2023年のF1第14戦、オランダGP決勝を終え、アルファタウリの角田裕毅がレース内容を振り返った。
角田は予選でQ2進出14番手だったが、予選セッション中にルイス・ハミルトンへの妨害があったとして3グリッド降格ペナルティを受け、決勝は17番グリッドからのレース開始となった。
現地ザントフォールトはドライ路面で決勝時刻を迎えるも、オープニングラップ中に雨が降ってくる事態に。角田はすぐさまピットへと入る好判断を見せたが、ピットではタイヤ交換のミスがあり、タイムロスが大きくなる。
そこから角田はインターミディエイトに履き替えたタイミングが早く、得する状況となって中団の10番手を走行。27周目のターン1でケビン・マグヌッセンを抜いて9番手に浮上し、31周目にはチョウ・グァンユを抜き、P8までポジションを押し上げた。
Red Bull Content Pool
中団を走る角田はここからランド・ノリスの追撃を防ぎ続ける展開となった。だが後ろのノリス、ハミルトン、オスカー・ピアストリらは、早々にタイヤへの見切りをつけ、アンダーカットを狙うためにピットイン。
ソフトを履いたまま角田はステイアウトを続けた。ピエール・ガスリー、ジョージ・ラッセル、アレクサンダー・アルボン、ノリス、ハミルトンらにトラック上で抜かれ、47周目には一時4番手を走行していたが、59/72周目には12番手まで角田はポジションを落としてしまった。
レースは終盤の61/72周目に、突如として豪雨となる。ここで角田はインターミディエイトに変更するも、雨は激しくエクストリームウェットでなければ走行が難しいコンディションに。64周目にはチョウがターン1でオーバーラン。バリアに衝突してストップしたこともあり、ここでレースは赤旗となった。
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そしてここで角田にはラッセルと競った時に接触を誘発したとして、5秒のペナルティが科された。
赤旗明けのレース再開は67/72周目から残り6ラップとなり、角田は13番手でフィニッシュするも、5秒加算により16位降格。そしてレース終了後マグヌッセンにペナルティが出たため、角田の最終順位は15位となった。一時は中団勢でも前の位置で競っていただけに、角田にとっては悔やまれるレース内容となっている。
角田はレース後「良いスピードを示したし、レース前半にはポジションを守りながらエキサイティングなバトルができた。その点については満足しています」と内容に手応えがあったと語っている。チーム公式メディアがその言葉を伝えた。
「レース前から、チームとはソフトタイヤを使い続けるという戦略で合致していた。最後までやり切れると思っていたし、グリップは悪くなかったのですが、思っていた以上に新品タイヤのアドバンテージが大きかった。結果として報われなかったのが残念です」
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また、レース中には雨が複数回降ってくる荒れた展開となったが、エンジニアには積極策を提案したという。「雨が降り始めたのを把握し、僕はすぐにタイヤを替えたほうがいいと思った。チームは僕の呼びかけをしっかり聞き、チェンジを尊重してくれたことに感謝したい」と1周目の好判断を回顧した。
赤旗明けの終盤にはポジションを落としてしまったが「結局、決勝の終盤ではインターミディエイトタイヤのグリップが足りず、タイヤを温めて温度を保つのに苦労した。この傾向は今までになかったものなので珍しく、データをしっかり調べてみる必要があると思う」と、ちょっとした違和感があったと明かした。
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アルファタウリの車両パフォーマンス責任者ギヨーム・デゾトゥー氏は、チーム戦略について説明しつつ、レースをこう回顧している。
「今回は天候に大きく左右されるレースとなった。絶え間なくコンディションの変化が起こり、それに対処するのはチーム全員にとって大きな障壁となった」
「ユウキ、リアム(ローソン)ともに両ドライバーはソフトコンパウンドでスタートしたが、最初のにわか雨がコース上で降っていることから、無線ですぐにインターミディエイトに変更したいと求められた」
「それは正しい判断となり、ポジションをいくつもジャンプアップさせることができた。路面が良くなり始めてソフトタイヤに戻したが、この最初のウェット期間中、ドライタイヤを履いていた先行車両と比べて、ユウキはポジションをキープすることができた」
そして角田はソフトタイヤでロングランをする状況となったが、デゾトゥー氏は角田をステイアウトさせ続けた理由について、このように説明した。
「セーフティカーの後、ユウキは良いポジションにいた。我々は彼をステイアウトさせる賭けに出たんだ。ただ、タイヤが劣化していくとともにタイムとポジションを失い始めたため、結果としてこれは正しい決断ではなかった」
「ユウキは終盤の雨が降り出すまで何とか持ちこたえたが、レース続行が不可能なほど雨が激しくなり、赤旗となってしまった」
残り6周で角田はランス・ストロール、ニコ・ヒュルケンベルグに抜かれる状況となったが「ウォームアップ不足とグリップの低下により、インターミディエイトタイヤでの最後の周回はとても難しいものだった」と理解を示している。
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今回がF1デビューで13位完走となったローソンについては「リアムに関して言えば、彼は今日とても良い仕事をした」と労いの言葉を贈った。
「リアムはクルマについて学びつつ、刻一刻と変化していくコンディションに適応していった。彼はミスをすることもなく、初めてドライタイヤを履いて良いペースで周回することもできたしね」
「ただ、全体的には難しい週末だったと言わざるを得ない。我々はこのような状況下で行われたさまざまな意思決定を見直し、データを分析して、このプロセスを改善したい」
「今は来週のモンツァでのレースに向けて準備をする時期ですが、レースがドライになることを願っているよ」
ザントフォールトでのレースを終え、次戦は立て続けにモンツァでのイタリアGPとなる。アルファタウリにとってはお膝元でもある一戦となる。
天候や路面コンディションなど、ギャンブル的な要素に左右されずにしっかりと入賞圏内を目指せる位置で戦えるのか、角田そしてアルファタウリとしても、第15戦イタリアGPではしっかり結果を示したいところだ。
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日程・番組表
レース | フリー走行・予選 | 決勝 | |
---|---|---|---|
第1戦 | バーレーンGP | 3月3日(金) ~4日(土) | 3月5日(日) |
第2戦 | サウジアラビアGP | 3月17日(金) ~18日(土) | 3月19日(日) |
第3戦 | オーストラリアGP | 3月31日(金) ~ 4月1日(土) | 4月2日(日) |
第4戦 | アゼルバイジャンGP | 4月28日(金) ~ 29日(土) | 4月30日(日) |
第5戦 | マイアミGP | 5月5日(金) ~ 6日(土) | 5月7日(日) |
第6戦 | エミリア・ロマーニャGP | 5月19日(金) ~ 20日(土) | 5月21日(日) |
第7戦 | モナコGP | 5月26日(金) ~ 27日(土) | 5月28日(日) |
第8戦 | スペインGP | 6月2日(金) ~ 3日(土) | 6月4日(日) |
第9戦 | カナダGP | 6月16日(金) ~ 17日(土) | 6月18日(日) |
第10戦 | オーストリアGP | 6月30日(金) ~ 7月1日(土) | 7月2日(日) |
第11戦 | イギリスGP | 7月7日(金) ~ 8日(土) | 7月9日(日) |
第12戦 | ハンガリーGP | 7月21日(金) ~ 22日(土) | 7月23日(日) |
第13戦 | ベルギーGP | 7月28日(金) ~ 29日(土) | 7月30日(日) |
第14戦 | オランダGP | 8月25日(金) ~ 26日(土) | 8月27日(日) |
第15戦 | イタリアGP | 9月1日(金) ~ 2日(土) | 9月3日(日) |
第16戦 | シンガポールGP | 9月15日(金) ~ 16日(土) | 9月17日(日) |
第17戦 | 日本GP | 9月22日(金) ~ 23日(土) | 9月24日(日) |
第18戦 | カタールGP | 10月6日(金) ~ 7日(土) | 10月8日(日) |
第19戦 | アメリカGP | 10月20日(金) ~ 21日(土) | 10月22日(日) |
第20戦 | メキシコシティGP | 10月27日(金) ~ 28日(土) | 10月29日(日) |
第21戦 | サンパウロGP | 11月3日(金) ~ 4日(土) | 11月5日(日) |
第22戦 | ラスベガスGP | 11月16日(木) ~ 17日(金) | 11月18日(土) |
第23戦 | アブダビGP | 11月24日(金) ~ 25日(土) | 11月26日(日) |