角田裕毅「プランAでした」カナダGP1周目のピットインは想定通り…だが展開は味方せず「不完全燃焼」｜WEDNESDAY F1 TIME

アルファタウリの角田裕毅が、第9戦カナダGPのレースを振り返った。

角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #18』にリモートインタビューで出演。MCのサッシャ氏と、師でもあるレーシングドライバーの中野信治氏がインタビュアーを行った。

第9戦カナダGPで角田は19番グリッドからレースを開始。1周目を終えるタイミングですぐさまピットに入り、序盤でミディアムに見切りをつけてハードの第2スティントに入った。そこからクリーンエア状態で順調に周回を重ねていったが、ジョージ・ラッセルが12／70周目でセーフティーカーを誘発。これが角田にとっては特にならず、そこからライバル勢とトレイン状態で走ることを余儀なくされた。

そして角田は35周目に再びピットへと入り、ミディアムからハード、そしてハードとつないで第3スティントに入る。だが展開が味方しなかったこともあり、角田は14位でフィニッシュとなった。

DAZN

スタート直後にタイヤをミディアムからハードに変更。このことについて本人は「プランAでした」と想定通りの作戦だったと明かしている。

「そもそもプランAでした。1周目でハードタイヤに換えて、そこから69周ハードで走り切るつもりでした」

そしてラッセルのウォール接触＆セーフティーカー誘発は角田にとって想定外の痛手だった模様。

「不満はあります。セーフティーカーが入ってなかなか思ったようにポジションを上げられなかった。セーフティーカーがなかったら10番手か9番手までいけて、走り切るはずだった」

Red Bull Content Pool

本人としては70周あるレースの69周を、第2スティントのハードで持たせるつもりだったという。

「今回は意外とデグラデーションが大きかったんですけど、でも（ハードタイヤで）走り切ることは可能だと思っていた」

「（ラップ）タイム的には少し落ちてきた部分もあったんですけど、他のクルマの後ろをずっと走りながらでしたし。（ケビン）マグヌッセンを抜いたらクリーンエアになるという状態で競って。最終コーナー手前でピットに追い出されて。（ピットの）準備はできていた。でも（この作戦変更は）あんまり嬉しくなかったですね。あれは不完全燃焼でした」

第2スティントのハードで走り続けていた角田。だが35／70周目に再度ピットインを行い、第3スティントのハードに移行した。これは本人としては不本意な作戦変更だったようだ。

「急に（ピットへ）呼ばれて。“ユウキ、2ストップ目だ”ということになって。それでピットに入りました」

Red Bull Content Pool

なお、ミディアムから1度のピットインでハードにつなぎ、そこからロングランを見せたアレクサンダー・アルボンは7位入賞を果たしている。

レース中盤に角田は一時アルボンの真後ろで、トレイン状態で走る場面もあった。タイヤを持たせるのはとても困難なミッションだったかもしれないが、アルボンと同様のレース展開をしていたら、角田は今季3度目の入賞をしていた可能性は十分にあったかもしれない。

ウィリアムズのアルボンが6ポイントを加えたため、今季のコンストラクターズランキングでアルファタウリは10チーム中10位に転落する結果となってしまった。

ここまでの戦いぶりを踏まえると、アルファタウリは引き続き苦戦を余儀なくされる可能性が高い。それでも角田はAT04でここからどう結果を示していくのだろうか。カナダGPでは1周目のタイヤ交換が成果に結びつかなかったものの、ライバル勢を上回るためには斬新なアイデアやチームとしての工夫も必要となる。角田にとってF1での3年目は、堅実に結果を示しつつも、一つでも上に食い込むための策も重要となりそうだ。

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