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【コラム】第34回「ホンダの技術者たちに託されたもの」|F1解説者ムッシュ柴田のピットイン

【コラム】第34回「ホンダの技術者たちに託されたもの」|F1解説者ムッシュ柴田のピットインDAZN
【F1 コラム】解説者も務めるモータースポーツジャーナリスト、柴田久仁夫がF1の今に迫る。
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ホンダが正式に2026年よりF1に復帰

ホンダが2026年からのF1復帰を、正式に発表しました。ホンダのエンジニアたちにとって、それが何を意味するのか。今回のコラムはそんな切り口で、書き進めていこうと思います。

発表直後に配信された『DAZN』の『Wednesday F1 Time #14』を、すでにご覧になった方も多いかと思います。ホンダを退職されたばかりの浅木泰昭エンジニアが緊急出演して、復帰までのいきさつを始め、興味深い話をたっぷりしてくれています。

浅木さんが「(F1復帰は)ずっと前から知ってましたよ」とコメントしていたのは、予想通りでした。

というのも4月の「引退記念トークショー」で対談相手を務めさせていただいた際も「2026年以降もホンダがF1にいるというつもりで、ここまで続けてきた」と、はっきり答えていたからです。その確信がなければ、さっさと開発を止めていたと。

とはいえ2020年秋のホンダF1撤退発表は、開発総責任者だった浅木さんにとっても寝耳に水の、衝撃のニュースでした。

メルセデスを凌ぐパワーユニット開発の目処がつき、ようやく頂点が見えてきた矢先の、突然の方針転換。そこから浅木さんは、本来なら2022年に投入予定だった新骨格PUを前倒しで投入するなど大車輪で最善の手を打ち、それが2021年最終戦の劇的なタイトル獲得に繋がりました。

元ホンダ浅木泰昭氏の“心残り”とは

2023-05-30 Asaki Yasuaki Wednesday F1 TimeDAZN

しかしチャンピオンを決め、その後2025年までレッドブルへのPU供給が決まった後も、浅木さんには二つの大きな心残りがありました。

一つは「ホンダは2026年以降、撤退してしまうのではないか」ということ。そしてもう一つが「エンジン(内燃機関)の将来」でした。

一度撤退を決めたホンダが2026年に復帰するためには、ある程度の大義名分が必要でした。

しかしこれはF1側が「電気エネルギーとエンジンの出力比を50%ずつとする」「カーボンニュートラルの燃料を用いる」など、環境対応に舵を切ったことで、ほぼクリアされました。

さらにホンダ最大の市場である北米でF1ブームが起きていることも、追い風になりました。あとはレッドブルに代わって、新たにどこと組むか。浅木さんはこれについても、2020年の撤退発表以来「いろいろ画策していました」とのことです。

ただし浅木さんのことですから、対外的に何か仕掛けたというよりも「技術を極める」ことに集中したのではないかと思います。実際に結果をしっかり出し、現役最高のPUという評価が確立したことで、アストンマーティン側からパートナーシップを熱望されました。

内燃機関は本当にF1の未来と反するのか

2020-10-08 Formula 1 F1 Honda LogoGetty Images

二つ目の「内燃機関の将来」は、いっそう事情が複雑です。2050年までにCO2排出量ゼロという目標を定めたホンダは、全車種の電動化を決めています。

F1復帰会見の際も、三部敏宏社長は「内燃機関を残して行くつもりはない。カーボンニュートラル燃料にも将来性はない」と明言していました。

一方、40数年にわたるエンジニア人生の大部分をエンジン開発に捧げてきた浅木さんは、「内燃機関には十分な可能性がある」と、その未来を強く信じています。だからこそ、内燃機関研究の火は絶やすわけにはいかない。

F1活動およびPU開発を技術研究所からHRCに移管させたのは、その強い思いからでした。研究所は量産車開発が主な業務で、本社の経営方針に左右されやすい。HRCというレース専門会社なら、ある程度自由にエンジン開発ができると踏んだわけです。

未来は不確か…だからこそ先を見据えた柔軟性を

2022-10-09 Suzuka Japan F1 Formula 1Getty Images

以前、浅木さんにインタビューした際「将来的にはF1も市販車もすべて電気になって、内燃機関は無くなってしまうのでは?」と質問したことがありました。すると浅木さんは、「未来のことは、私にもわかりません」と言いながらも、こう答えてくれました。

「もちろんカーボンニュートラル燃料にも、難しい問題はいっぱいあります。大量生産とか、価格の問題とか。一方でEVにもいろんな問題がある。なのでどこにどんな革新的な技術が出てくるかで、10年後の局面は大きく変わってくるでしょう」

だからこそF1で、内燃機関の研究を続ける意義がある。浅木さんはそのバトンを、後輩の技術者たちに託したということです。

文・柴田久仁夫(しばた・くにお)

1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。

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【レース情報】
F1  第8戦:スペインGP※日本時間
6月2日(金)20:30~フリー走行1回目
6月3日(土)0:00~フリー走行2回目
6月3日(土)19:30~フリー走行3回目
6月3日(土)23:00~予選
6月4日(日)22:00~決勝

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チーム・ドライバー

日程・番組表

 レースフリー走行・予選決勝
第1戦バーレーンGP 3月3日(金) ~4日(土)3月5日(日)
第2戦サウジアラビアGP 3月17日(金) ~18日(土)3月19日(日)
第3戦オーストラリアGP 3月31日(金) ~ 4月1日(土)4月2日(日)
第4戦アゼルバイジャンGP 4月28日(金) ~ 29日(土)4月30日(日)
第5戦マイアミGP 5月5日(金) ~ 6日(土)5月7日(日)
第6戦エミリア・ロマーニャGP 5月19日(金) ~ 20日(土)5月21日(日)
第7戦モナコGP 5月26日(金) ~ 27日(土)5月28日(日)
第8戦スペインGP 6月2日(金) ~ 3日(土)6月4日(日)
第9戦カナダGP 6月16日(金) ~ 17日(土)6月18日(日)
第10戦オーストリアGP 6月30日(金) ~ 7月1日(土)7月2日(日)
第11戦イギリスGP 7月7日(金) ~ 8日(土)7月9日(日)
第12戦ハンガリーGP 7月21日(金) ~ 22日(土)7月23日(日)
第13戦ベルギーGP 7月28日(金) ~ 29日(土)7月30日(日)
第14戦オランダGP 8月25日(金) ~ 26日(土)8月27日(日)
第15戦イタリアGP 9月1日(金) ~ 2日(土)9月3日(日)
第16戦シンガポールGP 9月15日(金) ~ 16日(土)9月17日(日)
第17戦日本GP 9月22日(金) ~ 23日(土)9月24日(日)
第18戦カタールGP 10月6日(金) ~ 7日(土)10月8日(日)
第19戦アメリカGP 10月20日(金) ~ 21日(土)10月22日(日)
第20戦メキシコシティGP 10月27日(金) ~ 28日(土)10月29日(日)
第21戦サンパウロGP 11月3日(金) ~ 4日(土)11月5日(日)
第22戦ラスベガスGP 11月16日(木) ~ 17日(金)11月18日(土)
第23戦アブダビGP 11月24日(金) ~ 25日(土)11月26日(日)