アルファタウリのトスト代表「デ・フリースは選手権の勝ち方を熟知している」苦戦中の教え子を擁護、本領発揮に期待｜F1

アルファタウリのフランツ・トスト代表が、今季ここまで苦戦しているニック・デ・フリースについて言及している。

2019年のF2王者であるデ・フリースは、F1のシートに空きがないことからF1昇格はすぐさま実現せず。メルセデスのリザーブだった2022年のイタリアGPにて、虫垂炎で急遽欠場となったアレクサンダー・アルボンの代役として、ウィリアムズからスポット参戦ながらF1デビューを果たした。

このレースでは9位入賞を果たし、改めてオランダ人ドライバーの資質が高く評価された。そして同年の日本GP開催中に、2023年よりアルファタウリのレギュラードライバーになることが公式発表となる。

だが2023年のアルファタウリAT04は競争力に乏しく、なかなかポイント争いに絡むことができず。F1で3年目を迎えている僚友角田裕毅も2度の10位入賞で2ポイントをもぎ取るのがやっとの状況。デ・フリースについてはモナコGP決勝の12位が最高位で、第9戦カナダGPを終えた段階でノーポイントとなっている。

トスト代表はこの状況に理解を示しつつ「ニックの経験は確かなものだ。これから彼の経験はきっと有利に働くだろう」と期待の言葉を口にした。『F1』公式がその言葉を伝えている。

「彼には時間が必要だ。特にニックにとってはレギュラードライバーとして最初のシーズンだからね。何しろ彼はすべてのトラックを把握しているわけではない」

「ニックはメルボルンもサウジアラビアもマイアミも走っていなかったし、バクーではスプリントレースもあってコースを把握する時間も十分になかった。これはF1に慣れていないドライバーにとってあまりに酷なものだ」

そしてトスト代表はデ・フリースに今、必要なことをこう主張した。

「まずはニックには集中力をキープして、自信を保つべきだと伝えているよ。なぜなら、彼は良い仕事ができるドライバーだと、誰もが知っているからだ」

「ニックは下部カテゴリーから激しい競争を展開し、F2では頂点に立った。フォーミュラE世界選手権でも総合優勝を果たしている。この実績が物語ることは、彼はチャンピオンシップの勝ち方を熟知しているということだ」

「自信を得ることが今のニックには必要だ。そして我々は彼に良いクルマを提供しなければならない」

今季をもってトスト氏はアルファタウリの代表職を退き、来季からはローラン・メキエス氏が後任となる見通し。

トスト氏は角田がなかなか結果を残せないときも「F1で力を発揮するには3シーズン必要。今のF1は若手にとってとても難しいカテゴリーになっている」と語り、擁護の姿勢を貫いていた。デ・フリースにとっては自らを起用してくれたトスト代表が去っていく前に、結果を残して恩に報いたいところだ。

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