アルファタウリの角田裕毅が今季3度目の入賞となった第13戦ベルギーGPを振り返った。
角田は『DAZN』の『WEDNESDAY F1 TIME #24』にリモートインタビューで出演。MCのサッシャ氏と、師でもあるレーシングドライバーの中野信治氏がインタビュアーを行った。
サマーブレイク前の最終戦、第13戦ベルギーGP決勝は11番グリッドからのレーススタートとなった角田。最初の1周目で8番手まで一気に順位をジャンプアップさせると、そこから一時は6番手を競う位置で走行する。ミディアム、ミディアム、ソフトとつないで、1ストップ作戦のジョージ・ラッセルやランス・ストロールに先行されてしまったものの、最後はP10で今季3度目の入賞を果たした。
DAZN
スタート直後はターン1でのインを突いてポジションを上げていった。角田は「スタートだけは順位を落としたくないと思っていた」とブラックアウト直後を振り返っている。
「スパは意外とオーバーテイクしにくいコースなので、スタート後の位置取りが重要だと言うことで、ある程度スタート前にシミュレーションしながらも、あとは空いているところをズバズバ行くしか無い、という感じでアグレッシブに行きました」
中野氏は角田に対して「裕毅的には感覚的なもので行っているの?考えると同時に動いているように見える。かなり(反応が)速いんだよね」とスタート時の意識について質問。すると角田はこう返答している。
「感覚ですね。空いているところに行く!あとは経験もありますね」
DAZN
「やっぱりF1で1年目のときは逆に順位を(スタート直後に)めちゃめちゃ落としていたので、順位を上げている人と比較して、どういうところが違うのかというのをオンボードとかで見て。順位を上げている人のトレンドみたいなのがわかってきた」
「去年は練習しながら、考えながらやっていた。少しアップダウンがあったんですけど、最近は上げてきたので、あとは感覚と経験が自分の体を勝手に動かしてくれている。自信を持って、信じて飛び込んでいっています」
DAZN
タイヤはスタート時にミディアムを選択した。そして第2スティントは再度ミディアムを選び、異なるコンパウンドを装着しなければならないことから、早々に2ストップが確定。この流れについては、こう振り返った。
「最初のミディアムスティントが一番ペースは良かったんじゃないかと思っている。(フェルナンド)アロンソとペースがほとんど変わらなかったですし、そこで順位を大きく上げることができて、6番手で走ることができた」
「ここがその後のストラテジーにも影響して、少しストラテジストも考えやすいような、フレキシビリティのあるストラテジーができるようになった。ファーストスティントは良かったと思います」
Red Bull Content Pool
結果としてジョージ・ラッセルやランス・ストロールなど、ワンストップ勢に抜かれた形になった。ミディアムでのロングスティントはできなかったのかと問われると、戦略的にチームとしてもやむを得ない判断だったと明かした。
「タイヤ的には全然引き伸ばせる状態にあったんですけど、ストラテジストによると、(アレクサンダー)アルボンが2~3周前に(ピットへと)入って、フレッシュなタイヤなので、僕よりペースが速いと。もし僕がミディアムで2~3周後にピットインしなくちゃいけないとなった時に、アルボンの後ろになっちゃう」
「アルボンの後ろって、ウィリアムズはストレートが一番速いので。そうなると抜きにくくなってしまう。アルボンの前に出たい。アルボンをカバーするために、タイヤが良くても、(ミディアムから)ミディアムに変えるという判断になりました」
「もともと2ストップを予定していて。今年のレースはタイヤが持ちにくいという考えもあったので、安全のために入ることになった」
「その週にスプリントレース(土曜日)があったので、練習走行で一回もロングランをしていなかったんですよね。なので、ワンストップで行けるのか行けないのか、全然分からない状態でレースをしていた」
DAZN
中野氏は「仮にワンストップだったらどうなっていたのか、チームでシミュレーションをした?」と尋ねる。すると角田ももう少し上が狙えたのではないかという心残りもあった模様。だがサマーブレイク直前のレースということもあり、チーム内で荒立てるようなことは避けていたようだ。
「(シミュレーションを)やっているんでしょうけど、チームはポイントを取ったので。僕的には9~8位行けたんじゃないかというのもありました」
「フランツ(トスト代表)もめちゃめちゃ嬉しそうにしていたんですけど、9~8位は行けたんじゃないかとチーム全体が思っていると思うんですよ」
「ただ、チームとして久しぶりのポイント過ぎて。もうレース後のエンジニアミーティングとか良い雰囲気で終わったので。そんな水をさすようなことは言わないだろうと、なんかそんな感じの雰囲気が出ていた。夏休み前だし、ここで雰囲気をぶち壊すのも良くないかなと思った」
Getty Images
実際にトスト代表は、角田がもう少し上のポジションでフィニッシュすることもできたはずだとチームに一石を投じていたとのこと。
「フランツはそういうのを気にしないので最後に(もっと上を目指せたのではないかとミーティングで)ぶち込んで来ましたけど」
「(トスト代表は)“もっとポイントを取れると思った。でもまずは10位に入ることができて嬉しい”と言いつつ、9~8位に入れたんじゃないかというメンションはしていたので、チームとしてわかっていると思う」
「ただ、ストラテジーのミスということでもない。予想できない状況で、1ストップで行けたという結果もあった。僕がもうちょっと無線でタイヤのフィードバックだったり、僕の考えを言うべきでもあった。ここは学んで生かしていきたい」
Red Bull Content Pool
ベルギーGPでは結果としてハードを使わなかった。ミディアム、ミディアムとつないで、最後にソフトを選んだのにも理由があったという。
「ソフトが意外と持って。(ピエール)ガスリーが最初から、ガソリンが重い状態でタイヤがキツい状態で24周目まで走って。ソフトが意外と悪くなかったんですよね」
「だから僕も最後(のスティント)は20周ソフトで行けるだろうと。元々はミディアム、ハード、ミディアムの戦略を取っていて。あまりにもその日はコースのグリップ力がないと感じていた。フォーメーションラップのグリッドに着く前、そこでグリップが少ないと考えたので、ハードが良くないんじゃないかとチームで話し合って、ハードは使わないことにした」
「あとはミディアムの持ち次第ですね。どのぐらい持つか。結構持つようなら、ハードは履く必要がない、ということで早めにハード(の選択肢)はなくしました」
結果として今季3度目の10位となり、1ポイントを奪取した角田。各コンパウンドの相性、デグラデーションの大きさはライバルチームに比べて見劣りする状況ながら、なんとか結果を出した形に。
アルファタウリのAT04はまだ上位勢との差が大きい状態ながら、いかにして少しでも上の順位を手にできるのか。サマーブレイク明けの第14戦オランダGP以降、後半戦における角田の戦いぶりに要注目となる。
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |