。
だがターン1~3にかけてクラッシュが相次いだことから、レースは再び赤旗に。セクター2到達前の時点でレッドフラッグとなったため、角田のメガスタートも結果として不成立となった。
残り1周でのレース再開はローリングスタートとなったこともあり、ファイナルラップはセーフティーカー先導のパレードランでフィニッシュとなり、角田は11番手でチェッカーを受けた。だがサインツに5秒のタイムペナルティが課されたため、角田は10位繰り上がりで待望の今季初入賞となった。
Getty Images
角田は終盤のメガスタートについて映像を見ながら「(スタート後の)リアクションが特に良かった」とそのシーンを振り返った。
「今回のソフトタイヤはタイヤウォームが少し悪かったので、念入りに(熱入れを)やって。ターン1も最初から行く気満々で行きました」
周りのドライバーもタイヤが温まらず、グリップに苦しむ場面だった。だが角田は「全然心配がなかった。落ち着いて行けましたね」と述べている。
「何か自信があったんですよね。赤旗後のスタートはいつも以上に。だから抜けるだろうなとしか思っていなかった」
ターン2ではトラクションを掛けた瞬間にタイヤのグリップを失い、角田は一度カウンターステアを当てている。
「ウォームアップが悪かったので、それこそ予選でもビルドアップしないといけないぐらい。1周余計にウォームアップしないといけないくらい(タイヤの)温まりが悪かった。グリップも本当低いですよね」
「あとは普段走らないところなのでグリップも低かったですけど、前のクルマが近かった(ダウンフォースが抜けた)というのもあります。でも、そのあたりも自信を持って行けた」
DAZN
チョウ・グァンユのオンボード映像から見ると、角田はターン1に到るまでとてつもない勢いで好スタートを切ったことがよく分かる。その映像を見ながら角田は「いや、カッコいいなと思います」と自画自賛の言葉を口にした。
「(アルピーヌ勢の)クラッシュがなくてそのまま行ったら5位だった。(ピエール)ガスリーの接触は後ろで起きていたし、本当に5位か4位で終われていたので、(再度赤旗で10位フィニッシュは)残念な気持ちではありますけど、まあしょうがないですね」
サインツのタイムペナルティについては、チームから聞いたうえで走行していたという。
「僕の前にいる誰かが、もしかしたらペナルティを受けるかもしれないとチームから言われていて。できるだけ前車との距離を詰めて、近くでゴールをしろと」
「結局5秒ペナルティだったので、できるだけ近くに。(セーフティーカー中のため他車を)抜かすことはできないので、その5秒以内に入ることにはしてました」
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そのパレードランについても、フルスロットルではなくともマシンコントロールが難しかったと回顧した。
「本当にグリップが悪くて、結構難しかったです。前に近づこうとしたんですけど、ホイルスピンばかりしていて。まあ(サインツの降格圏内である)5秒以内に入れて本当に良かったです」
松下氏が「レーススタートに対する意識がこれまでと変わったのでは?」と尋ねると、角田としても成長の手応えがあるようで、こう返答している。
「去年までは守り気味でターン1に入っていって、とにかくぶつからないようにってことで。結構スタートでポジションを落とすことが1年目から2年目の前半まで多かった」
「特にうちのチームは去年からそこまでクルマが良くないので。本当にスタートで上げないと、ポイント争いができなかった」
「そこは少しスタイルを変えるようにして、一気にやってしまうと限界もわからないですし、(レースを)ダメにしちゃうリスクも大きいので。少しずつレースごとにブレーキを詰めていくことにした」
「あとはスタートが上手いドライバーのポジショニングとかを見るようにしています。特に(ダニエル)リカルドだったり、(ランス)ストロールも上手かったですね。あとは(セバスチャン)ベッテルとか」
「そういった人がどうやってポジションを上げていっているのか、よく観察してビデオとかを見て、それで少しずつドライバーたちがやっていることの共通しているものが見えて。それと同じことをするようにしています」
松下氏はこの言葉を聞き「“気合っすね”と言われるかと思ったんですけど、かなり細かく分析していて。やはりF1の領域に来て、すごいですね」と後輩の成長に目を細めた。
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サッシャ氏が「開幕戦の時点でクルマは状況的に下かな、と言っていたが現在のマシンについては?」と聞くと、角田は「まだ僕的には一番下ですね」と、率直に劣勢だと吐露している。
「ウィリアムズとか見て、今回のオーストラリアGPではウィリアムズは悪くないんですよね。クルマとして」
「ストレートも速いですし、高速コーナーはほとんど上位勢ぐらいのスピードで曲がれていた。ダウンフォース的にも高速コーナーでは僕らよりあるんじゃないかなと。さらにストレートも速いので、オーストラリアGPは本当に速かった」
「突出して速くなる。コースによってうちのチームが速くなるというようなことが見えないので。ウィリアムズみたいに」
「ストレートも遅いし、コーナーでも負けているので、とにかくまずはできるだけ開発に頑張ってもらって。クルマの限界で毎回走るしかないですね」
今季3レースを終えてまだ1ポイントしか手にできていないアルファタウリ。AT04はライバル勢に比べてもポテンシャル的に厳しい状況となっているが、第4戦アゼルバイジャンGPからどう巻き返しを見せるのか、引き続き真価の問われる戦いが続くことになる。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |