開幕から12戦全勝、圧倒的なレッドブル
オランダGPから、いよいよ2023年のシーズン後半戦が始まります。このタイミングで、改めて今季のレッドブルの強さを振り返ってみようと思います。
開幕からここまで12戦全勝。1988年にマクラーレン・ホンダが打ち立てた同一シーズン11連勝という記録を、ついに更新しました。
そしてマックス・フェルスタッペンは5月のマイアミGPから8連勝で、すでにシーズン10勝。残りの2戦も2位表彰台という手のつけられない強さで、タイトル争いを独走しています。
今のレッドブルとフェルスタッペンの死角のなさ、メルセデスやフェラーリとの力の差を見る限り、よほどのハプニングが起きない限り連勝記録はまだまだ伸びそうです。
過去に圧倒的だった伝説のチームよりも上?
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ちなみに今季のレッドブルの強さは、上述したようにかつてのマクラーレン・ホンダと比較されることが多いですよね。ただ圧倒的な強さという観点からすると、もう一つのチームもクローズアップしたいところです。
そう、昨年レッドブルに敗れるまで、王座に君臨し続けたメルセデスです。コンストラクターズ選手権8連覇という記録は、かつての常勝チームだったマクラーレンやウィリアムズ、そしてミハエル・シューマッハ時代のフェラーリも成し遂げなかった偉業です。
2014年に導入されたV6ターボハイブリッドの先行開発で、ライバルたちに大きな差をつけたことが一番の要因でした。なので各メーカーの技術力が拮抗していく2017年以降はその差は縮まっていきますが、それでも2021年まで勝ち続けました。
トップ2人が争った2014年~2016年のメルセデスが突出
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中でも2014年~2016年、最初の3シーズンはもの凄く、予選でポールポジションが取れなかったのは毎シーズン1回だけ。レースでも9割前後の勝率をキープするという、まさに今季のレッドブルに匹敵する強さを3年間も続けていたのでした。
この最初の3年間の強さには、ルイス・ハミルトン、ニコ・ロズベルグという二人の偉大な才能も大きく貢献しました。
「え?ハミルトンはともかく、ロズベルグが偉大な才能?」と思う人もいるかもしれません。確かに2016年末に突如引退を発表したロズベルグは、ハミルトンに肝心なところでいつも負けていたイメージがあります。
とはいえ2016年にはハミルトンを下してタイトルを取っているわけで、もっと評価されていいドライバーだと思います。ハミルトンがチームメイトに負けたのは、17シーズンに及ぶ長いキャリアの中で2011年のジェンソン・バトンと、この年のロズベルグ、そして2022年のジョージ・ラッセルと、3度だけですしね。
際立つレッドブル一強状態…後半戦の不安要因とは
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で、今のレッドブルに戻ります。冒頭で「死角はない」と言いましたが、最大の不安要因はやはりチームメイトでしょう。
夏休み前の2戦で表彰台に上がって復調の兆しは見せたものの、同じマシンを駆るフェルスタッペンと比べると、セルジオ・ペレスはやはり物足りない。
その点で言うと、今季のレッドブルの強さを持ってしても、2014年~2016年のメルセデスにやや及ばないかなと。首脳陣がダニエル・リカルドをアルファタウリから現役復帰させたのも、その辺りの弱さを自覚したからだと思います。
シーズン後半戦でもペレスがフェルスタッペンとともに表彰台に立ち続ければ、来季も続投させるでしょう。しかしまた調子を落とし、一方でリカルドがしっかり結果を出すようなら、迷わずリカルドを呼び戻すはずです。
ただし二人のトップドライバーの制御がよほどの難事なのは、アイルトン・セナ/アラン・プロスト、ハミルトン/フェルナンド・アロンソ、そしてハミルトン/ロズベルグなど過去の例を見ても明らかです。
かつてのフェルスタッペン/リカルドも、何度も同士討ちを繰り返しました。とはいえ実に魅力的なラインナップなのは間違いなく、ぜひ再び見てみたいですね。
文・柴田久仁夫(しばた・くにお)
1956年静岡県生まれ。1980年代よりフランス・パリを拠点とし、TV番組制作の現場で手腕を振るう。1987年よりF1の世界にも足を踏み入れ、それ以来数々のレースを取材してきた。訪れたサーキットでは素足でトラックの感触を確かめるというライフワークも行っている。2016年より本拠地を東京に移し、現在は『DAZN』のモータースポーツ中継でも解説を務める。
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【レース情報】
F1 第14戦:オランダGP※日本時間
8月25日(金)19:30~フリー走行1回目
8月25日(金)23:00~フリー走行2回目
8月26日(土)18:30~フリー走行3回目
8月26日(土)22:00~予選
8月27日(日)22:00~決勝
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チーム・ドライバー
日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |